L→R 大浦史記(Pf)、齋藤知輝(Vo)、萩原健太(Ba)、清水裕貴(Dr)

L→R 大浦史記(Pf)、齋藤知輝(Vo)、萩原健太(Ba)、清水裕貴(Dr)

【Academic BANANA インタビュー】
4人が共通して意識しているのは
“歌を聴かせる”こと

Academic BANANA(以下、アカバナ)の1stアルバム『SEASON』について、メンバーの齋藤知輝(Vo)、萩原健太(Ba)、清水裕貴(Dr)にインタビューを実施した。2017年に結成し、コロナ禍で思うように活動ができない時期も配信ライヴや新曲制作を重ね、ここまでのバンドの集大成と言える今作。多様な音楽性と歌とメロディーが生み出す、美しくロマンチックな“ネオ歌謡曲”に酔いしれろ!

このアルバムに僕らが過ごしてきた
いろんな季節をまとめたかった

今作『SEASON』は2018年6月に1st EP『東京』でデビューしてから満を持してのフルアルバムということで。コロナ禍で思うように活動ができない時期も続きましたがいかがでしたか?

齋藤
コロナ禍はもろに喰らいましたね。コロナが流行り始めた頃にちょうどスタジオライヴ盤のCDを作っていて。それを引っ提げてリリースツアーをする予定だったんですけど、それができなくなったことで出鼻をくじかれた感がありました。でも、わりと気持ちを切り替えるのは早かったよね?
萩原
そうだね。“ライヴができないなら別のことをやろう”ってスタンスで。
齋藤
すぐにスタジオで配信ライヴをしたり、個人で動き出したり。もともと配信をやっていたミュージシャン仲間が近くにいたので、教えてもらいながらやりました。結果、そういうのをやっていたおかげで、今回のアルバムに辿り着けたところもあります。

収録曲にはストリート時代から演奏している「抱擁」が入っているし、ここまでのアカバナの集大成的な作品にもなってますよね?

齋藤
そうですね。これまでに配信リリースした曲も入れていて、「サイレントラブ」はコロナ禍になって最初にレコーディングした曲です。収録曲が揃った時に意外と楽曲ごとのテーマがバラバラであることに気がついて、“どういう方向性で聴いてもらうか?”ってところは悩みましたが、曲順を決めたら春夏秋冬の季節の移り変わりのような流れができていて。アルバムを出せなかった期間から現在までいろんな季節を過ごしてきたので、その季節をまとめたいという結論に至って、このタイトルになりました。
清水
“SEASON”って言葉が秀逸ですよね。ちょっとバラバラでもまとめてくれるから(笑)。
萩原
あははは。僕はデモ段階からアレンジをしているので各曲の原型も知っているんですけど、想像していた完成予想図を超えてきましたね。聴き応えもあるし、曲をよく知っている僕でも満足のできるアルバムになったなと。

そもそもの話で、アカバナのメンバーって作曲家としても活躍する齋藤さん、制作面でほぼ全曲のアレンジを務める萩原さん、エンジニアとしてミックスも担当する清水さん、ピアニストとしてアーティストのサポートを務めている大浦さんと、個々でも活動ができるプロフェッショナルが揃っているじゃないですか。この4人でバンドでやろうと思ったのはどんな経緯だったんですか?

齋藤
僕が前にやっていたユニットが解散するとなった時、最後の作品のエンジニアを清水がやってくれたんですよ。そのタイミングで清水も所属してたスタジオからフリーになって“バンドをやりたい”と言っていたので、“じゃあ、一緒にやろうよ”と。ベースは昔から一緒に活動することも多かった健太に声をかけて、ピアノはキーボーディストじゃなく、クラッシックのピアニストを入れたかったんですよ。だから、特に面識もないのに僕が前から好きだったふーみん(大浦史記の愛称)にSNSでDMを送って快諾いただいて。僕が求めていたピースが全部揃った感じでした。

その時点でどんな音楽をやりたいかも見えていたんですか?

齋藤
“より上質なJ-POPがやりたい”と思っていました。最初はすごく漠然としていたものが、メンバーのサウンドやアレンジが加わることでどんどんかたちになっていった感じで。僕の泥臭い部分もメンバーがうまく処理してくれているから、アカバナのサウンドになっていったと思っています。僕は個人で作曲の仕事もしているので自分のメロディーセンスには自信があったんですけど、アレンジやミックスまで自分でやらなきゃいけないことにストレスを感じることが多くて。だったら、それをプロフェッショナルにできる人たちとやってその人たちのエッセンスを加えてもらうほうが、音楽として素晴らしいものになるというのは常々思っていたんです。アカバナを結成して、その理想に近づけた部分はすごくありました。

“より上質なJ-POP”を目指して“ネオ歌謡曲バンド”を自称するアカバナですが、J-POPや歌謡曲ってさまざまな音楽の要素を組み合わせて作り上げるジャンルだと思うし、メンバーそれぞれの持つルーツや個性、センスが音楽にしっかり反映されていて。それは個性豊かな楽曲が揃ったアルバムを聴いてもよく分かります。

齋藤
音楽には終わりがないし、世の中にある全ての音楽に触れることって不可能じゃないですか。だから、自分たちの触れてきた音楽をエッセンスとして加えて表現していて、それが混ざり合うことで『SEASON』のサウンドが作られていると思います。メンバーそれぞれ好きなジャンルはバラバラなんですけど、共通して軸にあるのは“歌を聴かせる”ってところなんですよね。演奏だけを聴くとすごくマニアックなことをしている箇所もあるんですが、その根本の部分はぶれていない。改めて話し合ったわけじゃないですけど、そこをメンバーが理解しているからアカバナの音楽が成立しているんだと思います。
L→R 大浦史記(Pf)、齋藤知輝(Vo)、萩原健太(Ba)、清水裕貴(Dr)
アルバム『SEASON』

OKMusic編集部

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