佐倉仁、Zoom参加した観客たちを前に
配信ライブの新しいスタイル「ViSUA
LIVE」を開催!!
「今回のViSUALIVEは自分自身がアーティストとして配信ライブをやった時に感じた虚しさと、人の配信ライブを見た時に感じたファンから見たアーティストとの距離を埋めるために新しい試みでそれを埋められないかというチャレンジをしたいと考え実行に移しました。」(佐倉仁)
開放感を抱いた激しい演奏に乗せ佐倉仁がステージに登場。心に溜め込んださまざまな鬱憤を開放しようと、彼は拳を振り上げ、Zoomを通してライブへ参加中の観客たちへ向け「カメラを開け」と煽りだす。心地好く疾走するビートロックナンバー「Dreamin’」(BOØWYカバー)が、騒ぎたい心の鍵を解き放つ。重厚さを持ちながらも輝きを放つ演奏が、ヘッドフォン越しに「もっと騒ぎなよ」と煽りかける。目の前に観客たちがいる気持ちのままに、佐倉仁は、画面の向こう側にいる人たちへしっかりと熱を届けていった。
続いて披露したのが、佐倉仁の配信デビュー曲「Diablo」。重厚かつドラマチックな楽曲に乗せ、彼は沸き上がる情熱(情念)の炎を燃やすように歌声を響かせていた。とても感情的な歌声だ。身体の内側で大きく膨らむ熱情をぶつけずにいれない。いや、この想いを解き放たないことには自分が自分でいれない。それくらい己の魂を突きつける姿が、そこには映し出されていた。佐倉仁の気持ちを具現化するようなMiAのギターフレーズの数々も、とても印象深かった。
「ミュートは解除にしてるか!!」のMCが、Zoom参加型ライブらしさ。荒ぶる音を響かせるMiAのギターリフに導かれるように演奏がドライブする。さらに重厚さと疾走感を増しながら、演奏は「S」へシフトアップ。前屈姿勢で、観客たちを挑発するように歌う佐倉仁。荒々しい演奏に触発され、彼もまた身体に眠る野生の血を滾らせ、画面の先で観ている観客たちへ挑みかからんばかりの勢いで歌声を突きつける。間奏でYutoのギターソロが炸裂すれば、ブリッジパートでは、刹那を感じさせる表情も投影。駆け続ける演奏の中にも緩急効かせたドラマチックな展開を巧みに描きだす様は、流石だ。
これまでの激しい表情から、一変。佐倉仁は「堕天」を通し、気持ちのままに揺れ動く歌声を軸に据えたメロウな楽曲を披露。揺れる気持ちのままにメロディを紡ぐ歌声に合わせ、それぞれのメンバーも演奏を通して想いを重ね合わせだす。佐倉仁という強い意志がバンドの、楽曲の軸にあるからこそ、その演奏は、人の心を揺さぶるドラマを作りあげる。楽曲が進むに従い、高揚した佐倉仁の感情とシンクロするように演奏も音圧を上げてゆくところもいかすじゃない。
佐倉仁が最後に披露したのが、「Just one for love」だ。その楽曲は、触れた人たちのいろんな心の鎖を解き放つ勇壮さを持っている。まるで映画のクライマックス場面を彩るよう、胸の奥底へ高揚を注ぐようにこの歌が届いていた。ライブの最後を締めくくるに相応しい、まさに佐倉仁流のスタジアムロック・ナンバーだ。両手を両横に大きく広げて歌う姿は、まるでジーザスのようにも瞼に飛び込んでいた。
ライブ後、そのまま「乾杯!」をしながらトークコーナーへ入るところも、「ViSUALIVE」のライブスタイル。何にも縛られない。いや、様々な制約があった中、それを守った上で最大限の楽しさを見出そうとしてゆく佐倉仁。それこそが、彼の人生スタイルそのものだ。
この日のライブを行った感想を、佐倉仁は以下のように答えてくれた。
「最高のメンバーと初めての試みを行えたことには満足している。ただ、同時にいろんな課題が浮かび上がってきたので、その課題一つ一つを潰してもっともっとファンとアーティストがライブ会場で一つになっているあの状態をこの新型コロナの状況でも再現できる形として作り上げていきたい。」(佐倉仁)
佐倉仁は、この日のライブに先駆け1stアルバム「迷宮」を発売した。彼が、これからどんな形で音楽の新しい道を切り開いてゆくのか、また新しい楽しみが増えたのは間違いない。
PHOTO:柳延人
★インフォメーション★
―セットリスト―
◆佐倉仁NEWアルバム「迷宮」6/23リリース
―配信曲リスト―
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