2018年度おすすめガールズバンド 必
聴の7選【決定版】
2018年度おすすめガールズバンド7選【
決定版】
振り返れば、1980年代にプリンセス・プリンセスが登場してガールズバンドブームを起こして以降、日本の音楽シーンには定期的に有力なガールズバンドが一気に台頭し、それらのバンドが音楽の潮流を変えていったという経緯があった。2000年代中盤〜後半にはチャットモンチーやSCANDALが第二次ガールズバンドブームを起こし、その影響で赤い公園、ねごと、Silent Siren、SHISHAMO、tricotなどが次々とデビューして音楽シーンに風穴を開けた。
2018年のいま、「ブーム」と名付けるには安易すぎるかもしれないが、ポップ・ミュージックの文脈においてもキープレーヤーになりそうなガールズバンドが続々と台頭してきている。というわけで、2018年のおすすめガールズバンドを厳選して7組、紹介します。
the peggies(ザ・ペギーズ)
2009年に中高の同級生だった3人で結成。2017年にシングル『ドリーミージャーニー』でメジャーデビュー。近年はブリットポップをベースとした力強いロックサウンドで新たな境地を開拓中。ガールズバンドのイメージを変えるかもしれないオルタナティブな存在。
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yonige(ヨニゲ)
牛丸ありさ(Vo. & Gt.)、ごっきん(Ba. & Cho.)の2人によるバンド。大阪寝屋川出身。牛丸ありさはオーストラリアと日本のハーフで、AC/DCの元ベーシストであるラリー・ヴァン・クリートの姪。My Hair is Bad(マイヘアイズバッド)などを輩出した、現在もっとも勢いのあるインディーズレーベル『THE NINTH APOLLO』出身でもある。
シンプルでソリッドな音、ポップなメロディ、牛丸ありさの少し乾いた歌声、そして生々しく本質的な言葉で綴られた鋭い歌詞などに特徴がある。特に歌詞には、前述したMy Hair is Badやクリープハイプとの近さが随所に見られる。
2018年3月に幕張メッセで開催された『ツタロック 2018』では、出演者第三者発表でyonigeが発表されてチケットの売り上げが一気に伸びたというが、SNS上では「クリープハイプが出てMy Hair is Badが出てyonigeが出るんなら行くしかない!」という意見が飛び交っていたという。(『ツタロックフェスの仕掛け人と兵庫慎司が語る「邦楽ロックの現場で起きてること」』)
インディーズ時代の2015年に発表した『アボカド』のMVがYouTubeで話題となり、2018年8月現在で600万回以上再生されている。2017年9月にアルバム『girls like gilrs』でメジャーデビュー。
auのCM『三太郎』シリーズの2018年新年バージョン『笑おう』を担当したことも話題になった。
yonige
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Hump Back(ハンプバック)
圧倒的なメロディの良さ、そのメロディにぴったりハマる自然な(しかし感情を揺さぶる)歌詞。林萌々子の歌声は良い意味で変な癖がなく、あらゆる意味でちょうど良い。幅広い層から支持されそうだ。オーソドックスなロックサウンドに聴こえるが実は変則的な楽曲構成、力強さと切なさが同居した曲調。大ブレイクの匂いがぷんぷんする。
2018年1月放送の『バズリズム02』にて「コレはバズるぞ2018」で8位にランクインし、この夏は『ROCK IN JAPAN』にも出演。yonigeとHump Backは対をなして、これからのガールズバンドの潮流をつくっていくだろう。
Hump Back
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The Wisely Brothers(ワイズリーブラ
ザーズ)
ポップで耳馴染みの良いロックから、ローファイ、シューゲイザー、ポストロック、インディーポップ、オルタナティブと、実は音楽性の幅がかなり広い。直近の作品はGREAT3の片寄明人がプロデュースしている。真館晴子の透明感あるボーカル、次第に多彩になっていくコーラスワークにも注目。昨今のガールズロックバンド界隈において異質な存在。
The Wisely Brothers
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リーガルリリー
ポップなメロディとたかはしほのかの浮遊感ある歌声がドリーミーな印象を与えるが、グランジ、ポストロック、プログレ的な楽曲展開も魅力。通常とは異なるフォーマットで楽曲が構成されているため、他に似ているバンドを探すのが難しい。様々なジャンルが複合的に合わさったスタイルを得意とする。
かねてよりロックファンのあいだでは人気があったが、リーガルリリーの名前を一般の音楽ファンに知らしめたのは、2017年1月8日に放送されたテレビ朝日『関ジャム完全燃SHOW』。同番組の「売れっ子プロデューサーが本気で選んだ2016年ベスト10」に、蔦屋好位置がリーガルリリー『リッケンバッカー』を4位に選んだことがきっかけ。放送後の反響は凄まじく、YouTubeでの再生回数は300万回を超える(2018年8月現在)。
たかはしほのかはコーラスとしてteto『9月になること』にも参加しており、tetoの疾走感とざらついたサウンドに天使のような歌声を添えている。それはまるで、銀杏BOYZとYUKIによる『駆け抜けて性春』のようだ。あの名曲の「わたしはまぼろしなの」というフレーズを思い出した人も多いのでは。
リーガルリリー
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Lucie, Too(ルーシートゥー)
楽興はシンプルなものが多い。ポップだがあがりすぎない、爽やかで衒いのないまっすぐなサウンドが特徴。ファッションもオーガニックで、気負いのようなものが一切感じられない。
代表曲『Lucky』の潔さに注目。「今日から私あなたについて行くわ」という前時代的な歌詞なのに、嫌らしさがまったくない。男の一歩後ろを歩く「昭和の女の子」の感覚を平成生まれの女の子が持っていることは、1周回って興味深い。
そして1分半という短さと、未練のない終わり方。むしろ男らしい。
Lucie, Too
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FINLANDS(フィンランズ)
2012年に結成、2013年1stミニアルバム『悲しい食事』リリース、2016年1stフルアルバム『PAPER』リリース。ライブでは季節にかかわらず厚着なのもポイント。川谷絵音なども評価している注目バンド。2018年8月11日のフジテレビ『Love music』に出演しトレンド入りするなど、勢いを増している。
なお、塩入冬湖はソロでの活動も行なっており、そちらもかなりおすすめ。たとえば『落ちない』など。ソロはFINLANDSよりもややセンチメンタルでノスタルジックか。
FINLANDS
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ほかにも、コーチェラに出演したおとぼけビ〜バ〜や、みなさんご存知のニュー・エキサイト・オンナバンドCHAIをはじめ有力ガールズバンドは多く、男女混合も含めるとさらにその数は膨大なものに……。
バンドが非常に豊かな2018年です。
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