アイドル10年やってきたBerryz工房が
見せた圧倒のステージ

 ステージ上でオルゴールのように回転するセットで、1人ずつポーズをとりながらメンバーが登場すると、会場の温度が一気に上がる。モノトーンのシックな衣装に身を包み、最新シングル『愛はいつも君の中に』でライブがスタート。大歓声の中、夏焼雅や菅谷梨沙子がモニターに映ると、「かわいい!」という女子の声も聞こえていた(確かに、ツインテール雅ちゃんはかわいすぎました)。

『超HAPPY SONG』からは℃-uteが登場! この12人が一緒にステージに立ち、肩を組んでお互いを見合ったり、ハグをしたり、ただ楽しそうにしているのを見られるだけで、しあわせすぎて涙が出そう! MCでは、菅谷が喉を痛めた鈴木愛理に優しく声をかけ、一緒に泣いたという話や矢島舞美が清水佐紀にプレゼントしたお守りの話など、長年一緒にいる2組ならではの微笑ましく感動的なエピソードが披露された。

 ここからは『ハレーションサマー』『TODAY IS MY BIRTHDAY』『付き合ってるのに片思い』と、懐かしい曲が続く。『ハレーションサマー』では、恋の駆け引きが見えるようなユニークな振り付けでパフォーマンス。イケメン風の徳永千奈美・須藤茉麻・熊井友理奈が、2009年秋ツアー『目立ちたいっ!!』でのパフォーマンスを思い出させるサングラス姿で登場し、ファンも大興奮。

 そしてこの日も、前日に続いてBuono!が登場! しかも曲は『ロックの神様』。“ブドーカン”というフレーズが歌われているこの曲を、日本武道館で聴きたい! と願っていたファンも多かっただろう。Berryz工房が活動停止したあとにどうなるのかは分からないが、3人の活動をまた見たいと思わされる圧巻のパフォーマンスだった。 武道館公演のお祝いにかけつけたモーニング娘。’14が『Password is 0』とBerryz工房の『MADAYADE』を披露したあとは、嗣永桃子と道重さゆみの掛け合いが楽しめるMCへ。道重がBerryz工房の印象を語ると、安定の“ももちいじり”に。2人が同じステージでテンポよいトークを聞かせてくれるのも残り少ないのだなと寂しさも感じつつ、短い時間でもしっかり笑いにつなげていた。

『胸さわぎスカーレット』『世の中薔薇色』に続いて、今のBerryz工房を表していると言えるであろう『普通、アイドル10年やってらんないでしょ!?』。改めて歌詞をしっかり聴きながら見ると、ここまでこの7人が“アイドル”を続け、努力の結晶である最高のステージを見せてくれることに感謝したくなる。

 ハロプロキッズの頃から現在までの思い出がつまった写真をまとめたVTRをはさみ、Berryz工房の猛攻が開始! 『スッペシャルジェネレ~ション』『ジンギスカン』『本気ボンバー!!』『cha cha SING』と立て続けのハイテンションな曲で、会場の盛り上がりは最高潮に。こういう曲でこそ、Berryz工房のライブパフォーマンス力の高さが感じられる。

 ただステージに立っているだけでカッコいい。彼女たちのパフォーマンスを見ていると、それについていきたい、一緒に盛り上がりたいと応援にもついつい熱が入ってしまうのだ。会場みんなで歌った『ライバル』、℃-uteが登場し大盛り上がりの鉄板曲『一丁目ロック!』で本編は終了。

 ファンからの「ベリーズ行くべ!」のコールに応え、メンバーがステージに再登場。アンコール1曲目は『Be 元気<成せば成るっ!>』。歌詞に合わせた振りの中で、ステージに菅谷がかわいらしく寝そべるなど、おふざけもしっかりカッコよく見せる彼女たち力量が感じられた。

 最後のMCで、キャプテンの清水が再び武道館に立てたこと、メンバーそしてファンへの感謝を話す。それを聞きながら、夏焼がうしろのモニターを見るようにしながら涙を拭く姿に、ステージに立つ“アイドル”の強さを感じた。最後は『友情 純情 oh 青春』で大盛り上がりの中、Berryz工房の武道館公演は幕を閉じた。

 どうしても彼女たちを見ていると、来年春の活動停止のことがときどき頭をよぎってしまう。あまりに楽しすぎて、切なくなってしまう。でも見ている側の寂しさを吹っ飛ばすくらい、思いっきり楽しんでいる7人の姿に、こちらも今を一緒に楽しまなければ! と思った。ステージ上ではクールなパフォーマンスだけでなく、夏焼と菅谷が手を繋いでぐるぐる回ったり、徳永と須藤が追いかけっこしたりと、おちゃめな一面も見ることができた。これからBerryz工房は秋ツアーやシングルリリースなど、まだまだ楽しみなことがたくさん待っている。来年の春まで、全力で駆け抜ける彼女たちの姿を一瞬一瞬、この目に焼き付けたい。

 そして、これまで多くの時間をともにしてきたベリキューが揃ってステージ立つことは、この先きっと多くはないはず。過去には合同コンサートなどが行われていたが、最近では同じステージに立つのはハロコンくらいだ。そう思うと、ここで2組の武道館公演が行われたことは貴重な機会だったのだなと思う。お互いがお互いを大切に想う仲間であり、よきライバルでもある彼女たちの共演をぜひ観てみたい。



東海林その子 メジャーどころを中心に、女子アイドルを追いかけています。女の子が変化する一瞬一瞬を見逃したくないです。

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