さくら学院 公開授業9.6レポ「さくら
学院 生殖」で検索?

 9月6日、さくら学院の2014年度、2度目の公開授業が横浜のはまぎんホール・ヴィアマーレで行われた。今回の講師は“歌う生物学者” としても知られる本川達雄先生。果たして、さくら学院の生徒たちのおじいちゃんと言っていい年齢の本川先生が、“孫娘たち”と、どんなカラミを見せるのか?
 9月6日、さくら学院の2014年度、2度目の公開授業が横浜のはまぎんホール・ヴィアマーレで行われた。今回の講師は東京工業大学名誉教授の本川達雄先生。 ナマコやウニ、ヒトデといった棘皮動物の研究をするかたわら、“歌う生物学者” としても知られ、高等学校で習う生物学の内容を70曲の歌にした『歌う生物学 必修編』などを発行している。1948年生まれの66歳という、さくら学院の生徒たちのおじいちゃんと言っていい年齢の本川先生が、“孫娘たち”と、どんなカラミを見せるのか? 授業の内容をリポートする。

 まずは14時から行われた1限目の授業。生徒は水野由結、田口華、大賀咲希、倉島颯良、岡田愛の5人。担任の森ハヤシ先生は、「心配なメンバーが揃った。シールバカにプロレスバカ、転入生2人と大賀」と客席を笑わせる。

「大賀と岡田は一緒にしちゃいけないと言ったんだけど……その辺の化学反応も楽しんで頂ければ」ということで、まずはメンバーの自己紹介。水野は「動物の授業ということでヒツジさんヘアーにしてみました」とキュートなヘアスタイルを披露。田口は「今日はバクダン娘と一緒なので何が起こるかわからず緊張してます」と笑わせる。そのバクダン娘こと大賀は、「希望の花をホールいっぱいに咲かせちゃっていいかな?」と、なぜか客席に「いいとも!」を求める。倉島は「前回の授業は言葉数が少なかったので、今日はたくさん発言したい」と前向き。岡田は「今日はゼッタイにリボン取りません!」と笑わせた。

 森先生は、水野の髪型を見て、「ヒツジだけに眠らないように」とツッコむ。田口には「今日は誰に気合い入れるんだ?」とふり、田口が「この前足りなかったみたいなのでまた倉島に……」と前回よりも強く倉島の背中に気合いの一撃。たまらず悲鳴を上げた倉島に、森先生は一言「辞めないでね……?」。これには会場も爆笑だった。

 大賀には「自己紹介が定着しないなあ。みんなは、咲かせちゃうぞ!? を待ってるんじゃないの?」とツッコミ。倉島が「もっと発言して授業に参加したいです」と言うと「参加してなかったのかよ!」とツッコみ、岡田に対しては「野津にイジメられてるんじゃないの?」と振ると、岡田は「イジメられてないです! 友那乃ちゃんは優しくてすごい美人さんです」と必死に持ち上げていた(笑)。

 森先生とのトークによって、生徒たちの緊張もほぐれ、客席にはそれぞれのキャラがより明確に伝わったのではないだろうか。

 ここで本日の講師である本川先生が紹介される。森先生があだ名を付けて呼んでみようか? と提案すると岡田が即座に手を上げ、歴史の登場人物っぽいからという理由であだ名は「たつざえもん」に決定。観客も巻き込んで「たつざえもーん!」と講師を招き入れた。自己紹介しながら、なぜか黄色い風船を膨らませ始める本川先生。風船は、みるみるキリンの形に。先生はキリンの首の部分を差し、「これは何ていう形?」と質問すると、田口が自信なさげに「円柱?」と見事正解する。先生は「動物の身体の部分は首や胴体、腕や指など、大部分が円柱の形です」と説明。ウナギやミミズなど、円柱形そのものの生物もおり、四角形の動物なんてハコフグくらいとボケると、「ハコフグってなんですか?」と小学生らしい疑問の岡田に場内は笑いに包まれる。

 本川先生は続けて「動物の身体には円柱形ではなく平たい部分もある。例えば耳。耳はなぜ平たいのかというと、面積を広くして音を拾いやすくするのだ」と説明。その他、地面に沈まないよう平たくなっている足の裏、物を掴みやすいように平たくなっている手のひらなどを挙げ、平たくなっているのには意味があることをわかりやすく教えてくれた。他にもアフリカゾウの耳は熱を放出するため、植物の葉は光を取り込みやすいように、また魚のひれも水をかきやすいようにそれぞれ平たくなっていると語り、わかりやすい例えに生徒たちも引き込まれていた。

 ここで本川先生は、生物の身体の形には意味があることをわかりやすくまとめた歌を披露。「ひらたいてのひら」というタイトルの何ともマッタリとしたメロディに乗せて、平たい身体の部分は何かの役に立っていることを歌う。何と3番まであるこの歌、意外に美声の本川先生に大歓声がわき起こるが、田口は何かツボに入ったようで大笑いしていた。

 これに対して、なぜ円柱形の部分は強い構造をしてるのかを、次の歌「生きものは円柱形」で歌う。何と4番まであるこの歌、「円柱形!」と生徒たちに合いの手を入れさせながらノリノリで歌う本川先生。生徒たちの合いの手は笑っちゃったり照れたりでグダグダになってしまう。

 ここで、歌詞の中に出てきたミミズは、どうやって前に進むのかわかる人?と本川先生からお題。大賀が張り切って手を挙げ、何を思ったのかステージの床の上に腹ばいになってクネクネ動いて説明。何とも悩ましいユーモラスな動きに場内は大爆笑だ。せっかくの身体を張った熱演だったが、結果は不正解。更に大賀は、ミミズにある白い輪っかが動きに関係してるのかと質問。本川先生は「あれは環帯といって生殖に関係する部分です」と回答。場内はまたも大爆笑に包まれる。森先生は「また生殖かよ、お前は!」とア然とし、本川先生は「やっぱり気になるんですね」とニヤニヤ。森先生が「さくら学院 生殖で検索」と続けると観客は爆笑の渦。「違います、ホントに知らないんです」と頬を染めて必死に弁解する大賀が印象的だった。

 1時限目はミミズの話で終了。「今日は優しい先生でよかった」とホッとする森先生。田口は「笑い疲れた」と懲りない様子。岡田は「葉っぱが飾りじゃないのがわかってよかった」と小学生らしい感想。比較的マジメに話を聞いていた倉島に「お前がいてよかったよ、辞めないでね」と森先生。最後まで笑いの絶えない1限目の授業が終わった。

 何が飛び出すかわからない波乱の1限目が終了。さあ、2限目はどうなる? 続いて17時半からの2限目。生徒は菊地最愛、野津友那乃、磯野莉音、白井沙樹、山出愛子の5人。菊地はいきなり「最愛やせたと思う人?」と客席にアンケート。意外に多くの手が挙がり喜ぶ菊地。「太ったと思う人?」には勇気のある数名が手を挙げる。菊地は「最愛は体重は変わってないんですよ、顔がむくみやすいらしいんです」と、最近最愛ちゃん太った? というファンの声への弁解モードで笑わせた。

 野津は「最近『進撃の巨人』にハマっている」とアピール。磯野は「さくら学院で『アニマリズム』っていう動物をテーマにした歌を歌ってるので、動物の知識をたくさん得たい」と、真面目なコメントをしたかと思えば、菊地の方を向いて「むくんでるは言い訳だよ」と言い放って会場は爆笑の渦に。

 白井は「今日はマジメに楽しく頑張ります」と優等生的に発言。山出は「えっと~今日は動物の授業なので、えっと~」と詰まってしまい、森先生に強制終了されていた。ここで菊地と野津がどうしてもやりたいと、進撃の巨人のネタを披露。しかし場内は薄ら笑いに包まれ、下級生には「これが中3なんだな」と言われる始末。「後悔しかない、公開授業だけに」と森先生のオヤジギャグも飛び出した。

 2限目のテーマは「動物の時間」について。ネズミのような短命な小動物と、ゾウのような長生きの動物の時間の流れ方は違ってるのでは? という話だ。動物は目で光を感じ、耳で音を感じるように、心、すなわち心臓で時間を感じるのだという。そして時間の感じ方は鼓動の速さで変わってくるのだという。0.1秒に一度心臓が一拍するネズミと、3秒に一度脈を打つゾウでは時間の流れる速さは違うのだ。身体の大きい(体重の重い)動物は脈拍も呼吸も遅く、妊娠期間が長く寿命も長いが、身体の小さい(体重の軽い)動物は脈拍も呼吸も速く、妊娠期間も短く寿命も短いということ。

 そして、他の動物と付き合うときは、時間の流れの違いまで理解して接するべきだという。ネコと20分遊ぶと、ネコには1時間くらいの長さに感じられているのだそうだ。

 非常に興味深い授業なのだが、さくら学院の生徒たちはわかったようなわからないような微妙な反応で、口数も少なくなり気味に。ここで1限目同様本川先生の歌の時間。「一生のうた」は上記のテーマをわかりやすく、まったりとしたリズムに乗せた曲。生徒たちは、これまたまったりとした手拍子で盛り上げて(?)いた。

 次のテーマは、生きものはなぜ食べるのか。白井は「お腹が空くから」と答え笑わせる。正解は身体を構成している細胞が、活動するために必要なエネルギーを得るためなのだが、この辺りから話が難しくなってきて、生徒たちは置き去り気味に。白井以外はほとんど反応のない状態になってしまう。しかし本川先生も諦めてしまったのか、どんどん話を進めていってしまうのであった。話がATP(アデノシン三リン酸)に及ぶに至っては生徒全員フリーズ状態。

 ここでまたも本川先生の歌「ATPのうた」が登場。繰り返しATP! と登場する歌で、全員強制的にATPというワードが脳内にインプットされてしまった。森先生は「大至急ミキコ先生に振り付けを……」と爆笑を誘った。

 ここで授業は終了。野津は「ATPを知れてよかった」と感想を口にするも、菊地は「画面に出てくる本川先生のタブレットの電池の減りが気になって……」と語り、「おまえドコ見てんだ」と森先生にツッコまれる。磯野は「アリストテレスは科学部の歌に出てくるのでよかった」と比較的まともな感想。白井は「ATPが覚えられてあの歌凄い」と歌に気を取られ、「白井には優等生でいてほしかった」とこぼす森先生。するとすかさず磯野が「偽かも知れない!」と、野津のあだ名ニセ優等生を持ち出し笑わせた。前向きに話を聞いていたように見えた山出は「歌詞にビックリマーク(!)があるの覚えました」との感想で森先生を嘆かせていた(笑)。

 最後に森先生は、「今日の授業はずいぶんATPを消費してしまった。本川先生に生徒の失礼を謝らなきゃ」と笑わせていた。







竹崎清彦アイドル、ファッション、スポーツ、ゲーム攻略本など幅広く執筆。趣味はライヴ観戦。好きなアーティストを追いかけ世界中どこへでも行きます! 80年代モノに詳しい。

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