【山本彩 インタビュー】
ソロになってからの新しい一面を
認めてもらえたら嬉しい
自分のためというより、
誰かのために歌っている
インタビューで“楽曲で全部を曝け出しているのかと言ったら、まだフィクションの面が多い”と言っていたのを拝見しました。なぜ全てを曝け出さないのかと言えば、今まで応援してくれた人を裏切りたくないからと。自分自身と周りからのイメージの両方を大事にしていることがすごいと思うんですよね。
時には攻めないといけない場面もあるけれど、今までやってきたことを否定するとか、なかったことにだけはしたくないなって。アイドルをやっていたこともそうですし、その時代を応援してくださっていた人たちのことも裏切りたくない。これまで私を好きでいてくれた人たちや守るべきものは守って、ソロになってからの新しい一面を認めてもらえたら嬉しいと思ってます。
実は、僕は“山本彩・ボクサー説”を提言してまして。
殴るのが好きでやる喧嘩は見てても面白くないんですけど、誰かのためとか、今日まで頑張ってきた過去の自分のためとか、何かを背負ってリングに上がって戦うボクシングは感動するんですよ。
そういう意味でボクサーだと。
そんな素晴らしいものではないですけど。そう言えば、父もボクサーをしていたし、小さい頃から格闘技とかボクシングを観る機会も多くて。昔はスポーツだと思って観ていたものが、今はメンタル面とか人間性みたいなところを意識するようになったので、そういうところに惹かれて自分も引き上げてもらっているのはありますね。最近は井上尚弥さんの密着番組を観てました(笑)。
音楽だろうとスポーツだろうと、人前に立って何かするというのは結局“生き様”を見せているんじゃないかと思いますね。
山本さんの音楽において切っても切り離せないテーマは何だと思いますか?
前に、秋元 康先生から“恋愛ソングもいいんだけど、山本には誰かを応援するとか、誰かの支えになるような歌が似合うと思うんだよ”と言っていただいたことがあって。それは自分自身も思っていて、そういう曲のほうが書けるんですよ。自分のために歌っているというよりは、誰かのために歌っている気持ちのほうが強いので。聴いてくれる人の力になれる、支えになれる音楽というのが一番の核です。
そう言えば、これまでのインタビューやエッセイでも山本さんから“曝け出す”という言葉がよく出てくると思ってて。
今の話を聞くと、山本さんは誰かのための自分を曝け出しているんだなと。
そうですね。本音が言えない人のために代弁する側だと思っていて。私が代弁した曲を聴いて少しでも楽になってもらうとか、すっきりしてもらうとか、そういう音楽を作ることが自分の役目かなと思っています。
歌詞もいいんですけど、作曲面ではメロディーメーカーだと思うんですよ。僕は歌詞の前に、まずメロディーに惹かれました。
それは一番嬉しいです! もともと私はそういう耳の使い方をするタイプで、歌詞に注目したり、意味を深く掘り下げるようになったのは、恥ずかしながら自分で曲を書くようになってからなんです。言葉よりもメロディーでいい印象を持つかどうかが決まるタイプでした。なので、自分で楽曲を作る時も曲が先で、あとから歌詞を考えてます。第一にいいメロディーの曲を作りたいという想いがあるから、メロディーを褒めていただけるのは本当に嬉しいです。
いろんなタイプを作ってますよね。「feel the night」はブラックミュージック要素がある一方で、「unreachable」のAメロは70〜80年代のフォーキーな雰囲気もあって。前に「喝采」をカバーされてましたけど、その時代感のメロディーも染み付いているのかなと。
その実感は全然ないです。メロディーメーカーと言っていただけたのは、私が聴いてきたJ-POPとか歌謡曲の王道の曲の成り立ち部分かなと思いますね。
J-POPだとEvery Little ThingさんとかGARNET CROWさんがすごく好きで。ロックに関しては、親の影響で尾崎 豊さん、L’Arc〜en〜Cielさんを聴いていました。あとは、兄の影響でAvril Lavigneさん、姉の影響でビジュアル系バンドとか。
幅広く聴いてますね。
そうですね。小学生の頃からいろいろなジャンルを好んで聴いていたので、周りの同級生との音楽の趣味は違ったかもしれないです。
ラジオ番組『SCHOOL OF LOCK!』で「stay free」が流れた時は驚きました。“こっちもいけんのかい!”って。
ありがとうございます! 『α』を作ってみて、今後は「stay free」のようなシティポップっぽい曲もどんどん作っていきたいと思ってます。
取材:真貝 聡
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アルバム『α』2019年12月25日発売
UNIVERSAL SIGMA
- 【初回限定盤(DVD付)】
- UMCK-7041 ¥4,000(税抜)
- 【通常盤】
- UMCK-1644 ¥3,000(税抜)
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『山本彩 LIVE TOUR 2020 ~ α ~』
2/22(土) 千葉・市川市文化会館大ホール
2/24(月) 京都・ロームシアター京都メインホール
2/26(水) 東京・NHKホール
3/01(日) 香川・レクザムホール大ホール
3/08(日) 兵庫・神戸国際会館こくさいホール
3/13(金) 石川・金沢市文化ホール
3/18(水) 福岡・福岡市民会館大ホール
3/20(金) 熊本・熊本県立劇場演劇ホール
3/28(土) 宮城・トークネットホール仙台大ホール
3/29(日) 岩手・盛岡市民文化ホール大ホール
4/03(金) 神奈川・カルッツ川崎大ホール
4/05(日) 広島・上野学園ホール
4/08(水) 大阪・フェスティバルホール
4/09(木) 大阪・フェスティバルホール
4/12(日) 長野・長野市芸術館メインホール
4/17(金) 北海道・カナモトホール
4/22(水) 愛知・日本特殊陶業市民会館フォレストホール
4/23(木) 愛知・日本特殊陶業市民会館フォレストホール
4/29(水) 東京・LINE CUBE SHIBUYA
4/30(木) 東京・LINE CUBE SHIBUYA
ヤマモトサヤカ:2010年の発足当時からNMB48のキャプテンを務め、AKB48の選抜メンバーとしても活動。16年10月に自身の夢であり目標だったシンガーソングライターとしてソロデビューアルバム『Rainbow』を発表し、18年11月にNMB48を卒業。19年よりユニバーサル ミュージックに移籍した。山本彩 オフィシャルHP
「追憶の光」MV
「TRUE BLUE」MV