【Wienners インタビュー】
“こんなアルバムができたんだ!?”
という驚きや新鮮さがある
ゴール地点を決めていなかったから、
4人が思っていることがリアルに出た
続きましての注目は12曲目「よろこびのうた」でしょうか。「日本中 I WANT YOU」は引き算ができていると申し上げましたが、これはあらゆるものを引いて熱だけが残ったような楽曲ですね。
玉屋2060%
まさにそうですよね。実はこの曲はレコーディング中にできまして。“最高だよね”って言ってる時に口ずさめるような短い曲が欲しいっていう話になり、その流れで家でラフのデモを作って、みんなに聴いてもらって、そのまま録音した感じなので、本当に即行でした。曲を作って1~2日で録音したから、演奏もその時の気持ちがそのまま…できたての熱々を何かかけたりせずに、そのままお皿にトンと乗っけた感じですね(笑)。
「SOLAR KIDS」のようにさまざまな要素を詰め込んだ楽曲がある一方、「よろこびのうた」のようなタイプもある。これはアルバムの良さでしょうね。
玉屋2060%
そうですね。曲自体のバラエティーさ、振り幅はもちろんそうなんですけど、そんなバラバラな曲たちがひとつのアルバムになっているのはすごくいいと思うし、それを一枚のアルバムにまとめられたというのは、今のWiennersの勢いを象徴していると自分でも思いますね。
その「よろこびのうた」を経て、13曲目「LIFE IS MY LANGUAGE」~14曲目「真理の風」でフィナーレを迎えます。ともにこれまたいろいろと詰め込んでいるナンバーですが、まず「LIFE IS MY LANGUAGE」か言うと、KOZOさんのドラミングがすさまじくて!
KOZO
「SOLAR KIDS」は“ここはこうして、ここはこうして…”という感じだったんですけど、「LIFE IS MY LANGUAGE」はイントロからどれだけ野生感が出るかを意識してやっていて、しかもそれが最後まで続いていくという。
最初に聴いた時から“これはライヴ、大変そうだろうなぁ”と(笑)。
KOZO
僕も思いましたね、これができた時に(苦笑)。
ブレイクする箇所がありますが、あれがなかったらどうなることやら(笑)。でも、《言葉を超えた我々の言語》という歌詞にも表れていますけれども、まさにそういうナンバーではありますよね。
玉屋2060%
この曲で伝えたかったことはひとつで、“言葉にさえならない感情を俺たちはどうやって伝えればいいんだ?”ということで。例えば、ある景色を見た時ですら言葉で伝えられないことがあって、“どうしたらいいんだ!?”と思うけど、俺たちには音楽があるから音で伝えることができるじゃないかと。音で“ごおぉーっ!”という感じを伝えたいというところがあったので、ド頭のタムは“ずおぉーっ!”じゃないと成り立たない(笑)。とってもいい“ずおぉーっ!”が録れたと思います。KOZOくんがレコーディングしている時の映像が残ってるんですが、両腕をまくって腰が入って、まさに“お祭り男”みたいな感じで叩いているんで、それが正解だと思っています(笑)。
「真理の風」も近いテーマではあるでしょうが、こちらはそこに音楽家やライヴアーティストならではの視点を加えている印象です。その意味で、このラスト2曲のつながりもお見事だと感じました。
玉屋2060%
ラストはこの2曲でいけたらいいなと自分でも思ってました。
「真理の風」の演奏もかなりワイルドですよね?
玉屋2060%
そうですね。しかも、ワイルドなくせに途中で変拍子になったりするんで、メンバーは大変だったと思います。
このCメロはメンバー全員で歌っています?そこはこの楽曲の肝にもなっていると思いますし、大事なところですよね。
玉屋2060%
今回は「真理の風」以外でもみんなで歌っているところは多くて。できるだけみんなの声を入れたいと思っていて…それはメンバーだけじゃなく、スタッフやその場にいた人にも歌ってもらったり。空気感やノリって絶対にアルバムに反映されると思ったんで、“みんな、歌っちゃおうよ!”みたいな。そういうのってすごい大事だと思っていたから、「真理の風」のCメロやラストのメロディーを聴いた時に“アルバムができたなぁ”と思ったのは、そういう気持ちがあったからかもしれませんね。「真理の風」を単体で聴いていた時よりも、アルバムの流れであのラストの大サビがきた時に、“うわぁぁ、すげぇエンディングだ!”みたいな。どこか他人事のような感じになりましたね。
これは私の感想ですが、冒頭で今回のアルバムには明確なコンセプトがなかったとおっしゃっていましたけれど、それも頷けるところではあって。確かに途中まではノーコンセプトっぽく思えるんですが、聴き進めていくと中盤くらいから決してノーコンセプトでもないと思い始め、「よろこびのうた」~「LIFE IS MY LANGUAGE」~「真理の風」でテーマらしきものが見えてきて、“あっ、なるほど”となる構造の面白さはあると思います。
玉屋2060%
それは図らずも…なのかもしれないですね。明確なゴール地点を決めていなかったからこそ、4人が思っていることがリアルに出たというか。
∴560∵
そうだと思いますね。いろんな曲調があるのも、今までのWiennersもずっとそうだったことで、それを続けてきたからこそ“こんなサウンドもやりたい”…それこそヒップホップをやりたいってなったんだと思うし。面白いサウンドもありつつ、Wiennersとしてずっと思ってきた伝えたいパッションもあるし、それが今のWiennersというかたちで最大限まとまった。だからこそ、聴いて“こんなアルバムができたんだ!?”という驚きや新鮮さがあるんだと思います。
優れた作品ができる時って得てして予期してないものなのかもしれませんね。より具体的に言うと、「SOLAR KIDS」で能天気な夏を描き、「MONSTER」や「Magic Bullet Music」では子供でも感じる本能的な気持ちを歌にしつつ、後半の「よろこびのうた」~「LIFE IS MY LANGUAGE」~「真理の風」では“本能って案外、大事だよね?”というところに帰結するという物語性があると思うんです。
玉屋2060%
確かにこの曲順って人が成長していく過程を見ているようですね。段々と考えることができてきて、疑問を持ち始める…という。
そして、ラストではみんなで歌い、真理に近づいていくという。楽しく聴きながら、最後に何か考えさせる…『TREASURE』はそういう作品に仕上がっていると思います。さらに取材用にいただいた音源がもう一曲あったんですが、これはシークレットトラックとかですか?
玉屋2060%
CDを買ったら聴けるので、CDを買ってください!(笑)
取材:帆苅智之
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アルバム『TREASURE』2022年7月20日発売
日本コロムビア
- 【数量限定盤(TREASURE BOX 仕様)】
- COCP-41824
- ¥4,400(税込)
- 【通常盤】(CD)
- COCP-41825
- ¥2,750(税込)
『TREASURE TOUR 2022』
7/26(火) 千葉・LOOK
w)SPARK!!SOUND!!SHOW!!
7/29(金) 静岡・UMBER
w)KOTORI
7/30(土) 東京・八王子Match Vox
w)KOTORI
8/04(木) 兵庫・太陽と虎
w)Hump Back
8/05(金) 京都・KYOTO MUSE
w)Hump Back
8/09(火) 茨城・水戸LIGHT HOUSE
w)ハルカミライ
8/10(水) 栃木・宇都宮HELLO DOLLY
w)ハルカミライ
8/19(金) 宮城・仙台MACANA
w)the dadadadys
8/21(日) 北海道・札幌SPICE
w)TOTALFAT
8/25(木) 新潟・GOLDEN PIGS RED
w)Dizzy Sunfist
8/26(金) 石川・金沢vanvanV4
w)Dizzy Sunfist
8/28(日) 香川・高松DIME
w)眉村ちあき
8/31(水) 神奈川・F .A.D YOKOHAMA
w)ハンブレッダーズ
9/03(土) 大阪・BIGCAT
w)キュウソネコカミ
9/04(日) 広島・SECOND CRUTCH
w)超能力戦士ドリアン
9/06(火) 山口・周南LIVE rise
w)超能力戦士ドリアン
9/08(木) 福岡・LIVEHOUSE CB
w)TENDOUJI
9/09(金) 熊本・Django
w)TENDOUJI
9/15(木) 愛知・名古屋ボトムライン
w)ヤバイTシャツ屋さん
9/30(金) 東京・Spotify O-EAST
w)でんぱ組.inc
ウィーナーズ:2008年に吉祥寺弁天通りにて結成。予測不可能な展開、奇想天外かつキャッチーなメロディーに人懐っこい男女ツインヴォーカル絡み合う、類を見ない独自の音楽で、子供から大人まで聴くもの全ての喜・怒・哀・楽を電撃的にロックする銀河系パンクバンド。予測不可能な展開、奇想天外かつキャッチーなメロディーに人懐っこい男女ツイヴォーカル絡み合う、類を見ない独自の音楽で、子供から大人まで聴くもの全ての喜・怒・哀・楽を電撃的にロックする。Wienners オフィシャルHP
「SHINOBI TOP SECRET」MV
「FACTION」MV
「ブライトライト」
Official Audio(歌詞有り)
『TREASURE』ダイジェスト サンプラー