【AIRFLIP インタビュー】
アルバムとしては間違いなく
一番いいものができた
代表曲「Brand New Day」を
超える曲を作ろうぜ
「New Year’s Day」は結婚する時の喜びを男性の視点から歌っていますが、父親の愛を歌った「Growing Up」も含め、そういう曲がレパートリーに加わることで歌詞の世界観がより広がったと思います。
その2曲の歌詞を書いた時、改めて人が生きてきた道が曲に表れるんだと思いました。バンドも年を経て、当然メンバーも年を経て、その中で歌う歌詞の内容も変わってきて、それがバンドの味になっていって…バンドって本当に人生と同じだな、みたいなことを考えましたね。
じゃあ、これからもいろいろな人生経験を重ねていく中で、もっといろいろな題材にアプローチしていこうと?
そうですね。共感してもらえるものということは、ちょっとだけ念頭に置きながらいつも書いているんですよ。今回は特にそうだったんですけど、今後はもっと自分の人生の軌跡をなぞった歌詞が増えてくる気がしています。
「Growing Up」や「New Year’s Day」のような曲が加わると共感の幅は広がると思うのですが、その一方でロックバンドであるAIRFLIPがこういう題材を歌っちゃダメだろうというこだわりはありますか?
いや、どんなことでも歌っていいと思っています。AIRFLIPらしいいいメロディーという軸がぶれなければ、オープンマインドにどんなことを歌ってもAIRFLIPらしさは変わらないはずなので。
その他にも新しい歌詞の書き方を試した曲はありますか?
Fujimonが持ってくるデモには仮歌で何の意味もない英語っぽい歌詞が入っていて、それを聴いた時、そう聴こえたっていう空耳的な作り方をしたのが「Overheat」ですね。サビの《99》と《Forever》という部分は、Fujimonがそういうふうに歌ったのかどうかは分からないですけど、そうふうに聴こえたんですよ(笑)。
そのふたつの言葉から“ガス欠になるまで、好きな曲を聴きながらドライブしよう”という歌詞に膨らませていったのですか?
そうです。Fujimonのデモ、一度聴いてもらいたいですね(笑)。僕のほうがキーが高いんで、デモを作ったあとに編集ソフトでキーを上げているんですよ。Fujimonの声がアニメ声になっていて、めちゃくちゃ気持ち悪いんです(笑)。
機会があったら聴いてみたいです(笑)。ところで、「New Year’s Day」はディレイをかけてキラキラと鳴らしたギターのリフとか、スケールの大きな曲調とか、楽曲的にも新境地なのでは?
Gucciが作った曲ですね。歌のメロディーはGucciと僕とで半々ずつ作ったんですけど、Gucciが持ってきたデモを聴いた時、単純にめっちゃいい曲だと思ったし、“これは完成させたいね”ってみんなで言っていました。
Gucciさんは曲の幅を広げたいとか、こういう曲があったほうがいいんじゃないかとか考えながら作ったのでしょうか?
“AIRFLIPにこういう曲ないよね”って持ってきてくれたので、もしかしたらそういうことを考えてたかもしれないですね。
“旅に出よう!”という気持ちを歌っている「No Boarder」の冒頭に海を思わせるSEが加えられているのも印象的でした。
気づいたら入っていました(笑)。あれもGucciの曲なんです。いつものように一度書き上げた歌詞を何回も推敲しながらレコーディングしていたわけですけど、いったんスタジを抜けて、歌詞を完成させてから戻ってきたらカモメが鳴いてました(笑)。
Gucciさんはスケールの大きな曲があったらいいなと考えていたようですね。
そうですね。Gucciが作ったその2曲があるからこそ、アルバムの幅が広がったところはあると思います。
その一方では2分足らずのメロディックなハードコアナンバー「Nobody Knows」もあって。
そういう曲がないってことになって、最後のほうに急遽作ったんです。Gucciがイントロだけ持ってきて、あとは僕が作りました。
そんな幅広い全12曲が揃った『RED』ですが、どんな作品になった手応えがありますか?
マスターピースができた気がします。アルバムを作るにあたって、僕らの代表曲である「Brand New Day」を超える曲を作ろうぜってスタートして、それぞれに気合を入れて作った曲ばかりなんですよ。曲単体で「Brand New Day」を超えられたかどうかは、これから新曲たちをライヴでやりながら分かってくると思うんですけど、アルバムとしては間違いなく一番いいものができました。
シンガロングもいっぱい入っているし、曲によっては跳ねる4つ打ちのリズムも使っているし、リリースツアーはかなり盛り上がるに違いないという手応えもあるのでは?
そうですね。いい感じにしたいです。3カ月という久々のロングツアーなので、一本一本、沸かしていきたいです。
『music UP’s Q!』で2022年はもっともっと挑戦していきたいとおっしゃっていましたが、例えばどんなことに挑戦したいですか?
バンドとしては、仲の良いバンドたちと大きなライヴハウスでイベントをやりたいと思っています。一回限りじゃなくて、毎年恒例になるようなイベントをしたいんですよ。毎年ちょっとずつ大きくしていく、そのスタートの年にしたいです。コロナ禍の状況や一緒にやってくれるバンドのスケジュールもあるので、まだ構想の段階ではあるんですけど、ここから積み上げていこうかっていう話をしているところです。シーンを作るには3バンドぐらい集まったほうがいいじゃないですか。ぜひ実現させたいですね。
“バンドとしては”とおっしゃいましたが、個人的に挑戦したいことは?
AIRFLIPの活動と並行して映像のほうもやっていて。
EGG BRAINの「GiveÜ Chips!」のMVのディレクションを担当されていましたね。
はい。作曲とは違うクリエイティブの楽しがあるんですよ。それをもっと追求しつつ、バンドと絶対ブリッジできるところもあると思うので、相互に生かせるようなスキルアップをしていけたらとCGの勉強を始めたところです。そういうところでもまた新しいことができるんじゃないかと思っています。
取材:山口智男
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アルバム『RED』2021年12月22日発売
日本コロムビア
『AIRFLIP "RED Tour 2021-2022"』
12/18(土) 東京・下北沢LIVEHOLIC
12/19(日) 大阪・心斎橋BRONZE
[2022年]
1/09(日) 京都・GATTACA
1/10(月) 香川・高松DIME
1/15(土) 大分・Club SPOT
1/16(日) 福岡・Queblick
1/22(土) 神奈川・横浜F.A.D
1/23(日) 愛知・豊橋club KNOT
1/29(土) 鳥取・出雲APOLLO
1/30(日) 岡山・CRAZY MAMA 2ndROOM
2/05(土) 新潟・CLUB RIVERST
2/11(土) 北海道・札幌SPiCE
2/12(日) 北海道・苫小牧ELLCUBE
2/19(土) 静岡・UMBER
2/23(水) 兵庫・music zoo KOBE太陽と虎
2/26(土) 広島・ALMIGHTY
3/05(土) 青森・八戸LIVE HOUSE FOR ME
3/06(日) 宮城・仙台LIVE HOUSE enn 3rd
『AIRFLIP"RED Tour 2021 2022”Final Series』
3/20(日) 愛知・名古屋 Rad Hall
3/21(月) 大阪・心斎橋 LiveHouseANIMA
3/26(土) 東京・代官山 UNIT
エアーフリップ:大阪発のポップパンクバンド。2015年7月に現在のメンバーとなり、16年6月に初全国流通盤のミニアルバム『MILES FLAG』を発表。ハイトーンかつネイティブな発音の英詞が特徴的なヴォーカルを武器に、STATE CHAMPS、as it isなど数多くの海外バンドのサポートアクトも行ない、国内ではTOTALFAT、HEY-SMITH、SWANKY DANKなどのツアーにも出演。19年3月には日本コロムビア内のレーベル“TRIAD”よりミニアルバム『Friends In My Journey』をリリース。AIRFLIP オフィシャルHP
「Mayday」MV