【4s4ki リコメンド】
直感に正直な
東京発・新世代オルタナティブポップ
カッコ良い人と
カッコ良い曲を作りたいだけ
そして、メジャーデビューアルバムとなる『Catsle in Madness』だが、先行配信された3曲はいずれも海外のクリエーターとのコラボ曲。エスニックテイストのブレイクビーツチューン「FAIRYTALE feat. Zheani」、エモエレクトロに歪み系のギターが新鮮な「gemstone feat. Puppet」、ヘヴィな音像のギターロックとフューチャーベースのニュアンスが混交した「ALICE feat. Smrtdeath」と、これまでにないテイストの楽曲を共作。また、国内アーティストではインディートラップシーンで絶大な人気を誇る釈迦坊主を迎え、ホラー感と少しドラッギーな冥府を思わせる「天界徘徊 feat. 釈迦坊主」をクリエート。他にもお盆の墓地での光景を少し不謹慎なワードでとらえたチップチューン「OBON」もあれば、素の声で自分自身を曝け出し、対象への包容力すら感じさせる「kkkk」も収録。ひとりの人間が内包する感情の幅と、どんな側面にも嘘のない表現がアルバムの細部に行きわたっているのだ。
さらに、3月に配信リリースされたEP『UNDEAD CYBORG』からはサブスクリプションでよく聴かれ、さまざまなアップライジングなアーティストを取り上げるプレイリストに入った「幸福論」と「Sugar Junky」も収録し、オールラウンドな魅力を伝えている。
これまでもジャンルに拘泥することなくイマジネーションを拡張する楽曲を作り出してきた4s4kiだが、本作での振り幅は過去最強だ。“曲については、今、私が作りたい曲を正直に作りました。飽き性なので必然的にいろんな曲ができてしまいました。フューチャリングゲストの方々はシンプルに自分がファンだったアーティストたちです。縁があって一緒に曲を作ることができました”と語り、海外のトレンドやシーンについても“特にそれぞれ意識はしていません。カッコ良い人とカッコ良い曲を作りたい、それだけです”と動機はシンプル。だとすれば、彼女のアンテナは相当の感度だと言わざるを得ない。
さらに、3月に配信リリースされたEP『UNDEAD CYBORG』からはサブスクリプションでよく聴かれ、さまざまなアップライジングなアーティストを取り上げるプレイリストに入った「幸福論」と「Sugar Junky」も収録し、オールラウンドな魅力を伝えている。
これまでもジャンルに拘泥することなくイマジネーションを拡張する楽曲を作り出してきた4s4kiだが、本作での振り幅は過去最強だ。“曲については、今、私が作りたい曲を正直に作りました。飽き性なので必然的にいろんな曲ができてしまいました。フューチャリングゲストの方々はシンプルに自分がファンだったアーティストたちです。縁があって一緒に曲を作ることができました”と語り、海外のトレンドやシーンについても“特にそれぞれ意識はしていません。カッコ良い人とカッコ良い曲を作りたい、それだけです”と動機はシンプル。だとすれば、彼女のアンテナは相当の感度だと言わざるを得ない。
それぞれのお気に入りの一曲を
見つけてもらえると嬉しい
また、アグレッシブなトーンだけでなく、現実と非現実の境界線が曖昧になるようなストーリーテリングが冴える「m e l t」と「moonlake」はともにロンドンのエンジニアのジェフ・スワンがミックスを担当していることも、本作の奥行きや音像の多彩さにいいワークをしている。“ODD(妙なこと)”と“POP”を自在に混交させ、グラミーノミニー・アーティストにもなったチャーリー・エックス・シー・エックスをはじめ、グライムスや残念ながら急逝したソフィーなど、ハイパーポップのフィメールアーティストは世界のミレニアルズ〜Z世代に支持されているが、4s4kiの音楽も国境を超えて聴取されるだろう。
そんな彼女自身は本作の制作で得た手応えと可能性について“ヴォーカルのサウンドプロダクションにこだわって、リスナーを驚かせるような楽曲を作っていきたいと思うようになりました”と語っていて、意味と音が化学反応を起こす面白さに自覚的なことが分かる。
先鋭的な音楽性でありつつ、現代のポップスとしての共感度も高い本作。あえて聴いてほしいリスナー像を無粋を承知で尋ねたところ、こんな答えが返ってきた。
“誰にでも聴いてほしいです。私自身が気分屋なので、私のアーティスト性は一曲だけでは判断できないと思います。なので、さまざまな私の曲を聴いて、それぞれのお気に入りの一曲を見つけてもらえると嬉しいです”。
またしても自覚的な回答が。そう、4s4kiが言う気分屋の側面は曲に変換され、あらゆる人が自分自身の手に負えない感情の揺れにこの上ないリアリティーで共振する。一見、特異な音楽やキャラクター性も2021年のポップミュージックとしてあなたの日常に寄り添い、刺激することだろう。“狂気の中の城”というアルバムタイトルのイメージなのか、鳥居の前で撮影し、エレクトリックピンクが目に刺さるアーティスト写真然り、その感覚を全方位に作品化する瞬発力を今後も追いかけたい。
そんな彼女自身は本作の制作で得た手応えと可能性について“ヴォーカルのサウンドプロダクションにこだわって、リスナーを驚かせるような楽曲を作っていきたいと思うようになりました”と語っていて、意味と音が化学反応を起こす面白さに自覚的なことが分かる。
先鋭的な音楽性でありつつ、現代のポップスとしての共感度も高い本作。あえて聴いてほしいリスナー像を無粋を承知で尋ねたところ、こんな答えが返ってきた。
“誰にでも聴いてほしいです。私自身が気分屋なので、私のアーティスト性は一曲だけでは判断できないと思います。なので、さまざまな私の曲を聴いて、それぞれのお気に入りの一曲を見つけてもらえると嬉しいです”。
またしても自覚的な回答が。そう、4s4kiが言う気分屋の側面は曲に変換され、あらゆる人が自分自身の手に負えない感情の揺れにこの上ないリアリティーで共振する。一見、特異な音楽やキャラクター性も2021年のポップミュージックとしてあなたの日常に寄り添い、刺激することだろう。“狂気の中の城”というアルバムタイトルのイメージなのか、鳥居の前で撮影し、エレクトリックピンクが目に刺さるアーティスト写真然り、その感覚を全方位に作品化する瞬発力を今後も追いかけたい。
文:石角友香
■<YouTube再生リスト>“Castle in Madness” (Music Video & 44sec Trial Listening)
https://www.youtube.com/playlist?list=PLvLUepkGkRJYzLMsvdJMFplki56oeK62J
https://www.youtube.com/playlist?list=PLvLUepkGkRJYzLMsvdJMFplki56oeK62J