【明田川進の「音物語」】第29回 「
ミルモでポン!」でご一緒した吉田理
保子さんと叶姉妹さん

 2002~05年に放送された「わがまま☆フェアリー ミルモでポン!」は、HALF H・P STUDIOが音響制作を手がけていて、僕は音響監督の依頼をうけての参加でした。ですから、前回お話したような 制作上のやりくりはスタジオ側でしてくれていて、僕は言いたいことを言わせてもらっていた感じです。
 「ミルモ」のキャスティングマネージャーは、吉田理保子さんが担当されていました。吉田さんとは声優時代のつきあいのほうが長くて、外画の主役をやるようになって独特のカラーをだされているなと思っていた頃にスタッフ側に移られたときには驚きました。役者の気持ちに寄りそえる、これまでの経験を生かされての転進だったと思います。ミルモ役の小桜エツコさんらメインキャストは、吉田さんやスポンサーサイドと相談しながらキャスティングしていきました。
 主人公・南楓役の中原麻衣さんは、デビューから間もない頃でした。釘宮理恵さんも出演していて、おふたりはアイムエンタープライズの所属ですよね。アイムはアーツビジョンからアイドル志向の人たちを集めて、同系列のグループ会社として設立されたプロダクションだと聞いていました(※1993年設立)。当時アイドル志向の人の芝居があまりよくなかった経験があって、僕自身そうした色眼鏡で見ているところがあったと思います。そんななか、オーディションで中原さんと釘宮さんのきちっとした演技を見たあとに、おふたりがアイム所属であることを知って驚き、そうした認識をあらためた思い出があります。
 「ミルモ」は長丁場の作品だったため、新しい人や、普段ご一緒していなかった人にもどんどん出てもらえて新しい才能を見いだすことができ、僕自身とても勉強になりました。新しい人とやる場合は特に、最低でも2クールは一緒にやって、その人が育っていく過程を見ていくことが大切だと僕は考えています。「ミルモ」では、そうした作り方ができたんじゃないかと思っています。
 ゲスト声優として、叶姉妹のおふたりに出てもらったこともあります。妹さんがとてもやる気で、お姉さんはそれを脇で見ながら、息のあった感じでやられていました。アニメ「ポケモン」などで知られるプロデューサーの久保(雅一)さんが時流を敏感に察知する方で、叶姉妹の人気ぶりを見て起用されたんですよ。まわりからは「『ミルモ』に叶姉妹?」と驚かれましたが、芝居も悪くなかったと思いますし、面白かったですね。
 「ミルモ」の監督は、1、2期がカサヰケンイチさん、3、4期が福島利規さんです。おふたりとも演出が面白くて、「いい演出家の方だな」と思っていました。福島さんとは、2017年にNHKで放送された「“栄光なき天才たち”からの物語」で久しぶりにご一緒できてうれしかったです。

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