すべての「うまくいかねえ」人はSKE
48・犬塚あさなを見よ!
そういった観点から考えると、「選抜常連」「次は必ずセンター狙います!」「ダンス超得意です!」といったタイプのメンバーは、自分を重ねるには少々現実味がない……という人もいるのではないだろうか。
そんな人に注目してほしいのが、先月おこなわれた美浜海遊祭でチームSに昇格した犬塚あさなだ。
犬塚は2010年9月30日、SKE48第4期生オーディションに合格。当初から歌とダンスが苦手で、キャラクターも「手汗の量がハンパない」という、かなり微妙なもの。劇場公演でのトークも空回りすることが多く、また、絶妙に空気が読めないがゆえに炎上することも多かった。
同年12月には4期生が中心となったチームEが発足するも、昇格ならず。当面の間、研究生としての活動を続けることになる。しかし、スキル的にも他の同期に比べて劣っていたため、この段階での昇格見逃しは"妥当"という見解が多かった。また、同じ4期生の水埜帆乃香なども昇格できなかったため、ファンの間にもそこまでの悲壮感はなかった。
そんな犬塚に暗雲が立ち込める。2012年に起きた、いわゆる"メール誤爆事件"だ。一応の疑いは晴れたものの、これによりしばしの謹慎。約1か月後には復帰するも、昇格はまた少し遠くなってしまう。
その後、犬塚は度重なる昇格のチャンスを逃し続ける。同期の水埜、後輩の5期生、さらには6期生にも先を越され、追い抜かれていく。今度こそはと臨んだ2014年2月24日の『AKB48グループ大組閣祭り』でも昇格はなし。
このときばかりは本人も「すごく悔しかった。隣の(大脇)ありさちゃんが呼ばれて嬉しかったけど悔しくて、すごく複雑な気持ちだったけど、正規のメンバーと向かい合う形で座らなければいけないから、私が泣いてたら昇格した5人の子に申し訳ない気持ちにさせてしまうんじゃないかって思って涙はこらえていました」と胸の内を吐露した。
「もう、昇格は絶望的かもしれない……」そんな雰囲気がファンの間にも漂う。
しかし、この「うまくいかない」期間、犬塚は腐ることなく活動を続け、確実な変化を遂げていた。劇場公演ではトークを積極的に回し、「1コメダ」には汗だくになりながらリーダーシップをとる姿が映る。地道な自主練を続けたダンスももう、大きく見劣りすることもない。
加入当初の「他のメンバーに比べると何も出来なくて、足を引っ張ることが多いです」と語っていた犬塚の姿はそこにはなかった。
そして迎えた8月4日、美浜海遊祭。万感の思いを胸に、犬塚は6期生の野口由芽とともに、チームSへの昇格が発表される。4年の研究生期間を経ての昇格。このとき、きらびやかにライトアップされた野外ステージの中心で、彼女は何を思ったのだろう。
飛びぬけた才能があるわけでもない。頑張っていてもなかなか評価されない。たまに盛大に事故る。そんな「俺って、何をやってもうまくいかねえな」という人には、ぜひ犬塚あさなを見てほしい。不器用でも、遅くても、前に進み続ける彼女がこの先、なにか大きな成功を掴んだときには、震えるほど感動できるはずだ。
佐藤 朋樹:都内在住のフリーライター/編集。アイドルのみならず、節操なくなんでも執筆
そんな人に注目してほしいのが、先月おこなわれた美浜海遊祭でチームSに昇格した犬塚あさなだ。
犬塚は2010年9月30日、SKE48第4期生オーディションに合格。当初から歌とダンスが苦手で、キャラクターも「手汗の量がハンパない」という、かなり微妙なもの。劇場公演でのトークも空回りすることが多く、また、絶妙に空気が読めないがゆえに炎上することも多かった。
同年12月には4期生が中心となったチームEが発足するも、昇格ならず。当面の間、研究生としての活動を続けることになる。しかし、スキル的にも他の同期に比べて劣っていたため、この段階での昇格見逃しは"妥当"という見解が多かった。また、同じ4期生の水埜帆乃香なども昇格できなかったため、ファンの間にもそこまでの悲壮感はなかった。
そんな犬塚に暗雲が立ち込める。2012年に起きた、いわゆる"メール誤爆事件"だ。一応の疑いは晴れたものの、これによりしばしの謹慎。約1か月後には復帰するも、昇格はまた少し遠くなってしまう。
その後、犬塚は度重なる昇格のチャンスを逃し続ける。同期の水埜、後輩の5期生、さらには6期生にも先を越され、追い抜かれていく。今度こそはと臨んだ2014年2月24日の『AKB48グループ大組閣祭り』でも昇格はなし。
このときばかりは本人も「すごく悔しかった。隣の(大脇)ありさちゃんが呼ばれて嬉しかったけど悔しくて、すごく複雑な気持ちだったけど、正規のメンバーと向かい合う形で座らなければいけないから、私が泣いてたら昇格した5人の子に申し訳ない気持ちにさせてしまうんじゃないかって思って涙はこらえていました」と胸の内を吐露した。
「もう、昇格は絶望的かもしれない……」そんな雰囲気がファンの間にも漂う。
しかし、この「うまくいかない」期間、犬塚は腐ることなく活動を続け、確実な変化を遂げていた。劇場公演ではトークを積極的に回し、「1コメダ」には汗だくになりながらリーダーシップをとる姿が映る。地道な自主練を続けたダンスももう、大きく見劣りすることもない。
加入当初の「他のメンバーに比べると何も出来なくて、足を引っ張ることが多いです」と語っていた犬塚の姿はそこにはなかった。
そして迎えた8月4日、美浜海遊祭。万感の思いを胸に、犬塚は6期生の野口由芽とともに、チームSへの昇格が発表される。4年の研究生期間を経ての昇格。このとき、きらびやかにライトアップされた野外ステージの中心で、彼女は何を思ったのだろう。
飛びぬけた才能があるわけでもない。頑張っていてもなかなか評価されない。たまに盛大に事故る。そんな「俺って、何をやってもうまくいかねえな」という人には、ぜひ犬塚あさなを見てほしい。不器用でも、遅くても、前に進み続ける彼女がこの先、なにか大きな成功を掴んだときには、震えるほど感動できるはずだ。
佐藤 朋樹:都内在住のフリーライター/編集。アイドルのみならず、節操なくなんでも執筆
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