SHAKKAZOMBIEの
メジャー1st『HERO THE S.Z.』の、
ポップさとスリリングさを
同居させた構成力に完全脱帽
伝説的ヒップホップユニットのひとつ
SHAKKAZOMBIEも『さんピンCAMP』に参加したレジェンドのひとつ。そればかりか、彼らは1996年4月にシングル「手のひらを太陽に」でメジャーデビューを果たし、翌年1997年7月に1stアルバム『HERO THE S.Z.』を発売している。日本のヒップホップの歴史的転換期、その真っ只中で表舞台へ登場したユニットである。メジャーでのリリースが価値基準のすべてではないことは承知しているが、同イベントに参加した面子は1996年の時点で未だメジャーで音源を出していないユニットも少なくなかった中でのメジャー進出というのは目を惹くところではある。まぁ、同時期、同レーベルからは他のヒップホップアーティストもわりとデビューしていたので、ことさらSHAKKAZOMBIEだけが厚遇されてデビューしたというようなことはなかったとは思う。ただ、今回、『HERO THE S.Z.』を聴いてみて、本作における芸術性と大衆性のバランスの良さを相当に興味深く思ったし、メジャーレーベルが放っておかないセンスだろうと今さらながらに感じたところではある。そして、そうしたSHAKKAZOMBIEらしさ(というか塩梅というか)は現在まで続く、日本のヒップホップシーンの礎のひとつとなっているであろうことも容易に想像付く。