AKINO from bless4

AKINO from bless4

【AKINO from bless4 インタビュー】
デビューから15年の歴史を綴り、
過去と今をつないだアニバーサリー作

この新曲は15年ずっと一緒にいて
見守ってくれた兄姉からのプレゼント

そんな感謝の気持ちや音楽への想いが、特に高まるきっかけになった楽曲を収録曲の中から強いて挙げるなら?

AIKIと初めてデュエットした「月光シンフォニア」ですね。すごくリズムが取りにくいハーモニーがあって、実はレコーディングに6時間かかったんですよ。“どうしてこんなこともできないんだ”って悔しくて、恥ずかしくて、ブースの中で小さくなってたんですけど、プロデューサーの菅野よう子さんは一切怒らなかったんですね。それどころか“どんなにできなくても自信を持って歌おう”って励まして、何時間も丁寧に指導してくださったんです。レーベルのスタッフの方もテーブルにあったおにぎりを音符のように並べて教えてくださったりして、本当に感謝の気持ちでいっぱいになって! 今、私は歌を教えてる仕事もしているんですけど、その経験があるから、なかなかうまくできない子がいてもその子を信頼して味方になってあげたいんです。あと、個人的に思い出深いのは5thシングルの「海色」ですね。すごくカッコ良い曲なのですが、すごく早口だったからたくさん練習しました。特に気に入っているのがMVで、女性の持つやさしさだけではない、いろんな表情を表したいと思ってカメラをパンチしたりもしてるんです。

AKINOさんのヴォーカル自体、力強さが非常に大きな持ち味ですが、ご自身が思う一番の武器って何でしょう?

15年経っても高音がどんどん伸びているところですね。これまで一番キーが高かったのが10周年で歌った「Let’s Fly」のAだったんですけど、今回、新しいことにチャレンジしたくて新曲の「your ears, our years」は半音上げてAシャープにしてます。

人間って歳をとるとキーが下がるものなのに上がるってすごい! 何か秘訣ってあるんですか?

たぶんですが、お腹の筋肉を鍛えてるのが良かったんでしょうね。デビューの時に憧れていたアーティストがいて、彼女のようになりたいと思って電車に乗ってる時とかもずっと“スッスッ”と息を吐くトレーニングをやっていたんです。15歳の時にやっていたあれが、もしかしたら効いているのかもしれない。あと、大事なのが口を大きく開けること。特に高音を出す時は、大きく開けたほうが息が流れやすくて絶対いい!

なるほど。日本語ってあまり口を開けなくても話せる言語だから、そこは注意すべき点かもしれない。

ビヨンセとかの海外アーティストを見ると、もう表情をグシャグシャにして歌っているんですよね。日本人はきれいに見せようとして遠慮しがちだから、その差もあるかもしれない。私もライヴが終わって写真を見るとすごい顔してることが多くて、ちょっとがっかりするんですけど…まぁ、みなさんに良い声を届けられればいいかなと(笑)。

アルバムの最後に収録されている新曲の「your ears, our years」は高音キーを更新しただけあって、実にパワフルなヴォーカルが聴ける作品になっていますよね。

本当に元気で明るくて、みなさんと一緒に歌える曲になりました。高音を更新したいっていう話から作曲はAKASHIが、作詞はお姉ちゃんのKANASAがしてくれたんですけど、この曲はふたりからの15周年のプレゼントのように感じるんですね。ふたりを含めたbless4のメンバーは、私がソロでデビューしてからも常に一緒にいて見守ってくれていたんですよ。15年の中には良い時も悪い時もあって、デビューした頃は歌が大好きだった私も歌を嫌いになってしまったり、人には言えないストレスをお姉ちゃんに泣きながら話したこともあったり…そんな経験も経て、今は歌が大好きになった私の歴史を全部見ているからこそ、こういう歌詞を書いてくれたんだと思うんです。

Aメロには《晴れもあれば曇りも土砂降りもあった》とありますが、これも全部リアルなんですね。では、《君のために歌う》という歌詞はファンだけでなく、bless4のメンバーやご家族に向けても歌われたんでしょうか?

そうですね。ファンや家族、菅野よう子さんやレーベルスタッフのみなさんも。彼らが私を信頼して、手を伸ばしてくれたからこそ15周年が迎えられたし、コロナ禍が拡大して本当にライヴができるのか、アルバムが出せるのか不安だった時も、レーベルのみなさんが“出しましょう!”って光をくれていたんです。だったら、今はライヴに行きたくても行けない、声を聴きたいけど聴けないっていう暗闇の中にいるファンのみなさんに、今度は自分が手を差し伸べ返すべきだろうと。だから、お兄ちゃんも1万2,000回歌うっていう企画を考えてくれたんだろうし、毎日ファンと配信をしながら一緒に歌っていくことで、ファンのみなさんと新しい歴史を作っていけたらいいなって。

ちなみに、今の時点で何回歌いました?(取材は2月中旬)

今は…6853回! 残りは5147回ですね。

一日100回歌うとして、4月には1万2,000回に到達しますが、その暁にはお兄様から何かご褒美的なものがあったり、何かお祝いをしようとか考えてます?

あっ、何かあったらいいですね。終わりが近づいてきたら何か考えてみようかな? 4月には15周年ライヴも決まりましたし、さすがにアルバム全曲は披露できないけれど、ピックアップして歌っていきたいなと。特に新曲「your ears, our years」の《キラキラ 私の中》っていうサビは、レコーディングの時も“私は本当に歌が好きなんだ!”っていう気持ちを込めて歌ったので、その想いがステージでもあふれ出てほしいですね。

そこまで歌が好きな一番の理由って何なんでしょうね。

私が思うに、歌って人と人とのコミュニケーションなんですよね。だから、ライヴを観ていても、生徒に教えている時でも、歌っている人の感情を感じるんですよ。怒っていれば分かるし、感謝の気持ちを持っていれば分かる。言葉で語らなくても目を見れば、声を聴けば分かるんです。それだけの力が歌にはあって、人間を良いほうにも悪いほうにも変えることができるから、私は良いほうに変えられるような歌を歌いたいんですよね。自分の曲を聴いて元気になったり、明るくなったり、感謝の気持ちが湧き出るような歌手になりたいと思うし、だったら行動に移さなければいけないと思うんです。

なるほど。歌は人とつながることのできる重要なツールであると。

だから、歌を教えるのは大好きなんですよ。自分がうまく歌えなかった時のつらさも知っているから音楽に対して悩みを持っているたくさんの人に歌を教えていきたいですし、もちろん自分自身も歌い続けます。歌に乗せて想いを届けていきたいですし。あと、今までステージ衣装は自分でデザインして作ってきたので、そっちの方面でも頑張りたいなと。今回のジャケット写真の衣装も生地屋さんで生地を買うところから始めて、お母さんと一緒に一週間半で作りました!

歌手、トレーナー、衣装デザイナーと、三足のわらじですね。

はい。その三本柱でやりたいですね。でも、当面の目標は「創聖のアクエリオン」で紅白に出ること。15年越しでMVも作ったし、反響が大きければチャンスがあるんじゃないかなぁって期待してます!

取材:清水素子

アルバム『your ears, our years』2021年3月24日発売 FlyingDog
    • 【初回限定盤】(3CD+Blu-ray)
    • VTZL-181
    • ¥4,950(税込)
    • 【通常盤】(3CD)
    • VTCL- 60540~2
    • ¥3,850(税込)

ライヴ情報

『AKINO 15周年コンサート「your ears, our years」』
4/14(水) 神奈川・CLUB CITTA'

AKINO from bless4 プロフィール

アキノ・フロム・ブレスフォー:正真正銘4人兄妹のコーラス・ダンスグループ、bless4の次女。その卓越した歌唱能力から、菅野よう子がTVアニメ『創聖のアクエリオン』のOPテーマに採用した天才ヴォーカリスト。2005年にリリースされた主題歌シングル「創聖のアクエリオン」のミリオンヒットを受け、2009年にJASRAC賞銀賞を受賞。類稀なピッチと、澄んだのびやかで、かつパワフルな歌声は世の人々を虜にする。20年にはソロデビュー15周年を迎え、21年3月には集大成となるアルバム『your ears, our ears』をリリース。bless4 オフィシャルHP

「創聖のアクエリオン」
MV (Short Ver.)

OKMusic編集部

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