谷本貴義とWING WORKSジャンルの枠を
超えたコラボ画策

元少女―ロリヰタ―23区のベーシストであり、今はボーカリストとしてWING WORKSというソロ・ワークスを動かしている、ヴィジュアル・シーンの中で異彩を放つ表現者であるRYO:SUKE。
2人は、アーティスト同士がアニメソングをコラボレート制作した楽曲を収録した2枚のコンピレーション盤。『V―ANIME collaboration ―homme―』(発売中)と『V―ANIME collaboration ―femme―』(5月14日発売)に、それぞれ参加。谷本貴義は、谷本貴義×那オキ(THE BEETHOVEN)という形のもと、『FLYING IN THE SKY』(機動武闘伝Gガンダム)と『プラチナ』(カードキャプターさくら)を。RYO:SUKEは、RYO:SUKE(WING WORKS)×涼平(メガマソ)というコンビで、『心よ原始に戻れ』(新世紀エヴァンゲリオン劇場版シト新生)と『キューティーハニー』(キューティーハニー)を唄っている。
2人とも、アニメ&アニソン/ヴィジュアル系それぞれのシーンの活性化はもちろん。2つのジャンルで活躍している人たちや、それぞれのジャンルが好きな人たちとの手を繋ぎ、世界へ向け、より大きな音楽文化へ発展させていきたい野望を抱いている。まだまだ水面下の動きとはいえ、互いに手を組み'新たなコラボレートの形'を発信しようと計画中なので、これからの2人の動きに、ぜひ注目していただきたい。
谷本貴義は、6月18日に「ドラゴンボール改(魔人ブウ編)」の主題歌『空・前・絶・後 Kuu―Zen―Zetsu―Go』をシングル発売。6月28日(土)には、谷本貴義ワンマンライブ 2014「Regeneration」と題した2年ぶりのワンマン・ライブを新宿RUIDO K4で開催する。ミュージシャンには、Guitar:KENJI(ex CLOSE)/広末慧(MASQUERADE)/Bass:NATCHIN(SIAM SHADE)/Drum:aki(LC5)と、ヴィジュアル・シーンで活躍するメンバーたちが参加している。
WING WORKSは、6月4日に、『シルヴァー』『VAD†MAN』『不死鳥―FENNIX―』と3本のPV。さらに、2014.3.23高田馬場AREAワンマン他LIVE映像&オフショットを多数収録したDVD『INEMA WING」-The Chronicle Movies-』を発売。RYO:SUKEの誕生日でもある7月6日(日)には、新宿BLAZEを舞台に、WING WORKS/メガマソ/DEZERT/GIGAMOUS/Blu-BiLLioN(ゲスト)/他…というラインナップのもとイベント「GOD IS IN THE DISPLAY vol.5」を開催する。この日のWING WORKSのライブを彩るメンバーが、Guiter:広末慧(MASQUERADE)/鳴風(にFo'xTails)/Bass:INTETSU(ex-AYABIE)/Drum:匠(ex-UnsraW)と、こちらも豪華なメンバーが勢ぞろい。互いのバンドに、MASQUERADEの広末慧が参加しているのがポイント。裏話をするなら、広末慧が2人を繋ぐ接点となっていた。
互いに、すでに年内や来年へ向けて様々な動きを仕掛けている。とはいえ、その合間を塗って、2人が新しい音楽ムーブメントを描き出すプロジェクトも動こうとしているので、それも楽しみにしていただきたい。最後に以下へ、2人の対談を掲載しておこう。

谷本
僕自身は、タイアップに縛られない純粋なオリジナル・ソングもいろいろ作ってるし、音源化もすれば、ライブでも歌ってるんですけど。アニソンの場合、「その作品が求める世界観を表現」していくことが大切。しかもアニソンは一人で作るものではなく、制作者や原作者など、その作品を形作っているいろんな人たちの求める意見をとりまとめたうえで生まれてくるものが多い。さらにその楽曲を表現するうえでも、子供向けのアニメなら、観る子供たちに伝わりやすく。格闘系の物語なら高揚する感情を持って唄うなど、その作品が一番活きる歌の表現も求められる。だからこそ、数多くの引き出しも持ってなきゃいけないんだけど。そういう制作を多くやっているせいか、RYO:SUKEくんのような「自分の世界を貫き、表現しているスタイル」に、すごい憧れがあるんだよ。
RYO:SUKE
僕、今の発言とはまったく逆のことを思ってます。アニソン・シンガーって、いろんな人たちの意見を集約させたうえで生まれるものでもあるけど。それを聞き手側に「この作品の顔です」と命を与えていく人って、やはり歌い手なわけじゃないですか。歌い手の僕にとって、そこは今一番掴み取りたい領域。「どうしたら自分の世界をより歌そのもので伝えて行けるだろう?!」。そんな風に捉えながら、僕はこのシーンを憧れの目で見ていますからね。
谷本
RYO:SUKEくんが言ったよう、そのアニメ作品の顔を背負い、先頭を切って唄ってゆく感覚はあるね。
RYO:SUKE
アニメの主題歌って、その作品の最初のイメージを決定していくものじゃないですか。それに携われるというのは素晴らしいことだと思います。
谷本
テーマ曲を聞いた瞬間、その作品の物語がパッと頭の中に蘇る。確かにそこは、アニソン歌手として活動していくうえでの醍醐味であり、この仕事を演ってて良かったなと思えるところだからね。でも、RYO:SUKEくんだって、ステージ上ですごく面白い表現方法を取っているじゃない。ただのライブではなく、一つのストーリーを作り、そのテーマに沿って演奏が進んでいく。すでにライブ自体が、一つの劇場に於けるSHOWを見ている感覚だからね。
RYO:SUKE
ありがとうございます。自分が表現しているのは、みずからが原作者となって作り上げた自分自身の描いた物語を、視覚聴覚触覚などすべての感覚を刺激する形を持って表現していくこと。その想いが伝わってくれたらいいなと思い、ワンマンではライブハウスだとしてもステージセットも組んでいますからね。僕が理想としているのが、みずから作りあげた物語に投影したメッセージやテーマ性。それを受け取った人が、何かしら人生のプラスになることを感じてもらえたらな?!という気持ちなんですよ。
谷本
そうやって、人の心を動かせるって素晴らしいことだよね。なんかさ、一緒にそういうのを作りあげようよ。一緒にライブを演るでもいいからさ。
RYO:SUKE
それ、やりましょうよ!!本気でっ!!ジャンルの壁を壊すじゃないけど。枠を超え、いろんなアーティストさんやファンの人たちが混じり合っていく。それ、すごくいいなと思います。
谷本
出来れば、一緒に何かしら新しい表現スタイルを作っていきたいよね。
RYO:SUKE
「アニソンだ」「ヴィジュアル系だ」ではなく、一つの物語やテーマ性の中へ、互いのジャンルで活動している人たちが混じりあってゆく。そういう形を持って表現するのが一番の理想なんでしょうね。そのうえで、互いの持ち曲を交換して歌ったり。
谷本
あっ、それ演りたいな。最後にアニソンやヴィジュアル系の歌を一緒にセッションしたりさ。
RYO:SUKE
それ、俺も唄いたいです!!
―互いの今後の予定ですが。まず谷本さんは、6月18日(水)に、「ドラゴンボール改」(魔人ブウ編)のオープニング・テーマ曲『空・前・絶・後 Kuu-Zen-Zetsu-Go』をリリースします。

谷本
ふたたび「ドラゴンボール改」のテーマ曲を担当。また、ライブで一緒に熱くなって唄える楽曲が生まれました。
―そして6月28日(土)には、新宿RUIDO K4を舞台に「谷本貴義ワンマンライブ 2014「Regeneration」と題したワンマン・ライブを開催します。
谷本
今回もメンバーには、ギターに元CLOSEのKENJIくんにMASQUERADEの広末慧くん、ベースにSIAM SHADEのNATCHINさん、ドラムにLC5のakiくんを迎えて行います。今回のテーマが「Regeneraion」。”Regeneraion”は直訳すれば「再生」、「復活」といった意味。思春期時期でもあった中学生の頃の僕は、傷ついて悲しかったり、心悩んだりしたときに、いつも音楽に助けられていた。その音楽によって自分の心が再生していく感覚も、あの頃はありました。そういう気持ちを僕は、今回のワンマン・ライブを通して自分自身も取り戻したければ、僕と同じ感覚をみんなとも共有していきたい。同じよう、このライブを観た人たちに元気になってもらいたいし、少しでも心を癒せたらと思ってる。もちろん、お馴染みのアニソン・ナンバーも十分用意しますので、そちらの面でも楽しめるはず。とにかく、「僕自身が音楽に救われた少年だったからこそ、今回のワンマンを通して僕は、その音楽に恩返しをしたい」と思ってる。
RYO:SUKE
それ、すごく共感です。むしろ、そうでないと音楽って響いていかないと僕も思っていること。
谷本
RYO:SUKEくんも、いろんな予定が決まってるよね。
RYO:SUKE
今年春からのライブの予定を僕は「THE LIVE WORKS #1」と名付け、今はその真っ最中です。始動してからの一年の間に作り上げた世界が『STAR GAZER MEMORY』『VAD†MAN~sorry, this is 'MACHINATION'~』『不死鳥-FENNIX-』と題した3枚の作品であり、その世界観を具現化すべくワンマン・ライブも行ってきました。その作品を持って行う「THE LIVE WORKS #1」の集大成として、まずは6月4日(水)に、3本のシングル曲のMusic Clipと、この1年間の活動の模様を追ったライブ/ドキュメンタリー映像を収録した、『「CINEMA WING-The Chronicle Movies -』を発売します。さらに、この1年間の活動を集大成する形で、僕の生まれた日である7月6日(日)に、新宿BLAZEで主催イベント「GOD IS IN THE DISPLAY vol.5」を開催します。それを行ったあと、秋からは全国ツアーを皮切りに「THE LIVE WORKS #2」へ突入していきますから。
谷本
RYO:SUKEくんのすごいところがさ、一つ一つコンセプトを持ってライブを演っているじゃない。その原動力がすごいっていうか。なんで、そうしようと思ったわけ?
RYO:SUKE
僕、学生の頃は絵描きか漫画家の道を考えてて。美大へ進もうと思っていながら、その道ではなく、同時に始めていたバンドへの道へと結果的には進んだわけだけど。僕が憧れたビジュアル系というジャンルは、楽曲を通した物語性やビジュアル面を含め、それらをすべて含んだ一つの芸術として表現していた場。とにかく僕は、自分の思い描く物語を、音楽を軸にした芸術として具現化したかったんですよ。
谷本
ぜひ今度はその物語を、アニソンとビジュアル系の架け橋となる世界で形にしようよ。RYO:SUKE
それ、すごく面白そうなので、ぜひ演りましょう!!

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