『toku×鈴木このみ×やなぎなぎ Sp
ecial Live「bouquet」』ライブレポ
「“歌ってごらんよ”的な挑戦状」も
込められたtoku初のソロアルバム

2021年6月6日(日)、Billboard Live YOKOHAMAにてGARNiDELiA(以下「ガルニデ」)のtokuが主催するライブ『toku✕鈴木このみやなぎなぎ Special Live「bouquet」』が開催された。6月16日(水)に、toku初となるソロアルバム「bouquet」のリリースに先立って行われた今回のイベント。アルバム収録曲はもちろん、ゲストアーティストである鈴木このみ・やなぎなぎの持ち曲などから「bouquet」にちなんで選ばれた全10曲が、生バンド演奏で披露される特別な舞台となった。今回は、Streaming+でのオンライン配信も行われた夜の部(2ndステージ)の模様をレポートしていく。
一人目のゲストボーカルは鈴木このみ
tokuからの「“歌ってごらんよ”的な挑戦状」を受け、舞台に立つ
オープニングのジングルに合わせ、バンドメンバーを引き連れ、tokuが舞台に登場。黒いジャケットと黒いハットを身に着けたシックな衣装である。演奏準備が整うと共に、1曲目には最初のゲストアーティスト・鈴木このみの「歌えばそこに君がいるから」(TVアニメ『LOST SONG』OPテーマ)が披露された。曲のイントロと共に、鈴木は黒と紺のドレスで登場。舞台に立つと、出だしから激しく体を揺らし、力強い歌声を響き渡らせる。
撮影:アンザイミキ
演奏後には、楽曲との大きなギャップも感じるような、tokuのまったりと穏やかなMCコーナーが展開。また会場がBillboard Live YOKOHAMAということで、鈴木からの乾杯の音頭も取られた。続く2曲目では、冒頭で観客への手拍子のレクチャーも入れつつ、カントリー調で軽快なナンバー「Humming Flight!」が演奏された。感染症対策のために観客は声を出せないが、代わりの手拍子で会場は一体になっていく。
撮影:アンザイミキ
また、曲の中盤ではバンドメンバーの紹介も。ドラムス・早川誠一郎、ベース・セキタヒロシ、ギター・梶原健生。鈴木から、おのおの「ちゃん」付けで名を呼ばれるごとに、明るく楽し気なソロ演奏が披露される。ソロのトリを飾るtokuは、意外なことにピアノではなく爽やかなハーモニカの音色で会場を包んだ。
撮影:アンザイミキ
ふたたびMCを挟み、3曲目には鈴木の新曲「Bursty Greedy Spider」(TVアニメ『蜘蛛ですが、なにか?』後期OPテーマ)を披露。草野華余子が作詞作曲を手掛けた曲を、今回の演奏はtoku率いるガルニデお馴染みのバンドメンバーが奏でるスペシャルバージョンでお届けする。「キューン」という流れ星のようなtoku節のきいたサウンドが入ったり、サビではtokuも「ウオー」のコーラスに加わったりするなど、原曲とはまた一味違った空気で場を盛り上げた。
4曲目にはガラリと雰囲気の異なる「フラジャイルな君」を、しっとりと歌い上げた鈴木。いよいよ5曲目には、アルバム収録曲「青い薔薇」を披露した。tokuからは、「“歌ってごらんよ”的な気持ちで作った、挑戦状的な楽曲でした」と紹介されたこの曲。「tokuさんのこと、クールな人なのかなと思ったら、すごく音楽に対して情熱的な方だなと思いました」と語った鈴木も、そのtokuの情熱に応えるように、体を揺らし、手を伸ばしながら、シリアスに、そしてドラマチックに歌いあげた。
撮影:アンザイミキ
二人目のゲストは透明感ある歌声のやなぎなぎ
ガルニデの名曲「SPiCa」のカバーも披露
舞台を終えた鈴木このみが、大きな拍手に包まれながら去っていく。それと入れ替えで、バンドの演奏が続く中、ステージにはやなぎなぎが登場。鈴木とはガラリと印象の変わる、明るい金のワンピースをまとって舞台に立つと、そのまま「ユキトキ」(TVアニメ『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』OPテーマ)を披露した。
撮影:アンザイミキ
MCでは、ひたすらやなぎなぎの歌を褒めるtokuに「表彰式かな?」とやなぎなぎが照れて言う微笑ましい場面もあり、続く2曲目として「Sweet Track」を歌った。また3曲目には「bouquet」にちなんで選んできたという「三つ葉の結びめ」を披露。曲のサビで手を左右に振ると、観客も一斉に手を振り出し、会場に一体感が生まれる。
撮影:アンザイミキ
続けて4曲目にはガルニデの名曲「SPiCa」をカバー。透明感溢れる歌声が、レゲエ調のアレンジがきいた演奏に乗り、Billboardらしいお洒落な雰囲気で会場が包まれる。
そして5曲目に、アルバム収録曲「Coreopsis」を歌った。「エレクトロニカでカッコイイ曲を作られるなぎさんのために書いた、イチオシの曲です」とtokuが紹介したこの曲。CD収録版は打ち込みと歌オンリーとのことだが、生バンドによるその日限りの特別バージョンとして披露された。
撮影:アンザイミキ
出だしでは、飛び跳ねるようなピアノの音色に乗せ、耳に心地よいウィスパーボイスが綴られる。やがて曲が広がるにつれ、儚さもありながら芯の強さも感じさせるやなぎの歌声を、100%引き出す壮大な音楽へとなっていく。まさに植物が伸びていくような、生命力に満ち溢れた楽曲で、ライブ「歌パート」の最後を飾った。
神田沙也加一青窈など豪華歌い手陣のボイスメッセージ公開
アルバムリリースにますます期待!
全10曲を終え、ライブ終盤のトークパートがスタート。最初はtokuだけが舞台に残り、アルバム「bouquet」に寄せられた各ボーカリストたちのボイスメッセージが公開される。
「ずるいよ、桜」の神田沙也加、「或るヒマワリ」の 石原夏織、「Acacia」の中島愛、「Radiata」のatsuko(angela)、「Lilium」の井口裕香、「Antheia」の竹達彩奈、「君影草」の三森すずこ、「萌芽」の一青窈という、豪華面々。メッセージの中では、各楽曲のレコーディングの日、toku自身からそれぞれのボーカリストに向けて、曲にちなんだ花が贈られたという粋なエピソードも紹介された。
撮影:アンザイミキ
またメッセージの後には、tokuから「萌芽」の作詞を担当したスガシカオについても触れられた。この曲は詞から先に制作されるという、スガシカオとしても初めての試みが取られたそう。出来上がった詞の力強さを受けて、tokuもその日のうちに楽曲を制作。そうして、完成したオリエンタルな楽曲のイメージにも合う歌手として、一青窈が選ばれたという。一青窈にとっても他の作家から楽曲提供を受けることはこれまで無かったらしく、「初めて」づくしの奇跡の楽曲となったとのことである。
ボイスメッセージの後には、今回のゲストである鈴木このみ、やなぎなぎが再び舞台に登場。3人の和気藹々としたトークで、ライブは締めくくられた。
ライブ全体を通して、普段のガルニデでは見せないようなtokuのさまざまな表情が見えた今回の貴重なイベント。普段はクールでどこか飄々とした印象もあるtokuだか、楽曲の制作・演奏にあたっては、いつも情熱的で激しく、それでいて繊細で美しさもあり、「やはりこの人がガルニデの曲を作り、奏でているんだ」と納得させられる。
今回はそんな音楽への姿勢が垣間見えるトークと、何より初のソロアルバムの制作を行ってきたという「初々しさ」も相まって、より多くの方にtokuというアーティストの素顔が知られる貴重な機会となったように思う。
2021年秋には、またガルニデとしての活動再開も予告されている。気の早い話かもしれないが、今回のソロアルバムで魅せた楽曲の広がりが、ユニットの音楽にどう還元されていくのか。これまでガルニデを追い続けてきた筆者でも想像もつかないほど楽しみになってくる。
まずは、16日発売のアルバム「bouquet」。これを聴かないわけにはいかないだろう。リリースが待ち遠しくて仕方ない。
取材・文:平原 学 撮影:アンザイミキ

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