Editor's Talk Session

Editor's Talk Session

【Editor's Talk Session】
今月のテーマ:
コロナ禍における
アイドル運営の葛藤と秘策

音楽に関するさまざなテーマを掲げて、編集部員がトークセッションを繰り広げる本企画。第26回目は東京を拠点にCANDY GO!GO!、アンダービースティーらを運営するONEtoONE Agency&RECORDSの岡部武志氏と、大阪を拠点にPOP TUNE GirlSPANIC POP PARTYらの楽曲制作やマネジメントを行なっている株式会社SPIKeの西川佐登志氏をゲストに迎え、それぞれがコロナ禍の中で行動に移したことや、この2年間での地下アイドルシーンの変化を語ってもらった。
【座談会参加者】
    • ■岡部武志(ONEtoONE Agency&RECORDS)
    • 元バンドVo、MC。音楽事務所・レーベル運営をしつつ、2021年まで結婚式場演出会社も経営。BOØWYリスペクト。甘いもの好き。
    • ■西川佐登志(株式会社SPIKe)
    • 元バンドマン、アーティスト育成のためライヴハウス、レーベル、プロダクション、制作会社を運営。作曲もするがあまり好きではない(笑)。
    • ■石田博嗣
    • 大阪での音楽雑誌等の編集者を経て、music UP's&OKMusicに関わるように。編集長だったり、ライターだったり、営業だったり、猫好きだったり…いろいろ。
    • ■千々和香苗
    • 学生の頃からライヴハウスで自主企画を行ない、実費でフリーマガジンを制作するなど手探りに活動し、現在はmusic UP's&OKMusicにて奮闘中。
    • ■岩田知大
    • 音楽雑誌の編集、アニソンイベントの制作、アイドルの運営補佐、転職サイトの制作を経て、music UP's&OKMusicの編集者へ。元バンドマンでアニメ好きの大阪人。

自分の経験を裏方として伝えて
夢を追う人たちの後押しになったら

千々和
今回は東京を拠点にアイドル運営をされているONEtoONE Agency&RECORDSの岡部武志さんと、大阪を拠点にされている株式会社SPIKeの西川佐登志さんにご参加いただき、コロナ禍における地下アイドルのシーンの状況をおうかがいします。その前に、そもそもおふたりがアイドル運営を始めたきっかけは何だったのでしょうか?
西川
14年くらい前に今とは別のタレントプロダクションで音楽プロデューサーをやっていたんですけど、そこにアイドル志望の女の子がいて、僕がバンドマン時代にお世話になっていたライヴハウスでその子がライヴをしたいということをきっかけに、手助けする感じで運営をすることになったんです。そこから独立して作ったのが今の株式会社SPIKeで、現在は制作をはじめ、ライヴハウス、音楽プロダクション、レーベルをやっています。
岡部
私は今の事務所を立ち上げてから12年になるんですけど、もともとは群馬県にある結婚式場の運営や、ウエディングのプロデュース事業を20年ほどやっていたんです。そこでステージモデルや歌い手さんを東京から派遣していただいていたのですが、コスト削減のために東京に支店を出して、そこでモデルを募集するようになったんですよ。そしたら身長が低めの方からの応募も多かったので、その方たちにはモデルではなく歌唱をお願いしたんです。私も元バンドマンで音楽が好きなので、ステージ用の楽曲を制作したり、その延長で女の子たちが渋谷や新宿、池袋でライヴもするようになり、だんだん東京での事業のほうが楽しくなってきたので、本格的にアイドルの運営をするようになりました。
千々和
おふたりは今回が初対面ですが、元バンドマンという共通点がありますね。
西川
バンドをやっていた時には上京してCDも出していたんですけど、成功はしなかったんですよ。だから、自分の経験や知識を裏方として伝えることによって、夢を持っている人たちの後押しや目標への近道になればと思ってやっています。僕も楽曲は作ってますけど、現役でやっていた時とは目的が変わったので、曲のテイストがまったく違うんですね。もともと椎名林檎さんとCoccoさんを足してヘヴィロックで割ったような音楽をやっていたのが、今ではアイドルが歌いたいポップな曲や、お客さんが聴きたい曲を考えて作っています。
千々和
岡部さんが運営されているCANDY GO!GO!、Re:INCARNATIONはロックを前面に打ち出していますよね。
岡部
私がアイドル運営を始めた時は地下アイドルが流行る前で、ちょうどAKB48さんが有名になってきたくらいだったんですよ。お恥ずかしい話ですが、当時は“これから女性アイドルブームがくるかも?”くらいの気持ちで、それに乗っかるような感じで手を出したので、もちろんお客さんは増えないし、売上げにもならず、もう散々辛酸をなめましたね。そこで“もっとちゃんと考えないといけない”と思い直した時に、やっぱり自分が信じている音楽をやったほうがいいと思ったんです。バンドマン時代は同郷のBOØWYに近いビートロックをやっていたので、“80年代後半から90年代中盤の音楽を女の子が歌う”というコンセプトで仕切り直したら少しずつ観てもらえるようになって、徐々にそれが売りになっていきました。
西川
うちもサウンドはゴリゴリのロックなんですよ。やっぱりバンドサウンドで作るのが得意なので、生音に近い感じで作っています。今やっているPOP TUNE GirlSは名前に“ポップ”と入っていますが、グループ作る時に事務所のほうからファミコンのピコピコの音を入れたいという話があり、そういったピコピコ音は業界で“チップチューン”って言うというところから“ポップチューンガールズ”となったんですね。今は海外向けということも考えてカバー曲をやるにしても、意識してピコピコ音を入れてアレンジしています。
千々和
西川さんと岡部さんが裏方として支えているグループは、生歌を大事しているというのも共演点だと思います。
岡部
やっぱりライヴ感を大事にしたいんですよね。CANDY GO!GO!は1カ月に50本のライヴをやったこともありました。近年では生バンドでワンマンライヴをやったり、レコーディングも全部バンドに変えています。
西川
うちも口パクをやらせたことがなくて、最初から絶対に生歌なんですよ。アイドルとはいえ、大事なのは楽曲やと思うんです。まず前提としていい曲で、そこに運が重なって初めて売れるのかなと。最近ではPOP TUNE GirlSとPANIC POP PARTYの合同ユニット・ぱにぽぷちゅが台湾のオーディションで勝ち上がったんですけど、審査員の人に評価ポイントを訊いたら決め手は楽曲だったみたいです。
岡部
それは本当にそう思いますね。
岩田
今でこそ女性アイドルグループは星の数ほどありますけど、おふたりがおっしゃった生歌だったり、コンセプトなど、こだわりや一貫した軸を持っているアイドルが生き残っているように思います。
西川
バンドもそうですもんね。でも、サウンドはかなりこだわっていますけど、メロディーや歌詞は大衆性が重要なんですよ。多くの人に聴いてもらうには、芸術性を持っている人が大衆性に寄るのか、大衆性を表現できる人に芸術性を持たせるかのどちらかだと思うんですね。アイドルは基本的に大衆性が大前提だと思うので、そこにどう色をつけるのかっていうことを考えています。

OKMusic編集部

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