【ライブレポート】浅葱、「いつまで
もどこまでも、共に斑の空をひらめこ
うぞ」

Dのヴォーカリスト・ASAGIが“浅葱”名義でソロアルバム『斑』をメジャーリリースしたのが1月31日。そのアルバムを引っさげて2月10日にスタートした全国単独公演が、3月24日(土)新宿BLAZEで千秋楽を迎えた。
これまでの各所公演と同じく、アルバム『斑』の収録順通りに演奏をし、アンコールなしの本編のみという構成だった千秋楽。全編古語で歌詞を綴った異色作『斑』は“和”の世界観を徹底して描いたアルバムであり、当日のステージにも灯籠や松の装飾などが置かれ雰囲気は抜群。後方のスクリーンには曲のイメージを補完する映像が流れる。ツアーをサポートしてきたメンバー、HIDE-ZOU(G)、MiA(G)、亜季(B)、HIROKI(Dr)も和の装いだ。
そしてこの世界観を生で伝えるステージには敢えて過剰なトークは必要なかったともいえる。1時間20分ほどで完結するライブは、途中に挟むMCも最小限で、次に演奏する楽曲の紹介や曲に込めたメッセージにまつわる言葉を昔風の言い回しで口にするにとどめている。
最近のライブシーンでは、何度もアンコールを重ね、盛りだくさんの要素を詰め込むというのがどのジャンルでも主流になっているが、浅葱の今回のツアーは、そういった流れとは真逆の挑戦に打って出ている。それでも、千秋楽ではアンコールなどのプラス要素が盛り込まれるかも…と思ったりもしたが、その予測はいい意味で裏切られた。これは、楽曲や生の歌・演奏に対する自信がなければやり通せないことだと思う。
和楽器の音色を織り交ぜつつもロックサウンドが全開の激しい曲から、狐や鬼の面を手に踊る遊び心のある曲、雪景色に佇んだり、水面にたゆたうような感覚になるナンバーなど様々な楽曲があり、ライブを締めくくる曲は『アサギマダラ』。曲前のMCで浅葱が発したのはこんな言葉だった。「この世に生を受け、毒を食み、仲間と共に羽ばたいてきた愛しき我が旅路も今宵、最期を遂げようとしている。たとえこの身が朽ち果てようとも、我が心が死すことなど決してないのだ。さあ行け、別れは言わぬ。だが案ずるな。最期の力を振り絞り、事を為した暁には、我の心もそなたらの元へと追いつこう。そしてまた、いつまでもどこまでも、共に斑の空をひらめこうぞ──」。
余韻を残したまま幕が閉じられ、千秋楽は終演。なお、公演後には、9月24日に<斑~白面金毛九尾の狐火玉編>の開催が発表された。浅葱が描く世界観は、今後も広がり続ける。
セットリスト


ーSE(天地(あめつち)行き来る小船)ー

1.月界の御子

2.畏き海へ帰りゃんせ

3.花雲の乱

4.隠桜(おぬざくら)

ーMCー

5.螢火

6.大豺嶽(おおやまいぬだけ)~月夜(つくよ)に吠ゆ~

7.冬椿 ~白妙の化人~

ーMCー

8.白面金毛九尾の狐火玉

9.鬼眼羅(きめら)

10.雲の通ひ路

11.妖刀玉兎

ーMCー

12.物の怪草子

ーMCー

13.アサギマダラ

<斑~白面金毛九尾の狐火玉編~>


9月24日(月・祝)恵比寿LIQUID ROOM

※詳細後日発表

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