【前編】仙台発“パティロケ”渡邉幸
愛ちゃん衝撃の卒業

　現在、ライブを中心に活躍するライブアイドルは百花繚乱の時代。仙台を本拠地とするParty Rocketsもその一つです。
　仙台は全国有数のアイドルグループの産地。そんな仙台でも特に人気なのは、DorothyLittleHappy（通称、ドロシー）でしょう。美しいメロディーを、確かな歌唱力を持ったメインボーカルの高橋麻里さん中心に歌い上げるパフォーマンスは、東京アイドルフェスティバル2011で一躍全国のアイドルファンに知られるところとなり、ドロシーはシングルを出せばオリコン週間トップ10に入るまでになりました。
　Party Rockets、略してパティロケは、そんなドロシーと同じ事務所であり、ドロシーの妹分的なアイドルグループです。とはいえ、音楽の雰囲気はドロシーとは対照的。ロックな激しいサウンドを基調にしつつ、リーダーの渡邉幸愛（わたなべ・こうめ）さんをはじめとした、メンバー皆の可愛らしさ溢れるステージで、ジャンプしたりコールしたり、とっても盛り上がるライブ。
　それでいて、これはドロシーとも共通するところかもしれませんが、ファンの節度が高く、決して荒れない上品な盛り上がり（ラゾーナ川崎で何かあった、とかって話もありますが）。初見の大人しいお客さんでも、戸惑うことなく楽しめるライブを提供してくれております。
　そんなParty Rockets、略してパティロケに先日激震が走りました。リーダーである幸愛ちゃんがブログで卒業を発表したのです。

　幸愛ちゃんは文字通りパティロケの中心的存在。眉毛がちょっと下がりぎみで、いわゆる困り顔。あ、でも困り顔といっても、困り顔の主流って加藤ミリヤさんとか梨花さん的なモデルさん風なのだと思うのですが、そういう感じではありません。かと言って、島崎遥香さんみたいに整った顔立ちゆえのとっつきづらい感じでもなく、親しみあるキュートな困り顔なんです。
　ところが、幸愛ちゃんは可愛いだけにあらず。ビジュアルだけでパティロケを観たときは、思いもよりませんでしたが、最年長メンバーなんです。で、ただ年が上なだけじゃなく、MCも常にまとめ役で、他のメンバーが頼りにするしっかり者。割とあどけない他のメンバーをまとめる姿は貫禄すら感じます（幸愛ちゃんも顔だけ見れば、全然あどけないんですけど）。
　そうかと思えば、曲においては中心のパートを、困り顔なのに最高の笑顔でーー困っているのに笑顔という相反する唯一無二の、とっても魅力的な表情で歌いあげ、そんな幸愛ちゃんに僕の目は釘付けでした。

　思えば、今まで僕は推しというものをそんなに意識したことがありませんでした。Perfumeのなかで傑出して誰が好き、とかなかったですし、ももクロは早見あかりさん推しだったので、確かに中野サンプラザのライブは人生で一番泣いた日でしたが、それでも誰が好きか一人挙げるならば早見さん、という感じではあったし、他のメンバーが辞める、ってなってても、きっと同じくらい泣いたんだろうな、と。
　現在最も好きなひめキュンにしても誰が一番好きかと問われると、岡本真依さんのライブでの輝きは圧倒的だけど、谷尾さんの安心感もいいし、バカっぽい（物凄くいい意味で）河野さんも、近くで見たときの目のキラキラ感が半端ない菊原さんも、ビジュアルとギャップのある気取らない雰囲気な奥村さんもみんないいし……。とかって感じで、誰か一人の推しが決まって観る、ということがあまりありませんでした。

 （文・ソレン）

オススメCD：『セツナソラ』（Type-A）（DVD付）[Single, Cd+Dvd, Limited Edition, Maxi]（Universal D）／Party Rockets