大野拓朗、甲斐翔真らが公演への熱い
思いを打ち明ける 音楽劇『クラウデ
ィア』Produced by 地球ゴージャス
制作発表会レポート

大野拓朗、甲斐翔真がダブルキャストで主演する、音楽劇『クラウディア』Produced by 地球ゴージャスが今夏、東京と大阪で幕を開ける。2022年7月4日(月)~24日(日)までは、東京建物 Brillia HALLで、大阪は7月29日(金)~31日(日)まで、森ノ宮ピロティホールで開催。
出演者たちは、台本を読むなどの稽古がスタートしたばかりだという。記事では幕開けに向けて意気込む出演陣、脚本を書き下ろした俳優の岸谷五朗らが都内で開いた制作会見の様子をレポートする。
舞台は、岸谷と俳優の寺脇康文が主宰する演劇ユニット「地球ゴージャス」が2004年に初演。岸谷が「反戦三部作」の第1作目として手掛けた作品で、愛を禁じられ、戦いに明け暮れる「根國」と「幹國」という2つの民族しかいない世界を描いている。
会見では舞台で歌唱する歌も披露された
ジュークボックスミュージカルの名を掲げる舞台では、サザンオールスターズの楽曲を多数使用。会見では根國の剣豪・細亜羅(ジアラ)役を務める大野と甲斐、幹國の長・毘子蔵(ヒコゾウ)役の廣瀬友祐と小栗基裕が「Oh!クラウディア」を熱唱した。主題歌「FRIENDS」を歌う場面では、クラウディア役の田村芽実、門山葉子に続き、甲斐らも力強い歌声を会場に響かせていた。

会見では舞台で歌唱する歌も披露された
会見では舞台で歌唱する歌も披露された
会見では舞台で歌唱する歌も披露された
18年ぶりの再演では、脚本を“令和版”に書き直したという岸谷。「本読みが始まって、アドレナリンが沸き上がってきている」と頬を高揚させた。岸谷は「(初演で)クラウディア役を演じ、天使になってしまった本田美奈子.さん(2005年に死去)にとって、演劇生活最後の作品。衣裳は、(初演時に担当し、20年に亡くなった)山本寛斎さんの魂を継いだ事務所の方が素晴らしい衣裳を考えて下さっています」と深い思い入れがある作品について説明していた。

「経費節約のために司会も務める」と笑わせた岸谷五朗
細亜羅役の大野は、地球ゴージャス作品に出演するのは初めて。「時代劇なので難しい日本語が多いけれど、台本を読み込むうちに日本語の持つ美しさを感じました。一つひとつの言葉を大切に演じたいと思っています。台本には美しい言葉が散りばめられていて、(ウィリアム)シェークスピアが頭に浮かびました。吾朗さんは“和製シェークスピア”だと思う」と感激していた。
大野拓朗
甲斐翔真
ダブルキャストを務める甲斐は、2016年に城田優が主演した『The Love Bugs』の稽古場を見学した経験から「いつか地球ゴージャスに出演して、五朗さんと寺脇さんと一緒に舞台に立てたら良いなと思っていました。でも今回はお二人とも出演されないという……。いらっしゃらなくて残念です」と肩を落としていた。
岸谷が「地球ゴージャス」公演に出演しないのは今回が初めて。理由を問われた岸谷は「本当は出たいんです……うずうずしています。でも劇では、愛することを知った二人がファーストキスをするというラストがある。大きな盛り上がりを見せる場面なんですよね……。寺脇さんは還暦になりました。ちょっと還暦のファーストキスは見たくないなと思いまして。頼むから出ないでくれって。寺脇さんが出ないのに、私が出るわけにはいかないので、ここにいる若者たちに託しました」と本音を明かしていた。
岸谷五朗
さらに岸谷は同作を反戦三部作の1作目として作ったことにも触れ、「『クラウディア』で描かれていることは決して起きてはいけないこと。でも2022年の世界情勢が舞台と重なっていて……。演劇は非力ですが、この作品を通して、反戦というテーマを伝えていけたらと思います」と思いを込めていた。
■制作会見に登壇したキャストの意気込み
会見では舞台で歌唱する歌も披露された
▼クラウディア役(ダブルキャスト)田村芽実
会見では舞台で歌唱する歌も披露された
「事務所の先輩でもある美奈子.さんが生前最後に演じられた役。生半可な気持ちではできない。美奈子.さんも一緒に、私の中で歌ってくれていると思っています。精一杯生きたいと思います」
▼クラウディア役(ダブルキャスト)門山葉子
会見では舞台で歌唱する歌も披露された
「冒頭で歌った『FRIENDS』は、本番では全キャストで歌うことがないので、きょうは心強く感じました。作品に込められた思いを、みなさんに届けていくと決心しました」
▼幹國の長・毘子蔵役(ダブルキャスト)廣瀬友祐
会見では舞台で歌唱する歌も披露された
「過去に岸谷さんが演じた役。プレッシャーもありますが、いまは楽しみの方が強いです。僕自身の血を毘子蔵に通わせたい」
▼幹國の長・毘子蔵役(ダブルキャスト)小栗基裕
会見では舞台で歌唱する歌も披露された
「毎日期待と不安と喜びが、秒単位でやって来る。『あぁ、生きているな』と感じながら、稽古する日々を送っています」
▼幹國の剣豪・織愛役 美弥るりか
「日本人女性の中では剣を使った回数が比較的多いと思います。経験を生かして、織愛という人物を表現したい。みなさん身体が仕上がっているので、私も初日までに作り上げたいです」
▼根國の長・ヤン役(ダブルキャスト)上山竜治
「稽古場では、五朗さんに導かれる日々を送っています。ヤンの姿を通じて、従順に戦い続ける愚かさとはかなさを伝えたいです」
▼根國の長・ヤン役(ダブルキャスト)中河内雅貴
「本読みの段階から150パーセントの力を出すと自分に課していて、すでに声がガラガラになってしまいました。メンバーを束ねる五朗さんのリーダーシップが素晴らしい。最初にお会いした時から熱い方ですが、その熱さに乗って頑張りたいです」
▼龍の子役(ダブルキャスト)平間壮一
「ゴージャスへの出演は3回目。最初は五朗さんと寺脇さんが出演しないことを想像できなかったのですが、僕たちみんなで地球ゴージャスの雰囲気を作り上げていきたいです」
▼龍の子役(ダブルキャスト)新原泰佑
「(メインキャストの中で)僕は最年少。どうしてもこの役をやりたいと、オーディションでは五朗さんにダンスや歌を収録した動画を送りました。僕にしかできない龍の子を演じたい」
▼世界を司る神・神親殿役 湖月わたる
「『クラウディア』の魅力は言葉の力。戯曲には五朗さんの熱くて深い思いが満ち溢れています。そこにみんなが新しい息吹を込めている。心がひりひりするような立ち回りと、後は本読みの段階で笑ってしまうお笑い要素もあるので、期待して見に来てほしいです」
取材・文・撮影=翡翠

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