SKE48、木崎ゆりあの不在をどう乗り
越える? 新作MVから読み解く課題

 SKE48らしいパワフルな曲に合わせ、ライブ映像などを逆回転させた演出が目立つ「未来とは?」や、エレクトロなダンスチューンと少し大人っぽい雰囲気の「GALAXY of DREAMS」、スチャダラパーらしいヒップホップのトラックとBOSEのラップに、チームSのユニゾンを乗せた切ない楽曲「猫の尻尾がピンと立ってるように...feat. Bose (スチャダラパー)」。さらに、左半身が応援団、右半身がチアリーダーというオモシロ衣装と、アップテンポな楽曲が特徴な「S子と嘘発見器」、ミドルテンポでどこか懐かしさを感じさせる楽曲とレトロな衣装に注目の「待ち合わせたい」など、バラエティに富んだ作品群となっている。
 先日の「大組閣」では、木崎ゆりあのAKB48チームIV移籍が発表され、松井玲奈が乃木坂46と兼任に。SNH48の宮澤佐江がチームSのキャプテンも兼任するなど、グループの各チームにおいて、ファンからの疑問の声が一番多かったようにも思えるSKE48。
 アイドルカルチャーに詳しいライター・物語評論家のさやわか氏は、今回公開されたMVの感想や、そこから読み取れる運営の方針について、以下のように分析する。
「タイトル曲の『未来とは?』は、春にふさわしい歌ですし、曲自体もすごくいいですね。ですが、ちょうど大組閣が終わり、ファンもメンバーも戸惑っているこのタイミングに、ここまで前向きな歌をぶつけられると、もやもやする部分があります。今までのSKE48の体制のままだったら素直に良いよねって言えたんでしょうが......」
 さやわか氏は、今回の人事でSKE48が負った痛手が、木崎ゆりあの移籍であると続けた。

「『GALAXY of DREAMS』は、当初は木崎がセンターとして選抜されたメンバーだったのですが、MVを見る限りは松井玲奈、松井珠理奈がセンターなんですよね。『未来とは?』のMVでは、ずっとSKE48のセンターを務めてきた、この二人に拮抗するくらい目立っていたりと面白かっただけに、これは考えさせられるものがありますね。今回も色々な人事異動はあったと思いますが、兼任だからと納得できる部分も多かったりします。一番大きいのは、『いた人が居なくなること』なんですよね。逆を言うと、この部分にAKB48グループらしさである『ガチ感』を感じます」

 一方、これからのSKE48の発展を考える上で、今回の大組閣にはプラスを感じることもできるという。

「SKE48はグループの団結力が高く、ファンも箱推しが多い。メンバーもSKE48という看板に、価値を感じている人が多いのであれば、他グループから入ってきたメンバーと、次に関係をどこまで作れるのかというのが大事でしょう。頑張って作ってきた組織が解体されるのは悲しいですが、新しい人たちを大事にして、育ててあげて欲しいですね。今回は各チームに兼任が多い人事となっているので、それを利用して、兼任メンバーは他のグループからプラスになる部分を吸収すれば、SKE48の強化に繋がるでしょう」

 今回公開されたMVが、組閣前のメンバーとしては最後の曲となる。彼女たちの魅力を様々な側面から見ることが出来るこの4曲は、まだMVが公開されていない「Mayflower」「僕らの絆」とともに、フルバージョンの公開が待たれるところだ。(リアルサウンド編集部)

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