取材:高橋美穂
聴いてくれた人に愛される曲にしたかっ
た
6月のメジャーデビューから、早くも2枚目ですね。
なるべくなら早く出したいっていうのはあって。以前は出したくても出せなかったんで。で、“前回こうしたかった”って思ったところは、しっかり今回につなげられたかなと。アートワークやPVにしても、細かいところまで頑張りました。
そんな中で、1曲目が「僕らの住む町」っていう、インディーズでもリリースされたことがある馴染み深い楽曲ですね。
はっきり言ってしまえば、全部新曲で録りたかったんです。この曲、3回目なんですよ、録ったのが。でも、この曲でビデオクリップを撮りたいっていうアイディアはずっとあったし、スタッフの方に“自分たちを一番象徴できる曲なんじゃない?”って言われて。
書き下ろしの楽曲も、いつも以上に色濃くカラフルですね。
またもやエンジニア泣かせな(苦笑)。シンセとか打ち込みもあるんで、トラックが100幾つとかになる時もあるんですよ。それって普通の4ピースバンドだとあり得なくて、いろんな振り幅があるから楽しいけど、バランスをとるのが難しいって言われましたね。エンジニアさんの考え方がアーティストに近いので、ぶつかる時はぶつかるけど、化学反応があって、面白いんです。
あと、シモリョーくんって、自分たちのことを客観的に見れる気がするんですけど、シーンでの立ち位置とか考えます?
見れてるようで見れてないようなところがあるかな。“自分たちって何なんだろう?”ってことはよく考えるんですよ(笑)。最近、LITEとgroup_inouとツアーをやった時に、前だったらアウェイだと思ってやってたんですけど、今回は終わった後に自分たちはこれで良かったって思えて。LITEのお客さんが、うちを見て惚れましたって言ってくれるのとかおかしいじゃないですか(笑)。でも、それが今の時代なんだと思うし。
いろんなバンドとやるほど、自分に確信が持てるというか?
そうですね。お互いそう感じ合ってると思うんです。これでいいんだって思えることで、幅が広がる気もしますし。
楽曲に関しても、主張をガンガン突っ込み出してますか?
だんだんキてますね(笑)。以前は“これやっていいのかな?”っていうのがあったんですけど、今はまったくないんです。ハードコアのThe Locustってバンドが好きなんですけど、そういうのをやりたいって思っても、前はないでしょうって、自分の中の天使と悪魔が言ってたんですけど(笑)、今はやるかって。
でも、最終的にはポップにまとめるという方向性は考えます?
そうですね。らしくないことはやりたくなくて。結局、僕が歌えば僕ららしくなるし、他のメンバーのストイックにできない感じがらしくなったりとか(笑)、だんだん自分たちをモノにするのが得意になったと思うんですね。ポップにまとめたいと思ってるわけじゃないんですけど、自分たちらしさを考えるとそうなるみたいな。自分たちはあくまでJ-POPでいたいので。
正面切ってJ-POPって言うのはカッコいいと思いますよ。
J-POPって言葉が安くなっちゃってるから。でもずっと言い続けてれば、誰か気付いてくれるかもしれないので。僕たちのやっている音楽がJ-POPとして認められたら、面白いじゃないですか。
また、値段もDVD付きで1575円という間口の広さで。
こういう提示の仕方は僕たちらしいんじゃないかなって、スタッフの方が考えてくれたんですけど。僕らが高校生の頃より、今の中高生は音楽にお金を掛けられないんですよね。携帯代払ったりとかで。そう考えると間口が広い値段とヴォリュームが重要だと思います。だからレンタルしないでCD買ってください(笑)