「BLUE GIANT」の立川譲監督

「BLUE GIANT」の立川譲監督

「BLUE GIANT」立川譲監督が世界的ピ
アニスト・上原ひろみに驚いたことと
は? 再上映もスタート

「BLUE GIANT」の立川譲監督 第36回東京国際映画祭のアニメーション部門で10月27日、人気ジャズ漫画が原作の劇場アニメ「BLUE GIANT」が上映され、立川譲監督が東京・角川シネマ有楽町でのトークショーに出席した。
 石塚真一氏の漫画をアニメ化した本作は、世界一のジャズプレーヤーを志して、高校卒業を機に仙台から上京してきたサックス奏者の宮本大が、同級生のドラマー・玉田俊二、凄腕ピアニストの沢辺雪祈とともにバンド「JASS」を結成し、演奏に打ち込む姿を描く。俳優の山田裕貴、岡山天音、間宮祥太朗が声優を務めた。
 音楽を担当したのは、世界的ピアニストの上原ひろみ。立川監督は本作の音響監督も務めており、効果音や環境音の話題があがると「環境音として新橋が出てきますが、新橋の駅前に行って、マイクをくっつけて収録しました」と振り返り、上原との制作時のエピソードを明かした。
 立川監督「上原さんにダビングに立ち会ってもらって、すごくびっくりしたことがありました。詳しくは忘れてしまいましたが……確か、街のなかで雑踏の音などが鳴っていたりすると『その音はシのフラットだから、今鳴っている劇伴のミと諧調(かいちょう)が合わなくて不協和音がしているので、その音だけとれないか』などと言われたことです。上原さんは絶対音感を持っているみたいで。すごく新鮮でした」
 さらに本部門のプログラミング・アドバイザーを務めるアニメ評論家の藤津亮太氏が「音響監督として一番苦労したポイント」を問うと、立川監督は「音楽に対する言葉の引き出しがなかったこと」だと言い、ここでも上原とのやりとりを振り返った。
「上原ひろみさんは小さい頃からずっと音楽をやられている、第一線で活躍されている方です。でも自分は、音楽に対する言葉の引き出しがなくて、すごく感覚的になっていました。『もうちょっと感情が呼び起こされる感じにしてほしい』とか。自分のなかに、上原さんに伝える言葉やニュアンスの引き出しがなかったので、そこはすごく苦労しました。でもLINEなどでやり取りしていたのが、だんだん電話になり、上原さんが直に自分の声質や言葉を拾ってくれた。そういったやりとりを長く続けてくださいました」
「BLUE GIANT」は10月27日からアンコールリバイバル上映がスタートした。今回は、劇場公開時の本編から200カット以上がブラッシュアップされたブルーレイ&DVD収録バージョンでの特別上映。立川監督は、「この映画は映画館で見るのにピッタリな作品。より大きな音で、大きな画面で見るのが向いている作品だと思うのでうれしいです。そして応援してくださったみなさんの思いがありがたいです」と感謝を述べた。
 第36回東京国際映画祭は、11月1日まで開催される。
【関連リンク】・第36回東京国際映画祭(TIFF)公式アニメ特集

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