L→R ヤマザキヨシミツ(Ba)、ヨシダタクミ(Vo)、ユタニシンヤ(Gu)

L→R ヤマザキヨシミツ(Ba)、ヨシダタクミ(Vo)、ユタニシンヤ(Gu)

【saji インタビュー】
アップテンポで疾走感のある
ロックな曲をやりたいと思った

ユタニみたいなギタリストは
僕ら世代では絶滅危惧種

2曲目の「アオイノウタ」は『戦国炒飯 TV』の新しいEDテーマですが、こちらについては?

ヨシダ
僕らは前身番組の『戦国鍋TV 〜なんとなく歴史が学べる映像〜』を観ていたので、どんな番組か知っていたこともあり、ディレクターからも“自由に作ってみて”と言われました(笑)。ただ、その時点で表題の「瞬間ドラマチック」は決まっていたから、もうちょっとバンドの音を大きめに出した曲が欲しいという話はされいて。「瞬間ドラマチック」はキーになるイントロのフレーズがシンセじゃないですか。だから、ギターを押し出した曲が欲しいと。それで作ってみたらOKがもらえたので、バンドで何回かリハに入って、アンサンブルを合わせて、“いいじゃん! この方向でそのまま録ろう”みたいな。すぐにかたちになりましたね。この曲はリハでジャム感覚で録りました。

仄かに香るサンバテイストが心地良い、洒落た味わいのミディアムチューンになりましたね。

ヨシダ
おっしゃった通りサンバを香らせたけど、サンバにはしたくなかったんですよ。だから、ドラムのリズムでめっちゃ悩みました。メインはドラムの話だったくらい。“そこはオープンハットでいくと聴こえないからクローズで16分(音符)を入れてほしい”というような細かいところまで詰めて。しかも、歌とギターだけは3拍子のリズムを刻むんですよ。だから、ユタニにドラムとベースは無視していいと言いました。この曲、ほんとリズムが面倒くさかった(笑)。
ヤマザキ
「アオイノウタ」は最近の中で一番難しくて、レコーディングの時の記憶がほとんどないです(笑)。付点の休符が入るリズムをずっとキープしないといけないし、その上でAメロ、Bメロ、サビの抑揚をつけないといけないし、ドラムはワチャワチャやっているし…という感じで大変でした。
ヨシダ
ドラムやリズムには時代性が色濃く出ると思うんですよ。だから、しっかり突き詰めたかったんです。「瞬間ドラマチック」と「アオイノウタ」はアレンジャーが同じなのですが、とりわけドラムが好きな人なんで、この曲のリズムについてはみんなでめっちゃ話し合いました。ドラムの音決めだけでも4時間くらいかかったよね?
ユタニ
うん。スネアの音がなかなか決まらなかった。
ヨシダ
最近はドラムの音もあとから大幅に加工できるから“とりあえず録りましょう”ということになりがちじゃないですか。でも、録りの段階で納得のいく音を作りたかったんです。で、スネアの音決めだけで4時間…考えてみたら贅沢な話ですよね(笑)。

ギターはどうですか?

ユタニ
「アオイノウタ」のギターは、これこそ学生さんとかがコピーしやすいんじゃないかと思いますね。特にギターソロは学生さんの気を惹きたいがために、ちょっと変わった音にしました(笑)。
ヨシダ
ソロを録る時、めっちゃこだわってたんですよ。JC-120のコーラスじゃないと嫌だと言い出して、JC-120を借りてきたんです(笑)。
ユタニ
いやいや、JC-120の内蔵コーラスの音は他では絶対に出せないから。JC-120を用意してもらって、2チャンネルにギターを挿して、コーラスのツマミをグイッと上げて…イメージ通りのものが録れて満足しています。バッキングはスタジオに入った時にヨシダと相談して、キャッチーで耳に入るフレーズということを重視して決めていきました。リードのフレーズを厳選したし、イントロもギターで弾いたりしているけど、僕の中ではこの曲は“とにかくギターソロ命!”という感じです(笑)。
ヨシダ
ソロだけ浮いているよね(笑)。よくユタニと話しているんですけど、僕は少しダサいぐらいの方がいいと思っているんです。自分でやっていてちょっとダサいかなと感じるものが意外とリスナーに好評だったりするから。あと、僕らの世代のリードギターで、ユタニみたいな昔っぽいタイプの人はいないんですよ。ギターソロが弾けないギタリストが結構多い。数年前から曲の中にギターソロを入れないバンドが多くなってきている…きっとスピード感を殺すから入れないようになったけど、僕は彼とバンドを組んだ時に“ギターソロを弾いてくれ”と言ったんです。ユタニみたいなギタリストは僕ら世代では絶滅危惧種みたいなもので、そこは活かしたいと思っているんですよね。

確かにユタニさんのギターはsajiの個性のひとつになっていますね。「アオイノウタ」の歌唱面はいかがでしたか?

ヨシダ
この曲は作った時からリズム推しだったんです。なので、ドラムがまとまっていない段階から歌は小難しく聴こえないようにしようと思って、歌メロの音数を減らしました。サビのメロディーとかすごくシンプルなんですよ。その代わりにAメロは言葉を詰めて、メリハリを効かせているんです。そもそも僕は“分かりやすくて覚えやすいサビ”ということをめちゃめちゃ考えていて。シンプルなメロディーを意識しているし、サビの前は必ずサビがくる感じを出すようにしています。「アオイノウタ」はそれが強く出ていますね。歌唱自体は楽曲の流れに沿って歌ったら、こうなったという感じです。

この曲の歌も一曲の中で表情を変えるアプローチが光っていますし、“あの風が吹くままに走れ”というメッセージをさわやかに伝える歌詞も見逃せません。

ヨシダ
これも「瞬間ドラマチック」と一緒で、聴いてくれるのは十代の人が多いと思うから、高校生に響く歌詞にしようと思ったんです。なので、高校生だった頃の自分が好きになるかどうかというところでジャッジしながら書いていきました。

OKMusic編集部

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