理不尽な浮世を生き延びる、泣きながら踊るためのアンセム5曲
「ついてない びっくりするほどついてない ほんとにあるの?あたしにあした」と詠んだのは歌人の加藤千恵さんですが、世の理不尽さに顔と声を失い、無彩色の虚無にまみれてGWを過ごした新社会人の方も決して少なくはないでしょう。努力すればした分だけ還元される景気のいい時代は遥か前に終わり、どれほど実績を積んでも給与が上がることもなく賞与も受給されず、「若者の○○離れ」という紋切り型の定型句ばかりが鉛の輪のように首にぶら下がり、きっと退職金も年金ももらえないけれど、明日は明日以降も無情なまでに訪れる。それでも音楽があるのなら、音楽に泣いて踊る瞬間が手の中にあるうちは、絶望から逃れることはできなくてもほんの束の間忘れる術はあって、また月曜から血まみれのまま笑って歩いていけるような気もするのです。