さくら学院 「大賀咲希の扱いは難し
い!?」 公開授業9.7レポ

 前日に引き続き、さくら学院の公開授業が横浜のはまぎんホール ヴィアマーレで行われた。今回の講師はコピーライターの佐々木圭一先生。日本人として初めて、米国の広告賞「One Show Design」でゴールドを獲得するなど、国内外で数々の賞の受賞経験を持っていて、著書『伝え方が9割』はベストセラーとなっている。

 伝えたいことを、どんな言葉にすれば効果的なのかを考えるプロフェッショナル。ライブや公開授業でのトークやブログなど、普段何かを伝えることの多いさくら学院の生徒たちにとっては直接役に立つ身近な題材。実りの多い授業となるのか、それともまたまた波乱の展開になるのか!? 当日の授業、来場者には1枚のクリアファイルが配られた。「強いコトバ」をつくる5つの技術とあり、相手に効果的に思いを伝える5つの方法が簡潔に書かれている。社会人の父兄(さくら学院のファン)にとっては、会社で企画書を書くときなどに使えそうな内容の授業になりそうな予感が伝わってくる。担任の森ハヤシ先生も本業が脚本家ということで、「今日は授業に没頭したい」と意気込む。

 1限目の生徒は水野由結、田口華、磯野莉音、倉島颯良、山出愛子、岡田愛の6人。(転入生の倉島・岡田は両方の授業に出席)。水野は「人前で発言するのは苦手なので、克服できるよう頑張ります」とやる気を見せる。田口は「今回は毎授業1限目なので緊張するけど頑張ります」と言うと、磯野は「楽屋で華ちゃんがモノマネしてくれて元気をもらった」と、暗にモノマネを要求するトーク。倉島は「両方の授業に出るので張りきりたい」と元気に発言。山出はいつものように「えっと~えっと~」と詰まりながらも「気になることがあったらすぐ質問したり答えられるように頑張ります」とまとめた。岡田は「今日もメグ、知ってますよ~」と笑わせる。ここで森先生は田口にモノマネを要求。田口は大賀咲希の歌まねで『顔笑れ』の1フレーズを披露。会場は微妙な笑いに包まれた。

 ここで本日の講師・佐々木先生が招き入れられる。企業での講師の経験は多い佐々木先生だが、小中学生相手は初めてということで、果たしてどんな授業になるのか……?

 佐々木先生は「授業の途中で会場の皆さんに課題を出すので、Twitterを使って答えて欲しい」と提案。これには生徒たちも「楽しそう!」と笑顔だ。森先生は「会場のザワザワ感が半端ないですね。くれぐれも生殖関係のつぶやきはやめて」と笑わせる。佐々木先生は、伝え方はセンスではなくて技術。誰でも学ぶことができるもの、と授業をスタート。会場に隣の人とペアになって自己紹介してくださいとお願いする。会場の席順は抽選で決まるため、隣の席の人はほぼ見知らぬ人。会場内は浮き足だった雰囲気になるが、意外に自己紹介は盛り上がったようだ。

 理系で言葉とはもともと無縁だったという佐々木先生、ドラマや映画、小説に出てくるグッとくる台詞には、ある法則があることを発見したと、スクリーンを使いながら説明。その中にブルース・リーの映画『燃えよドラゴン』の引用があるのだが、そんな昔の映画は知らない岡田は「これって名古屋の野球チームの?」と質問し笑わせた。佐々木先生も「正解!」とノリノリで対応。元AKB48前田敦子の名言「私のことは嫌いでも、AKBのことは嫌いにならないでください」などを例に、伝えたいことの前に正反対の言葉を入れると効果的(ギャップ法)と、わかりやすく教えてくれた。

 しーんとしている生徒に心配になったのか、「難しい?」と佐々木先生。すると岡田は「すごく詳しくって使えそう」と上から目線の返答で笑わせた。さらには、伝えたい言葉に適したサプライズワードを入れるサプライズ法(例;そうだ 京都、行こうetc)を詳しく解説。

 そしてここでさくら学院の新曲タイトルがサプライズ的に発表される。『ハートの地球(ほし)』。スクリーンに歌詞が映し出され、メンバーが順に朗読する。そして、この新曲発売のキャッチコピーをサプライズ法で考えてみようと、佐々木先生から会場に課題が出された。そして解答を隣の人と見せ合い評価し合い、再び会場はザワザワ。その後、生徒たちがペアになって壇上で発表。サプライズ法がわかったような、わかってないような発表の連続に会場は笑いと拍手で盛り上がった。田口は「おめーら1000枚買えよ1000枚!」と某プロレスラーのネタで作って爆笑を呼んだ。Twitterには早くも数多くの投稿が寄せられ、様々な面白いアイコンに笑いが溢れた。

 さらには、ギャップ法で同様に新曲のキャッチコピーを制作。生徒たちは壇上で発表する。なかなかの力作続きで佐々木先生も感心する中、磯野は「この曲を聞いたら他のアイドルの曲は聞けない」、田口は「他のアイドルからは伝わらない、さくら学院だけが伝えることを許されたメッセージ」と、ドキッとさせる作品で拍手と爆笑を呼んだ。

 ラストは質問タイム。学校で佐々木先生の本を教材に使っているという磯野は赤裸裸法(伝えたい言葉に対する身体の反応を想像して作る)について質問。倉島は日常会話で「主語が抜けすぎて訳がわからないんですけど、どうすればいい?」とトンデモ質問。『あまちゃん』フリークの水野は、「じぇじぇじぇはリピート法?」と聞いて笑わせた。

 感想として田口は「日誌などで使っていきたい」と言い、佐々木先生は「ぜひ3回は使って身につけてください」。すると岡田は「知ってるを3回使いたい」と笑わせた。

 森先生は振り返って「コミュ障にはツラい授業でしたね(笑)。今日は傍観者として見てたけど、磯野のキレが凄かった。ウラで回してる感が出てる。バカに見えて司令塔、ギャップ法ですね」とキレのある締めくくりを見せてくれた。

 さて2限目にはさらに強力な生徒が控えている。どんな授業になるのか!? 2限目の生徒は菊地最愛、野津友那乃、大賀咲希、白井沙樹、倉島颯良、岡田愛の6名。冒頭で担任の森ハヤシ先生は、1限目終わりの最後の一言がバッチリ決まったことを自画自賛、ドヤ顔で生徒を紹介する。

 菊地は「おデブじゃないよ、むくみだよ!」と、野津風の自己紹介で昨日に続きデブネタを披露。野津は「今日の授業はトーク委員長の腕の見せ所、いつも以上に頑張りたい」とコメント。大賀は昨日同様いいともネタ。「咲希の想いを200%伝えたい」と沸かせた。白井は「しっかり学んでライブや公開授業のトーク、日誌に生かしたい」と、倉島は「1限目に続いて伝え方をたくさん学びたい」とともに優等生なコメント。岡田は「実は幕末が苦手です、最後まで父兄さんが盛り上がってくれないと島流ししちゃうぞ♪」と歴史バカ風なコメントで笑いを誘う。岡田はさらに担任の名前について「森ハヤシって名前はギャップ法ですか?」と、1限目に覚えた知識をさっそく得意顔で披露した。

 ここで入場した講師の佐々木圭一先生は、「2限目はバクダン娘がいるんですよね?」と心配顔。そんな中で始まった授業、佐々木先生は「伝え方は料理のレシピと同じで技術。レシピに沿ってやれば、誰でも伝え方が上手になります」と説明。1限目と同様生徒・来場者にペアを組ませ自己紹介させる。その後話が「燃えよドラゴン」に及ぶと、1限目に出席した岡田は菊地と示し合わせたように「燃えよドラゴンズ♪」と中日ドラゴンズの応援歌を歌い始め、佐々木先生は「正解です!」と笑わせた。白井はスクリーン上の様々な台詞が、反対の言葉を並べて構成してることを見抜いて拍手喝采を浴びる。

 2限目の最初のお題はリピート法。伝えたいことを繰り返すことで、相手の記憶に刷り込み、感情に乗せる手法だ。童謡の歌詞には繰り返しが多いという話をしていると、大賀が突然吹き出し、森先生に「授業中にエロいこと考えるな」と叱られてしまう(笑)。野津は「大賀のせいでエロトーク委員長って呼ばれる」と爆笑させた。

 そしてリピートが出てくる曲の例として、さくら学院の『ベリシュビッッ』を6人で歌い出すが、ちっともリピートが出てこず爆笑されてしまう。そして1限目同様新曲の『ハートの地球(ほし)』を朗読し、新曲発売のキャッチコピーをリピート法で考える課題に挑む。野津と倉島の発表では「新曲発買」「YEAH YEAH YEAY」と誤字連発。岡田の発表は「新曲×3うれしいな、めぐは知ってる×3よ~ん」と持ちネタを入れ込むが、佐々木先生は本人感があってよいと褒める。

 菊地は「揚げパン、揚げパン、冷凍みかん」と持ちギャグを歌って踊って場をやわらげた。白井と大賀は「ピンクheartピンクheart」とピンク連発。ピンクは少女の純粋な気持ちなのか、それともエロなのか。森先生もイジリ方に迷ってしまう。

 続いてはギャップ法。例としてあがった「嫌いになりたいのに、アナタが好き」という台詞を実演することになり、岡田が大賀を指名。大賀は背を向けるところから振り返るアクションつきで芝居っ気たっぷりに演じて喝采を浴びた。

 ギャップ法の課題では、菊地が「過去の私は作れない、今のみんなで作るんだ」と名作を発表。佐々木先生に年齢を聞かれ、「14歳」となぜかサバを読んでしまう(笑)。森先生は、次に野津と倉島を呼ぶところで、倉島の名前がなかなか出て来ず、倉島に恨まれるハメになってしまう。

 白井の「イメージは実現しないのではない、実現すると信じるの」には「いいこと言ってる風ですね」と佐々木先生。大賀は「ダメヨ~ダメダメ」と日本エレキテル連合のネタをぶっ込んでくるが、どうしても大賀が絡むとおかしな雰囲気になってしまう。森先生は「最後の方はキャッチコピーの意味がわかってない」と嘆いた。

 最後は質問タイム。岡田は「先生は結婚してますか?」といきなりの質問。「してます」という佐々木先生に岡田は「先生が書くメールで奥さん引っかかった?」と爆笑のリアクションで盛り上げた。倉島は「倉島もリピートすれば記憶に残る?」と森先生をチクリ。「倉島倉島倉島……」とリピートすると森先生は頭を抱え込んでしまった。森先生は、野津のキャッチフレーズを父兄があまり覚えてくれない件には、「ゴリラじゃないよ、友那乃だよ」とギャップ法にしなよとアドバイス。

 佐々木先生は「これだけ若くてこれだけできるのは驚き。」と生徒たちを賞賛。その気になった白井が「さくら学院の担任の位置を狙えるかも?」とおどけると、倉島は「やっぱり生徒の名前を忘れるような先生はね……」と後押ししていた。

 最後に森先生は「大賀の扱い方がわからない……どうかアドバイスをTwitterまで」と、最後まで笑いの絶えない公開授業は大幅に時間を延長して終了した。

 なお告知では、9月27日ディファ有明公演では新ユニットができるかも!? と発表。楽しみに待ちたい。







竹崎清彦アイドル、ファッション、スポーツ、ゲーム攻略本など幅広く執筆。趣味はライヴ観戦。好きなアーティストを追いかけ世界中どこへでも行きます! 80年代モノに詳しい。

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