ALI PROJECT

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【ALI PROJECT インタビュー】
今回はいろいろな要素が
入っているので聴き応えがあると思う

ALI PROJECT(以下、アリプロ)の新作はTVアニメ『月とライカと吸血姫』のOP主題歌「緋ノ月」。原作小説を読み込んで主人公のイリナ・ルミネスクの視点で制作され、同アニメの世界観とアリプロらしさが見事にマッチした楽曲となっている。また、カップリングには吸血鬼を題材にした「ノスフェラトゥ」も収録。宝野アリカ(Vo)に今回の制作にまつわる話を訊いた。

“アリプロらしさを感じた”と
言ってもらえている

『月とライカと吸血姫』のOP主題歌となっている「緋ノ月」は“月”や“吸血姫”といったワードだけで、もうアリプロっぽいと思いました。

そうなんですけど、ちょっと違うんですよ。主人公のイリナは吸血姫だけど、私が思い描く吸血鬼とは違って血を吸わない普通の女の子なんです。“吸血姫=恐ろしいもの”ではない描き方で。“この後どうなるんだろう?”ってすごく面白くて、感動もあって、脚本を読みながら思わず泣いてしまいました。みなさんも読まれたら、きっと泣くと思いますよ。

歌詞はそんなイリナの視点で書かれているわけですね。

そうです。『月とライカと吸血姫』のお話は人間の代わりに実験台として、虐げられた種族の吸血姫であるイリナがロケットに乗って宇宙に飛ぶという。でも、もともと本人は月に憧れを抱いていて、人間のために飛ぶのではなく、自分のために行く、月に行けるなら頑張ると。そして、監視役のレフくんに訓練を受けるんですね。イリナは最初、すごくツンデレなんですけど、だんだん打ち解けていって、何か切なさみたいなものをそのうち感じていくので、そういった感じのことを歌詞の最初のほうに入れて、サビは曲としても勇ましい雰囲気になるから、そこでは彼女の強さみたいなものを表しました。あと、イリナとレフくんの、ちょっと恋愛っぽい感じも出せたらいいなと思いました。

イントロのピアノが可愛いらしくて、いつものアリプロとは少し違って、ある意味で新境地なのかなと。

シングル曲としてはそうですね。今回はお話のテイストとして、早口で歌う速いテンポの曲とか明るい元気な曲といった、いわゆるアリプロのイケイケな感じが合うものではなかったので、それに合わせて切ない部分や“でも、頑張らなきゃいけない”みたいな強さが、曲自体に織り込まれています。

サビは派手ではないけど、すごく印象に残りますね。

はい。だんだん盛り上がっていくような感じだと思います。今回はいろいろな要素が入っているので、聴き応えがあると思いますね。アリプロにしては大人しいと思うんですけど、聴いた人からは“アリプロらしさを感じた”と言ってもらえるので、きっとそれは抑えても滲み出てしまうものなのでしょうね(笑)。

サウンドの所々にピコピコした、宇宙と交信しているみたいな音が入っていて。

あれは“宇宙音”です(笑)。デモの段階から入っていましたけど、もっと強調したらさらに宇宙っぽくなると思って、単純な意見を言わせてもらってこうなりました。

“緋ノ月”というタイトルですが、イリナの赤い目で見たら月は赤く見えるんじゃないだろうか、それで“緋ノ月”というタイトルなのかなと思ったりしました。

あっ、そういう解釈もいいですね!(笑)

そもそもタイトルはどういったイメージでつけたのですか?

イリナの心の内側にある宇宙は真っ赤に燃えている…みたいなイメージです。“緋ノ月”というタイトルはあとからつけたんですけど、宇宙を目指すにあたっての誰にも見えない自分の意思を“緋色の銀河”と表現していて、そこから取ってつけました。“緋色の銀河”という言葉が最初に浮かんで、そこから広げて書いていった覚えがありますね。

アリプロの曲には「月蝕グランギニョル」(2003年11月発表のシングル)など、タイトルに“月”が入った曲がこれまでにもたくさんありましたよね。アリカさんの中では月をモチーフにすることに何か思い入れがあったりするのでしょうか?

当時は月というものにファンタジーを感じて、自分の中で想像が広がりやすかったのだと思います。何かこだわりを持っていたのだとしたら、月よりも月光のほうだったかもしれません。月の光を何に見立てるかという部分で、月光は情緒的でメルヘンな感じがして。だから、昔の曲のほうがメルヘン色が強かったと思います。でも、「月蝕グランギニョル」からは月の表現も少し変わって、禍々しい月みたいなものを表現するようになりました。「緋ノ月」には禍々しさはありませんけど、今も後者のとらえ方が好みですね。

今回は月を憧れのような対象として描いているのですが、《砕き割れ月よ》と出てくるのは?

これはお月様に向かって言っている言葉なんです。“凍てついた闇世を砕き割ってほしい”と。月とか宇宙がテーマになると、アリプロの場合はどうしても人類愛みたいなところにいく傾向があって、これまでにもそういう曲はいくつかあるんですね。「緋ノ月」はその路線かなと思います。

いずれ誰もが宇宙旅行できる時代になると思いますが、もしも宇宙に行ったらやってみたいことはありますか?

イリナも訓練でグルグル回っていましたけど、行くならあの訓練をやってみたいです。ただ、誰もが月や宇宙に行けるようになってしまったら、ロマンが薄れてこういった曲や歌詞は必要なくなるかもしれませんね。空想で楽しんでいた世界が現実になってしまったら、いったい何を歌詞にすればいいのかと(笑)。でも、宇宙から地球を見てみたいとは思います。どんなにきれいな青なのか見てみたいです。

MVは鏡張りの部屋のシーンがとても幻想的だと思いました。ヘアスタイルのインパクトもすごいです!

衣装は鏡に映るし、複雑なほうがいいと思ってフリルがたくさんついた衣装を選びました。衣装のボリュームがすごいので、その印象に埋もれないようにと考えた結果、このヘアスタイルになったんです。最初は吸血鬼だから牙をつけようと思ったんですけど、作品を読んだらそこまで吸血鬼ではないことが分かったので、代わりに耳を尖らせて、目を赤くして、人間じゃない感を出しました。

崖の上に立っているシーンがありましたが、あれはCGですよね?

CGです。あんな所に行けるわけがないじゃないですか(笑)。

今まで砂漠にも行っているので、アリプロならなくはないと思って(笑)。

確かに、ハワイの活火山の溶岩の前で撮影したこともありますけど(笑)。今回もああいった場所がないか検討したのですが、今はあちこち移動するわけにも行かないので。星がきれいな場所ということで八丈島という案も出ましたけど、それだとネイチャーな方向になってしまうので、それならCGで異次元の風景を作りたいと思ったんです。
ALI PROJECT
シングル「緋ノ月」【初回限定盤】(CD+Blu-ray)
シングル「緋ノ月」【通常盤】(CD)

OKMusic編集部

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