『オワリカラ・タカハシヒョウリのサ
ブカル風来坊!!』風来坊、『大ゴジ
ラ特撮王国』に見参 他では聞けない
見どころレポート

ロックバンド『オワリカラ』のタカハシヒョウリによる連載企画『オワリカラ・タカハシヒョウリのサブカル風来坊!!』。毎回タカハシ氏が風来坊のごとく、サブカルにまつわる様々な場所へ行き、人に会っていきます。
27回目の今回は、東京ドームシティ”ギャラリーAaMo”で開催中の『大ゴジラ特撮王国』に見参!

風来坊、東京ドームシティ”ギャラリーAaMo”で開催中の「大ゴジラ特撮王国」にあらわる。
ん、残り会期も一週間…?ということで、いまさらレポートかよ!遅いよ!もう行ったよ!とお嘆きの諸兄には、ちょっと待っていただきたい。
今回はただのレポートでなく、「まだの人は駆け込みで行きたくなる、一度行った人ももう一度行きたくなる」を(勝手に)テーマにしたレポート、その名も「ラストスパート・レポート」だ!!
なんと、実行委員会さんの協力を得て、展示物の設営を担当した東宝映像美術の大船さんと回る「他では聞けない解説付きレポート」をお届けします。
タカハシヒョウリ、東宝映像美術の大船さん、ゴジラ (c)TM & TOHO CO., LTD
会場入り口、まずは『ゴジラ』(1954)に登場する初代ゴジラがお出迎え。 (c)TM & TOHO CO., LTD
会場入り口、まずは『ゴジラ』(1954)に登場する初代ゴジラがお出迎え。近年のゴジラ関係のイベントではお馴染みの、いまや「ゴジラの顔」と言っても良い精巧な初代ゴジラ像である。
大船さん:「入り口に飾られている初代ゴジラは酒井ゆうじ氏に造型監修をいただいた、円谷英二ミュージアムの開館時に作られたスーツを元にした展示用のスタチューです。
現在は、須賀川の円谷英二ミュージアム、淡路島のニジゲンノモリに常設中で、もう一体が大ゴジラ特撮王国で見ることができます。」
ちなみに、この初代ゴジラの元となったスーツは、サントリーBOSSのCMでもその勇姿を見ることができます。
とても熱いCMなので、ぜひ。(大船さんも現場に参加したそうです!)
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さて「大ゴジラ特撮王国」は、67年の歴史を持つゴジラ作品の変遷をポスター、写真パネル、台本の現物、そして解説で追いかけつつ、作品にまつわる展示も楽しめるという構成になっている。

写真パネルには、あまり見かけないレアな写真が多いように感じたのだが、そこにも何やら秘密があるようで……。
大船さん:実は、今回展示されている写真パネルは、過去のゴジラ関係のイベントで展示され眠っていた物を引っ張りだしてきたんです。なので、よく見るとボロボロの物もあるのですが、スタッフが写っているスナップ写真など、レアな写真がありますよ。
たしかに、パネルの角を見ると白く削れている物が散見される。かつて、どこかの会場で、その時代のファンたちが、真剣な眼差しでこのパネルを見ていたのだろうか。経年劣化が醸し出す歴史の重なりに思いを馳せてみる。
お気に入りの一枚。『ゴジラVSコング』ももうすぐ! (c)TM & TOHO CO., LTD
大船さん:ゴジラの長い歴史を解説して頂くのは、平成ゴジラ、ミレニアムゴジラシリーズのプロデューサーを務めた富山省吾さんです。昭和から最新のゴジラまでの流れを俯瞰して書いていただくなら富山さんしかいないだろうと。

『ゴジラS.P』でゴジラに興味を持った方がいたら、作品ごとの解説を読みつつ気になる作品を辿ってみるのもオススメだ。アンギラスやジェットジャガーの「あの頃」を知ると、より作品を楽しめるようになるはずだ。
(ただ、話題沸騰中のジェットジャガーの展示が、メガロとガイガンにボコボコにされている写真一枚だけなのは内緒だ!)
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立体物展示だけでなく、『モスラ対ゴジラ』(1964)のサイズ比較の図面や、『三大怪獣 地球最大の決戦』(1964)で初登場したキングギドラのデザイン画なども展示。
大船さん:こうした紙の図面や資料は、怪獣映画に限らず大量に保管してあります。いつか整理してアーカイブすることが出来たら良いんですけどね。
ぜひ書籍化してください、東宝映像美術さん……。
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さて、次は昭和のゴジラシリーズに登場した車両や戦闘機の数々をご覧あれ。
ファンの多いメーサー殺獣光線車や、『ゴジラ・エビラ・モスラ 南海の大決闘』(1966)に登場する赤イ竹の戦闘機などが展示されている。
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驚きなのは、67年前の『ゴジラ』に登場した電車車両のミニチュアがまだ残っていることなのだが、過去に展示されていたものと何かがちがう……?

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大船さん:この初代ゴジラに登場した電車は、今回が初展示の車両です! 初見ではどの作品で使われたミニチュアかわからなかったのですが、『ゴジラ』4K化の鮮明な映像で車両番号などから特定することができました。一部が厚紙製で、窓ガラスには本物のガラスが使われています。まだこの頃はアクリル素材が一般的では無かったんですね。貴重すぎるので、取り扱いには神経を使います。今後の調査によっては、また新しい発見があるかもしれません!

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バンダイミュージアムからの出張による懐かしの玩具展示を挟んで、特撮王国はVS シリーズへと突入。今回の展示においては、90年代前半に大いに盛り上がったVSシリーズが超充実している点を特筆しておきたい。『ゴジラVSキングギドラ』(1991)に登場するゴジラザウルスが……こんな目の前に……!
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大船さん:このゴジラザウルスは、頭部と脚部だけが残っています。スペースの都合で展示されていませんが、もう一方の脚部もありますね。この脚部も、最初は何かな?と思いながら、資料と照らし合わせて、ゴジラザウルスの脚だと判明しました。

一部とはいえ、こんなに綺麗な形でゴジラザウルスが残っているとは……。実は、私がはじめて映画館で見たゴジラ映画も『ゴジラVSキングギドラ』だったので、ゴジラザウルスとの対面の感動もひとしおでした。
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巨大ジオラマに展示されているゴジラは、90年代当時にも展示されたロボットゴジラ(現在は可動しない)。90年代から蘇ったゴジラを迎え撃つ超兵器たちは、実際に劇中で使われた精巧なミニチュアで、見れば見るほどたまらない武骨なロマンにあふれている。
大船さん:ちなみに、このヘリも撮影に使われた現物です。コンテナは、劇中を模して展示用に作ったものです。
さらにVSシリーズの展示は、メカゴジラ、スペースゴジラの雛形、バトラの飛行モデル、ベビーゴジラの頭部骨格、ゴジラジュニアなど大充実。そんな中でもひときわ目を引くのが、劇中には登場しなかった”Gフォース”カラーリングのメーサーヘリだ。
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大船さん:このメーサー攻撃機も近年発見されたのですが、なぜこのカラーリングなのか最初はわからなかったんです。実際には撮影に使われなかったプロップです。奥のF16C改は、当時の物ですが、2020年の「ゴジラ・フェス」の新作映像でも使われています。
27年たって未だ現役!すごいぜF16C改!
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ここからはミレニアムゴジラシリーズの展示コーナー。全4体のゴジラスーツがズラリと展示されている様は、圧巻の一言。特に『ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃』(2001)のゴジラ、通称GMK ゴジラのスーツは史上最大サイズ。
このドデカい白目ゴジラを目の前にすると、その巨大さの前にKOMラドンのように平伏したくなること請け合いだ。スーツだけでなく、メガギラス頭部や、各兵器類のミニチュアなど、VSシリーズに負けず劣らず充実っぷりだ。
大船さん:VSシリーズまでの展示は比較的多いのですが、ミレニアム関係のものはあまり展示する機会がないので貴重ですね。今回展示されているスーツは厳密には「ゴジラ✕メガギラス」時のもので、本来は緑がかった色なのですが、こちらは別の撮影のために黒く塗り直された物です。『ゴジラ✕モスラ✕メカゴジラ 東京SOS』(2003)の国会議事堂は、劇中で壊されるので基礎部分だけが残っています。
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最後にもう一点、今回の展示物の中で隠れたレアゴジラが、こちらのゴジラ像の雛形だ。
大船さん:こちらは、東宝スタジオのメインゲートにあるゴジラのブロンズ像の雛形です。本来は表に出さない物ですが、今回のイベントの「オールゴジラ」というコンセプトに合致するということで展示することになりました。
東宝スタジオを背負うスターの風格。これ、商品化したらめちゃくちゃ売れそうですね……。
大船さん:そういう声は、よく聞きますね(笑)。
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さて、大ゴジラ特撮王国、ラストスパートレポート、いかがだっただろうか。東宝映像美術・大船さんの丁寧な解説を念頭に置いて展示を見てみると、また違った側面から楽しめるはずだ。大船さん、ありがとうございました!
会場の最後には、『ゴジばん』『ちびゴジラ』『ゴジラ S.P』、そして『ゴジラVSコング』といった最新のゴジラ・コンテンツが紹介されている。
怪獣王ゴジラが、過去の遺物ではなく、いまだ衰えることない現役のスターであることを感じさせてくれる。会場を後にした現代の世界にも、ゴジラの足音が鳴り響いている。
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文章・レポート=タカハシヒョウリ 撮影=大塚正明

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