自由を謳歌するYeYe。独立独歩で始まった10年と、変わり続けるこれから|Bitfan Crossing #01
「活動スタイルにシンパシーを感じるアーティスト」というテーマで、YeYeにプレイリストを作ってもらった。シンガーソングライターによる柔らかい音色が耳を癒し、東郷清丸の湿り気たっぷりのファンクやCHAIの「アイム・ミー」が身体を刺激し、大所帯バンド・Broken Social Sceneの音が心を震わせ、たおやかなポップへと帰結していく…なるほど、まさしくYeYeの音楽に通ずる10曲である。中でも影響を受けているのがErlend Øyeで、ズバリ彼こそがYeYeの活動モデルだという。どちらもオーガニックな音に魅力があり、どちらも環境を変えることで音楽を育み、そしてどちらも冒険心を持って音楽に接する作家である。すべての作詞作曲、演奏までを自身で行ったデビュー作、『朝を開けだして、夜をとじるまで』で始まった彼女のキャリアは、ゆるやかだが変化の歴史であった。「名義を変えて活動したい」とは一見思い切った発想に思えるが、それは彼女が10年のソロ活動の中で掴んだ「次なる10年」への確信なのだろう。そうした理想のヴィジョンについて、京都で暮らす彼女にリモートでの取材を試みた。足早にキャリアを辿っていく中で垣間見えたのは、彼女の根っこにある反骨心だった。