【イベントレポ】<KWC 2018日本大会決勝>圧倒的歌唱で男女二名が世界大会への切符を獲得
2018年9月22日(土)東京・六本木ニコファーレにて<KWC 2018日本大会決勝>が開催され、男女各一名の日本代表が決定した。
この大会は、アマチュアカラオケ世界No.1を決定するカラオケの世界大会、<KARAOKE WORLD CHAMPIONSHIPS 2018>(以下KWC 2018)の出場権をかけて行われたもの。12月にフィンランドで開催される世界大会に向け、日本代表を募集する<KWC 2018日本大会>は、6月1日より東京、大阪、福岡の3都市で開始。決勝戦には、8月の全国オーディションにより選出された男女各6名と、昨年度の準優勝者(男女各1名)、「2017日本カラオケボックス大賞」代表者(女性1名)、「東京カラオケまつり2018」代表者(男女各1名)の計17名が六本木ニコファーレに集結した。日本代表の賞金は総額100万円。 12月にフィンランドで行われる<KWC 2018>へ挑戦、世界中の強者達とカラオケで競うことになる。
六本木ニコファーレに多くの観客を集めて行われたこの日、オープニングではまず、ステージ上のスクリーンに歴代の世界大会優勝者の歌唱シーンと、昨年の世界大会のダイジェスト映像が流され、「I LOVE KARAOKE!!」と、様々な国の参加者と観客が声を揃えた。大会MCを務めるのは、タレントのIMALU、フリースタイルバスケットボーラーのZiNEZ(ジンジ)。共に3年連続でMCを務めることとなる。大会の概要を説明して、総勢17名の出場者が1人1曲、フルコーラスで歌声を競うことが告げられた。
開会に先立ち、第一興商の和田専務取締役が登壇して挨拶。<KWC 2018日本大会>の応募者は、3,000人以上に上ったという。この日、ゲストとして出演する海蔵亮太を例にとり、メジャーデビューへの道も開ける大会であることをアピール。また、今年は初めて、各国の政府機関から支援を得ることができたとのこと。サンマリノ共和国 特命全権大使 駐日外交団長のマンリオ・カデロ氏が会場に来ているとのことで、MCのZiNEZが英語で紹介すると、カデロ氏は流暢な日本語でスピーチ。ZiNEZが「英語での紹介、必要なかった(笑)」と会場を笑わせる場面もあり、会場は和やかなムードに。また、「カラオケは日本が誇る文化」ということで、第一興商から、カデロ氏を通してサンマリノ共和国へのカラオケ機器の贈呈が行われた。
続いて審査員は、作詞・作曲家の伊藤薫氏、プロデューサーの鈴木康志氏、日本クラウンの酒井理氏、徳間ジャパンの大谷健吾氏が務めることが紹介され、いよいよ、出場者17名による代表権が争われる決勝大会が始まる。IMALUとZiNEZが「応援の準備、出来てますか!?」と呼びかけ、観客が「イエー!」と応える中、歌唱審査がスタートした。
トップバッターは、内藤加菜さん。曲は、都はるみの「王将一代 小春しぐれ(浪曲歌謡篇)」。着物を着ての歌唱で、尺八の音などが流れるカラオケと相まって、雰囲気はバッチリ。コブシを利かせた歌声と曲中のセリフ付きで堂々と歌い上げた。松尾祐汰さんは黒いジャケットで登場、ゆったりとしたミディアムテンポのナンバー古澤剛「Color」を透き通る歌声で優しく歌う。木戸彩音さんが歌ったのは、「最後の優しさ」。男性シンガーJAY'EDの曲だが、全く違和感がなく、芯のあるまっすぐなボーカルが印象的だった。新原善博さんは、新日本プロレスの内藤哲也Tシャツを着てステージに上がった。その強そうなイメージとは真逆にあるように綺麗な声で歌われたのは「Never Enough」(Loren Allred)。見事なハイトーンを聴かせて観客を圧倒。片瀬萌南さんは、白いドレス姿で「Y」(C&K)を丁寧に歌唱。エンディングへ向けて徐々に熱を帯びる歌声は力強いもの。アコースティック・ギターの音色に合わせて「アイ(弾き語りVersion)」(秦基博)を歌ったのは、東京カラオケ祭2018代表の岡野大志さん。身振り手振りを交え、時折目を閉じながらしっとりと聴かせてくれた。大村麻未さんは門倉有希の「女の漁歌」を熱唱。演歌歌手顔負けの声量と表現力で、和装も決まっていた。<KWC 2017>準優勝・甲正基さんが歌ったのは「365日」(Mr.Childre)。ピアノの音に合わせて静かに歌い出し、ストーリーを盛り上げるような歌に大きな拍手が起きる。前半出場者の最後は、小林まなさんで、曲は「Jupiter」(平原綾香)。会場全体がまさに宇宙のような映像に包まれての歌唱となり、その見事な歌声とマッチしてドラマティックなものとなった。
ここで、前半9名の歌唱が終了。10分間の休憩を挟み、後半8名の歌唱審査へと進む。
「後半、疲れてないですか?準備できてますか?」(IMALU)
「さっきより反応が良い!(笑)。元気いいですね!」(ZiNEZ)
と、MC二人が客席を盛り上げて、いざ後半戦へ。まずは益田勝志さんから。槇原敬之バージョンの「ファイト!」を、拳を握ったり胸に手を当てたりと、全身で表現しながら熱唱した。泉幸子さんはブルーの鮮やかなドレス姿でじっと前を見据えるように「奇跡~大きな愛のように~」(さだまさし)を真摯な歌声で歌いあげた。後半には、見事なロングトーンを響かせ、東京カラオケ祭2018代表の貫禄を漂わせるシーンも。細川たかしの「北緯五十度」を歌った中村幸綱さんは、着物でステージに立ち、本格的な演歌歌手顔負けのパフォーマンス。客席には、出場者それぞれの応援団がいるようで、歌い終わるごとに大きな拍手と、名前を呼んで喝采を送る人もいた。続いて、<KWC 2017>準優勝の小松ミユキさんがステージに。「A New Day」(Beverly)を全身で表現しながら、さすがの美声を響かせた。続く大場悠平さんが歌ったのは「カセキ」(中村つよし)。静かなピアノ曲に合わせて、言葉を一つ一つ並べるような丁寧な歌い方が胸に迫ってきた。矢後真美さんは、<2017 日本カラオケボックス大賞>の受賞者。これまでの出場者とは全くジャンルの異なる陰陽座の「甲賀忍法帖」を、コンサートのようにステージを左右に動きながら激しく熱唱してインパクトを与えた。「366日」(清水翔太feat.仲宗根泉(HY))を歌った中尾京悟さんは、ファルセットを効果的に活かした歌唱で歌の世界を細やかに表現。そして、17組の最後の出番となったのは、宮本はなみさん。「Never Enough」(Loren Allred)で、流麗な英語の発音で客席をしっかり見渡しながら熱唱。スケール感のある曲を迫力のある歌声で歌い切り、大きな拍手が贈られ、見事に歌唱審査の最後を締めくくった。