【reGretGirl インタビュー】
EPはバンドを深く掘ってもらえる
コンセプチュアルなものにしたい
“プライドが高すぎる奴はカッコ悪い”
っていうプライドを持っている
「月の色」の次はどの曲ですか?
平部
順番で言うと「ワールド」が先にありました。告白って好きな人に想いを告げるイメージを持っている人が多いと思うんですけど、別れてから自分が思っていることを告げるのもある意味で告白だなって。別れたあとに秘めている想いを吐露するのも告白だと思って書いたんですが、reGretGirlが今まで作ってきた失恋をテーマにした曲の中でもかなりしっかり書けた一曲で。ただ、今までと違って失恋の曲だけどどこか希望を持っているというか、前向きになれる曲になりましたね。
憎しみ合って別れたわけじゃない感じがありますね。そういう人が世界のどこかに存在しているわけで。
平部
そうですね。歌詞にも書いているんですけど、やっぱり1度は愛し合ったふたりなんで、一生会えないことは絶対にないだろうと。別にわざわざ“会おう”と言うつもりはないけど、“一生会わないなんてことはないと思うよ”っていうことを書けたのは、自分の恋愛観って言うと大袈裟なんですけど、自分の中のそういう部分に変化が出てきたんだと思いますね。
プライドとか意地みたいなところじゃないんでしょうね。
平部
自分で言うのもなんなんですが、結構プライドが低いんで(笑)。“プライドが高すぎる奴はカッコ悪い”っていうプライドを持っているから、自分の内面じゃないですけど、それを素直に曝け出すっていうのは、やっぱり作詞を書く時に意識していますね。
そして、一番飛び道具的な「バブルス」が最後にできたんですね。
平部
これは完全に飛び道具ですね。本当に遊びながら作った印象があって、歌詞の内容うんぬんよりも聴き心地だったり、韻であったり、語感で書いていきました。そういうことは今までやったことがなかったから、すごい楽しかったです。あと、自分が昔に影響を受けた『パワーパフガールズ』とかをここで出せたのも、この曲だからこそできたと思います。
『パワーパフガールズ』なんですね(笑)。
平部
はい(笑)。自分が影響を受けてきたものを曲にするのが醍醐味というか、面白さだったりするので。やっぱりカートゥーン ネットワークを観て育ってきているんで、ふんだんにスパイスとして盛り込みました。
これは平部さんおっしゃるとおり、本当に押韻の楽しさがあって。しかも、中盤にラップというかトーキングがありますが、これはやってみたかったこと?
平部
やってみたかったんですよ(笑)。自分も幅広くいろんなジャンルを聴くので、その中に“こういうのカッコ良いな”と思うものはあって。自分たちがやっているバンドと系統が違うっていうのは多々あるんですけど、それをうまく取り入れていきたくて。今回、それをうまくハメ込めたと思いますね。それこそ、イントロのロック感のカッコ良さから歌が始まるとポップになるギャップとかもすごい面白いし。で、何よりも2番Aのトーキングラップですよ。ギターを弾きながらライヴでやるのは大変なんですけど、でもカッコ良いんでめっちゃ練習します!(笑)
この曲、内容的には妄想ですよね。
平部
歌詞だけを読むとエグいんですけど、それを曲に乗せるとエグみが和らいで、面白さに昇華できたというか、これもreGretGirlが得意とする部分ですね。最後に《君のそばで死にたいのです》と言っているんですけど、そこまで本気すぎずに聴こえて、いいキャッチーさが生まれましたね。
今作は5曲で全部違うカードを切っていますね。
“告白”という括りになってるけど、改めてreGretGirlのテーマだなと思いました。
平部
それは嬉しいですね。コンセプチュアルにやっているんだけど、やっぱりいろんなカードを切りたくて。カードを切るのが怖くなくなってきたっていうか、自分の中の一貫する芯みたいな部分が日に日にしっかりしていっているんで、多少いろんなことをやってもぶれることはないと自信を持って作れました。
逆に“告白をしてない曲ってどういうテーマだろう?”と思うぐらい自然なことだとも思って。
平部
やっぱり誰かを思っている曲っていうのは昔からヒットし続けているんで、これは絶対にやめない…もちろんやめるつもりはないんですけど、それをやりつついろんなことやっていきたいと思っています。
いろいろ進化があるEPとなったわけですが、特に手応えあったアレンジとかプレーはありますか?
前田
楽しさで言うと「バブルス」のドラムは結構詰め込んだんで、ライヴで再現できるかが心配です。練習します!
十九川
僕は全部楽しいんですけど、それぞれ楽しさの種類が違いますね。「バブルス」は音作りの時から、どれだけ攻撃的にするかってことばっかりを考えていて、自分の機材に加えて外部からも機材を借りてきたことで、頭で鳴っている音色を出せて良かったです。ラップの裏は“ここでめちゃくちゃしたろう”と思って、全弦開放して4弦同時に殴るみたいなことをしたし。「マイフェアレディ」ではサビで休符を入れる…サビをベタで弾かないとか。やりたいことをやれた5曲が揃っていますね。
年明けからワンマンツアーが始まりますね。前回は感情を出し合える“再会”っていう感じだったと思うんですが、次は何を目指しますか?
平部
地続きでこのままいきたいので、いろいろと考えなあかん部分はいっぱいあるんですけど、ライヴって本当に自分を解放できる場所だと思うんですね。reGretGirlっていうものがどういうものかっていうのが日に日に…それも上手に出せるようになっていると感じているし、先輩方を迎えた2マンツアーを経てのワンマンツアーになるので、来てくれる方々には全身でreGretGirlを受け取ってもらえたらと思っています。
取材:石角友香
・・・
EP『告白e.p.』2023年11月1日発売
日本コロムビア
『reGretGirl × サンリオピューロランド “ファンファンライブ!” 〜俺たちめっちゃKAWAII☆〜』
11/26(日) 東京・サンリオピューロランド 1階 エンターテイメントホール
『reGretGirl presents 忘れたくないワンマンツアー“World with you”』
[2024年]
1/11(木) 千葉・LOOK
1/13(土) 福島・CLUB SONIC いわき
1/14(日) 岩手・盛岡CLUB CHANGE WAVE
1/20(土) 新潟・NEXS
1/21(日) 長野・CLUB JUNK BOX
2/04(日) 静岡・清水SOUND SHOWER ARK
2/10(土) 熊本・Be-9 V1
2/12(月) 福岡・DRUM LOGOS
2/17(土) 香川・高松オリーブホール
3/01(金) 広島LIVE VANQUISH
3/03(日) 大阪・Zepp Osaka Bayside
3/05(火) 愛知・Zepp Nagoya
3/09(土) 岡山・YEBISU YA PRO
3/10(日) 石川・金沢EIGHT HALL
3/15(金) 宮城・仙台Rensa
3/17(日) 北海道・札幌PENNY LANE 24
3/26(火) 東京・Zepp DiverCity(TOKYO)
リグレットガール:大阪を中心に活動中。切なく女々しい歌詞とキャッチーなメロディーが特徴の次世代センチメンタル3ピースギターロックバンド。2017年12月にリリースした全国デビューミニアルバム『my』の収録曲「ホワイトアウト」がアプリ“TikTok”で多数使用されるなど、若者を中心に爆発的に浸透している。21年に1stフルアルバム『カーテンコール』でメジャーデビューを果たし、23年2月に2ndフルアルバム『tear』を発表。バンド名は、平部が当時の彼女に振られた際に“いつか有名になってフッたことを後悔させてやる”と思ったことが由来。reGretGirl オフィシャルHP
「ワールド」MV
「ページワン」MV
EP『告白e.p.』全曲Trailer