【NIGHTMARE インタビュー】
自分たちの歩みの中で
“ここに来ました”という楔になった
今回の3曲は長く演奏していく
ことになるような気がする
3曲目に収録されている「minus」はいかがでしょうか? メロディアスかつ美麗なミディアムチューンです。
柩
この曲はもともと“海”とか“空”といった自然にちなんだワードだけがあったので、それに合う曲が欲しいと思って。それで、アレンジャーとどういう曲調にしようかという話をして、ミディアムな曲にしようということになり、そこから作り始めました。
陰りを帯びていながらウェットではなくて、美しい世界ということからは柩さんの美意識を感じます。
柩
それはRUKAさんの歌詞もあると思います。“誰が為に”という言葉を使っていたりするんですよね。RUKAさんに自然を表す言葉とか、“命”といったイメージだけを伝えたら、こういう歌詞を書いてくれました。別離や喪失感をテーマにした歌詞だけど、さっき話が出たようにRUKAさんらしい透明感がありますよね。
YOMI
「minus」はデモの段階で一番感じたのが、広い会場で映えそうだなということでしたね。ライヴハウスというよりは、もう少し広い会場に合うんじゃないかなと。そして、そういう曲に仕上がったと思います。歌に関しては、わりと自分が得意な曲調というか雰囲気だったので、これはあまり考えずに歌いました。
曲調と同じく、ウェットすぎない憂愁さを湛えた歌唱が光っています。
YOMI
曲調としては切さを感じさせるミディアムですけど、自分としては喜怒哀楽の“怒”というか。
えっ!? そうなんですか?
YOMI
はい。こういう曲調は“哀”のイメージがあるじゃないですか。でも、俺は違っていて、結構“怒”の感じで歌いました。具体的な怒りの対象があるわけではないけど、怒りを込めた感じで歌ったんです。その結果、いいところに行けたと思いますね。
咲人
「minus」のギターは、本当にナチュラルな気持ちで考えることができたというか。今回の3曲の中では一番リラックスして、楽しく取り組めた印象がありますね。今回に限らず、リード曲だとあれこれ考えてしまうことが多いけど、こういう曲調は楽しんでギターが弾けるんです。こだわったのは、サビで何気にずっと16分音符を刻んでいるところで。この曲はトリッキーなことは一切していなくて、動きがあるのはそこくらいですよね。
そして、そういうプレイをすることも楽しめたと?
咲人
楽しかったです。そういう年齢になりました(笑)。
柩
自分のパートはデモからほぼ今のままでした。サビとかのコードをわりとシンプルなものにしたくて、あえてあまり動かないようにしました。広がりとかはストリングスに任せて、ギターはストレートに。あと、歌中でミュートした3連フレーズをずっと弾き続けるというのも早い段階からありました。ひたすら同じことを繰り返すから、弾いているとゲシュタルト崩壊してくるんですよ(笑)。レコーディングの時にそうなって、ちょっと困りました(笑)。ギターソロは俺と咲人が順番に弾くかたちになっていて、長い尺でギターが入れ替わって、そのあとにハモりに入ったりするのはあったけど、この曲みたいに短い尺で各々が弾いて、最後にハモるというのはなかった。最初は1本でいく予定だったけど、咲人が“これ、俺は弾かなくていいよね?”って言うんですよ(笑)。なので、かけ合いからのハモりという流れでいくことにしました。
咲人
デモではソロはチョーキングで入るフレーズを繰り返すかたちになっていたんです。それを活かしつつ、終わりだけちょっと自分のエゴを出した感じです。
短いサイズでギターが入れ替わるのは新鮮ですし、すごくカッコ良いです。今作は上質な3曲が揃っていて、なおかつ新たなNIGHTMAREの魅力も味わえる必聴の一作に仕上がりましたね。
咲人
確かに曲のバランスは良くなったと思いますね。だから、“次はどうしようかな?”と、もう考えている感じです。“次はこうしたいな”というのがなんとなくあって、次につながる途中経過のひとつとして考えた時に、今回はちょうどいいバランスにできたと思う。自分たちの歩みの中で、“ここに来ました”という楔になったと感じています。今は音楽もすぐに消費されてしまう時代じゃないですか。その中で、どれだけしっかりしたものを作れるかということを改めてちゃんと考えないといけないと、今回の「Rebel」を作って思ったというのはありますね。
YOMI
『NOX:LUX』(2022年3月発表のアルバム)を出したあとに、「With」(2022年11月発表)「FAREWELL」「Rebel」とシングルを作ったので、次のアルバムにもう向かっているような感覚がありますね。5人の中に次のアルバムがなんとなく見えてき始めたんじゃないかと。また面白い作品を作れる予感がしているので楽しみにしていてほしいです。
柩
シングルの曲というのはカップリングも含めて、リリースした時期はライヴでやるけど、それ以降はやらなくなることが多いと思うんですよ。結局、ライヴは定番曲が並ぶという。でも、今回の3曲はどれも長く演奏していくことになるような気がしますね。なので、聴いてくれる子たちと一緒に育てていきたいと思っています。
ライヴのアクセントになる曲が揃っていますしね。そして、ライヴと言えば、「Rebel」のリリースに伴って11月から12月にかけて行なわれる全国ツアーも楽しみです。
咲人
個人的には「Rebel」を作った時と一緒で、ヤンチャな感じを出したいと思っています。いい歳をした人たちがステージでキャッキャしている姿を見せて、その楽しさとかが伝わるライヴにしたい。
YOMI
今年は「FAREWELL」のツアーをして、メンバーのバースデーライヴをして、MUCCと2マンもやって、どれもすごく良かったんです。なので、今回のツアーもしっかりいいツアーにして、いい流れで来年につなげていきたいですね。今年最後の動きになることも含めて、ぜひみんなに集まってほしいです。
柩
まだ今は発表できないけど、決まっていることもいろいろあるんです。このあと25周年になるので、今度のツアーはそこに向けたスタートダッシュを決めるような気持ちで回りたいと思っています。そして、来年もいろいろ考えているので、楽しみにしていてください。
取材:村上孝之
「Rebel」MV
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