主演の市原隼人も圧倒された、2015年
屈指の衝撃作「極道大戦争」が早くも
DVD&BD化!

“上映されたことが衝撃的”
“何回見てもわからない……、語りきれない”
数々の作品に出演してきた市原隼人がこうも言い放つ映画「極道大戦争」。今年6月に公開され大きな話題を呼んだ本作が早くもDVD&Blu-ray化。



「噛まれたら、みんなヤクザ」というこれまでにない設定、強烈すぎるほどの個性を持ったキャラクター、さらには先読み不可能なストーリーに圧倒的世界観、全てが規格外&予想外の本作、その魅力について改めて主演の市原隼人に直撃!

――まずは、「極道大戦争」公開後の反響はいかがでした?

「それはもう……大絶賛でした(笑)。とにかくスゴいね、あんな作品よく作ったねと(笑)。二度と出会うことがないような作品なんだって改めて感じました」

――パンチありましたからね。

「そうですよね(笑)。とにかく絵力がスゴい。しかも挑戦的で実験的、今までにない映画だと思いましたし、これが上映されたこと自体、衝撃的なことなのかなと思います」

――あらゆる意味で破壊力のある作品だと思いますが、今振り返ってみて演じる側はどんな気分だったんですか?

「撮影時はもう100%本気でしたよ」



――あの予想外のストーリーは、ある意味完成型が見えなかったんじゃないかなって思ったんですが。

「見えなかったですね……なにしろ台本を読んだら“カエルと戦う”ってありましたから(笑)。でも、そんな何なのかわからない空間もすごく楽しかったですね」

――そんな作品に参加したことで、自分の中で何か変化したことはありました?

「いい意味で力が抜けた感じがしました。昔は、こういう映画が比較的多かったと思うんです。映画が本当に娯楽で、エンターテインメントだった。今回そのような作品に参加できたことが嬉しかったです」

――やんちゃで笑いもたくさんある中で、大義や男気、そういった部分も描かれていますよね。それがまたスゴいなと。

「普通の任侠映画ではそういったことが大半を占めていますが、この作品はある種それをみじんも感じさせないぐらいキャラクターが濃い(笑)。僕の中で任侠の世界ってアウトローであって、武士道に通じるものがあると思うんです。この映画にもそれは確実に根付いていて、そこは見ていても気持ちよかったですね」

――古き良き日本、みたいなところも感じますね。

「今の時代、横の繋がりがすごく少ないと思うんです。隣の家におかずを持っていくとか、困ってたら近所の人が助けるとか、そういったことは今こそ欲しいなと思います。それに、主人公の影山もヤクザになりたくて任侠の世界に入ったのではなく、地域の人たちと分け隔てなく触れ合い、社会を仕切っていた親父の背中を見て、彼に付いていきたいと思った。そこがたまたま任侠の世界だっただけだと思うんですよね」



――そういった部分を含め、今作は一度見ただけじゃわからない部分がたくさんあるのかなって。キャラクターそれぞれの人間味なども。

「たぶん、何回見てもわからないというか、語りきれない、そんな作品ですね。キャラクター、ストーリー、世界観、設定、どれをとってもこんな映画二度とないような気がします」

――そんな作品を作り上げた三池監督はさすがですね。

「スゴいですね。しかも、三池監督はアクション・シーンでも、アクションをメインに撮ろうとせずに、その表情や感情を撮ろうとされていらっしゃいました」

――そういう意味では、撮影は一瞬たりとも気が抜けなかった?

「絶えず緊張感が張りつめていて、でもそれがすごく気持ちいいというか、ずっといたくなるような現場でしたね。それでいて、多少遊びたくなるような現場なんですよね」



――それは、三池監督が考えている以上のことをしよう、予想外のことをしてやろうとか?

「そういったことは考えていないんですが……言うなれば子どもになれるような感じです。単純に役者という職業を楽しませていただける、映画というものづくりを楽しませていただける現場なんですよ。なんでもダメダメと止めるのではなく、まずはやってみよう、それでダメだったらやめましょうという、時間を惜しみなく使うような感じで。その大胆さと繊細さの振り幅が僕はものすごく好きです。ただ、作品に入ったらもうよそ見はできなかったですね。他のものを見たら、違う空気になってしまう気がして。挑戦的であり実験的な気持ちで、映画業界に向けたメッセージとして作品をぶつける。そんな気持ちが自分の中にありました」

――それは、公開前に三池監督にお話を聞いた際にも言ってましたね。今の映画業界に一石を投じたいって。

「作りは基本的で、本当にシンプルなんですよ。ビジネス的な集まりではなく、本当に作品が好きな人たちが集まって、にやにやしながら作っているような映画です」

――そうじゃないとこんな作品はできない気がします。

「結果的に、この映画は 世界21カ国で公開しました。それはスゴいことだと思います。しかも、まずタイトルからして挑戦的。普通はこのタイトル嫌がりますよね(笑)。でも、そこにあえて踏み出していく。それは結構勇気がいることだと思うし、そこをやり遂げたのが本当にスゴいと思います」



――そんな今作が今回待望のDVD、Blu-ray化。改めて見所を教えてもらえますか。

「影山の親父を信じる気持ち、それは見ていて気持ちがいいと思います。その他、もちろん全てのキャラクターとストーリー、天の邪鬼のような世界観は唯一無二。真剣に見ていただきたいですし、それだけじゃなくふざけながら、お酒を飲みながら、いろいろな気持ちで観ていただきたいですね」

――お酒を飲みながら観るのも一興ですね。

「ある意味バッチリですよね(笑)。きっと笑いが止まらなくなる。挑戦している背中を見て、笑っていただけたら嬉しいですね」

――個人的には、影山のように1人の男に純粋に憧れる姿、それはうらやましさを感じました。そういったことって実は少ないのかなって思って。

「信じるっていいですよね。しがらみとかそういうのなしで。僕も影山のようにピュアでいたいです。心って水みたいなもので、一度濁ってしまったら濾過するのがすごく大変。昔は何か新しいものを見るたびにスゴいなって思っていたその新鮮さが、経験を積むごとに薄れてしまう自分がすごく嫌なんです。僕自身そうならないように、何かを信じていたいですね」

――今作は噛まれたらみんな極道になってしまいますが、極道以外にみんながなってしまったら嫌なものってあります?

「なんでしょうね(笑)。僕は……全部がシステムになってしまったら嫌ですかね。人間がシステムを作り、今は規制もすごく増えて、個人個人が管理されているような世界。それが感情さえも管理されてしまうようになったら嫌ですね。管理していたつもりが、逆に管理されているような世界にはなってほしくないです」



――ちょっと気が早いですが、2016年はどんな年にしたいですか? 今年はこの「極道大戦争」に尽きたと思いますが。

「確かに、この作品は自分の中でも大きかったですね。でも、その他の作品を含め、今年はこれまでになかった立ち位置や役、役者として見せたことがない表情を見せることができたかなと思います。ただ、もうすぐ30歳なので、来年はそこからにじみ出る何かを出せたらいいなと思っています。役者の根源であるお客様のためにということを忘れず、それでいて自分の人生を楽しむために精一杯やっていきたいですね」

映画「極道大戦争」のDVD&Blu-rayは、11月3日リリース!

© 2015「極道大戦争」製作委員会

Photo:植村忠透
Hair and make up:高橋幸一(Nestation)
Stylist:小野和美(Post Foundation

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