韓国プロデューサー・CHANNY D、1st
アルバム配信 OLIVE OIL、環ROY、田
中光ら参加

米シアトル出身、現在は韓国を拠点とするピアニスト/プロデューサー、CHANNY Dが1stアルバム『Me Myself and I』を本日11月17日(金)にリリースした。
高校時代、『のだめカンタービレ』や『サムライチャンプルー』など日本のアニメに影響を受け、音楽家を志したというCHANNY D。ウェスタン・ワシントン大学ではクラシック音楽を学んだ後、韓国のBewhYやPaloalto、日本のOZROSAURUSなどの作品に参加するほか、2021年にはプロデューサー・OLIVE OILとのコラボ・アルバム『Snacc』をリリースし話題を呼んだ。

プロデューサーとしての初のアルバムとなる今作には、韓国よりMODO、Youth Hostel、CHOILBが、日本からは田中光、OLIVE OIL、環ROY、SNEEEZEが参加。全11曲収録の作品となっている。

【CHANNY D『Me Myself and I』 アルバム・コメンタリー】

人間について語る際、大体変化をもたらす存在、つまり「文化」を創り出す存在として定義することができる。文化はある変化が介入し、間に立つかによって形を成す「可能態」として存続する。文化そのものが変化の産物であるように、変化をもたらす存在である人間もまた「可能性」を人生全体の柄として刻んでいる。

「可能性」はある正解や具体性を前提としていない。ただ単に質問として存在する。時折、この質問は個人の内面に起因し、「我」という存在を確認しようとする。

我は何者か‐この質問が未だに有要な理由は偏に人間だけが我という存在の有無を問うことができるからではなかろうか。「我が自分らしく」生きているかについての質問、人生のターニングポイントがあるたびに押し寄せてくる疑問から、人生は各々の意味を創り出し始める。

その通りで、文化は最も小さな単位から始まる。文化は自分を変化の現場に連れてくる人の歩みであり、自分以外の他の人生の形が存在するという事実を信じる人の受容であり、違いと異なることの中で自分の固有性を実現できる人の出来物である。

文化を創る最も根本的な材料は、結局「我」という話頭である。そして、最も真の文化は真の「我」を通らずには作ることはできない。

ここに、その経由地を通っている真実な人の話がある。

CHANNY Dのアルバムが届いた。タイトルは、その名も「Me, Myself, & I」。一瞬、アーティストの自分への誇りが前面に表れたアルバム名のように感じる。しかし、この大胆な宣布の底からアーティストは続けて深いところに向かって声をかけている。この声掛けは外部ではなく、アーティストの深い内面から響く。彼は「我」という話頭を持って猛烈に槌打ちしている。CHANNY Dを耳で出会っている聴取者は彼が噴き出すひそかな揺れに動揺せずにはいられない。

CHANNY DはPaloalto、BewhY、Olive Oilなどの国内外で活躍するヒップホップアーティストとコラボレーションし、創作の裾野を広げてきた。今回のアルバムでもチェ・エルビー、Tanaka Hikaru, Tamaki Royなど、ヒップホップシーンの主軸にいるアーティストと共演した。彼はクラシックを専攻しながら音楽に対する解釈力を培い、ジャズを勉強しながら音楽の自主的な表現力を学び、ヒップホップに取り入れることで音楽の立体感を身につけた。韓国に居住している韓国系アメリカ人というアイデンティティも、停滞した所属感ではなく、流動的に包含する脱境界の思考を育んだ。

クラシック、ジャズ、そしてヒップホップ。もしかしたらこの3つのジャンルは「Me, Myself, & I」のメタファーとして機能しているのかもしれない。メタファーは、結局、核心を包含する言語ではないか。これでもなく、あれでもない音楽、だからこれでもなく、あれでもないものになれる音楽。この小さな理屈から「我」という大きな可能性の範囲が見えてくる。

「Me, Myself, & I」はCHANNY Dの自分の中の隙間を見る試みである。様々な音楽的ジャンルと文化的背景、そしてこれからの無限の可能性の層を築く大胆な飛躍である。自分の熱い核に進入するほど、ぽつぽつと外に滴り落ちる汗の結実。滴り落ちる水流を見ながら、CHANNY Dの創作の泉は枯渇しないという信念を持つようになる。私たちはしばしば、無言で流れる他人の滴る汗を見て、信頼というものを学ぶのではなかろうか。

CHANNY Dの可能性が届いた。私たちは良い音楽を通して地球の中心に吸い込まれることもあれば、逆に宇宙の外側に飛び出すこともある。最終的に、良い音楽は「我」を深く見つめ直す。「我」に没頭させる。私を開放することは、そうして結束感と解放感を共に伴わせる。漠然としていて、同時に熟練している。それこそ「私として生きる」人の最も正直な呼吸のようなものだ。

「Me, Myself, & I」は、変化の現場に連れて行ったCHANNY D自身の歩みであり、異なる生き方を抱きしめた彼の抱擁であり、違いと相違の中で放った彼のユニークな声である。自分の深淵から長い間抱きしめてきたCHANNY Dの五色鮮やかな真珠にあなたは出会った。

ここ、CHANNY Dの文化が届いた。

‐キム・インソン「芸術企画者、詩人」
【リリース情報】

CHANNY D 『Me Myself and I』

Release Date:2023.11.17 (Fri.)
Label:Whiteship Creative
Tracklist:
1. Shinichi
2. Truth First (feat. MODO)
3. Megumi
4. Intermission
5. New Kids On The Slope (feat. Youth Hostel, CHOILB)
6. Someday My Dream Will Come
7. But Not For Free
8. Mugen (feat. Tanaka Hikaru)
9. Lost and Found (feat. Tamaki Roy, SNEEEZE)
10. Smells Like Sunflowers (prod. Olive Oil)
11. Imposter Syndrome

All tracks mixed by CHANNY D
Track 10 mixed by Olive Oil
Album mastered by Shiota Hiroshi at Salt Field Mastering
Artwork by CHANNY D
Photography by Naelle Song

■CHANNY D: Instagram(https://www.instagram.com/channydmusic/)
米シアトル出身、現在は韓国を拠点とするピアニスト/プロデューサー、CHANNY Dが1stアルバム『Me Myself and I』を本日11月17日(金)にリリースした。
高校時代、『のだめカンタービレ』や『サムライチャンプルー』など日本のアニメに影響を受け、音楽家を志したというCHANNY D。ウェスタン・ワシントン大学ではクラシック音楽を学んだ後、韓国のBewhYやPaloalto、日本のOZROSAURUSなどの作品に参加するほか、2021年にはプロデューサー・OLIVE OILとのコラボ・アルバム『Snacc』をリリースし話題を呼んだ。

プロデューサーとしての初のアルバムとなる今作には、韓国よりMODO、Youth Hostel、CHOILBが、日本からは田中光、OLIVE OIL、環ROY、SNEEEZEが参加。全11曲収録の作品となっている。

【CHANNY D『Me Myself and I』 アルバム・コメンタリー】

人間について語る際、大体変化をもたらす存在、つまり「文化」を創り出す存在として定義することができる。文化はある変化が介入し、間に立つかによって形を成す「可能態」として存続する。文化そのものが変化の産物であるように、変化をもたらす存在である人間もまた「可能性」を人生全体の柄として刻んでいる。

「可能性」はある正解や具体性を前提としていない。ただ単に質問として存在する。時折、この質問は個人の内面に起因し、「我」という存在を確認しようとする。

我は何者か‐この質問が未だに有要な理由は偏に人間だけが我という存在の有無を問うことができるからではなかろうか。「我が自分らしく」生きているかについての質問、人生のターニングポイントがあるたびに押し寄せてくる疑問から、人生は各々の意味を創り出し始める。

その通りで、文化は最も小さな単位から始まる。文化は自分を変化の現場に連れてくる人の歩みであり、自分以外の他の人生の形が存在するという事実を信じる人の受容であり、違いと異なることの中で自分の固有性を実現できる人の出来物である。

文化を創る最も根本的な材料は、結局「我」という話頭である。そして、最も真の文化は真の「我」を通らずには作ることはできない。

ここに、その経由地を通っている真実な人の話がある。

CHANNY Dのアルバムが届いた。タイトルは、その名も「Me, Myself, & I」。一瞬、アーティストの自分への誇りが前面に表れたアルバム名のように感じる。しかし、この大胆な宣布の底からアーティストは続けて深いところに向かって声をかけている。この声掛けは外部ではなく、アーティストの深い内面から響く。彼は「我」という話頭を持って猛烈に槌打ちしている。CHANNY Dを耳で出会っている聴取者は彼が噴き出すひそかな揺れに動揺せずにはいられない。

CHANNY DはPaloalto、BewhY、Olive Oilなどの国内外で活躍するヒップホップアーティストとコラボレーションし、創作の裾野を広げてきた。今回のアルバムでもチェ・エルビー、Tanaka Hikaru, Tamaki Royなど、ヒップホップシーンの主軸にいるアーティストと共演した。彼はクラシックを専攻しながら音楽に対する解釈力を培い、ジャズを勉強しながら音楽の自主的な表現力を学び、ヒップホップに取り入れることで音楽の立体感を身につけた。韓国に居住している韓国系アメリカ人というアイデンティティも、停滞した所属感ではなく、流動的に包含する脱境界の思考を育んだ。

クラシック、ジャズ、そしてヒップホップ。もしかしたらこの3つのジャンルは「Me, Myself, & I」のメタファーとして機能しているのかもしれない。メタファーは、結局、核心を包含する言語ではないか。これでもなく、あれでもない音楽、だからこれでもなく、あれでもないものになれる音楽。この小さな理屈から「我」という大きな可能性の範囲が見えてくる。

「Me, Myself, & I」はCHANNY Dの自分の中の隙間を見る試みである。様々な音楽的ジャンルと文化的背景、そしてこれからの無限の可能性の層を築く大胆な飛躍である。自分の熱い核に進入するほど、ぽつぽつと外に滴り落ちる汗の結実。滴り落ちる水流を見ながら、CHANNY Dの創作の泉は枯渇しないという信念を持つようになる。私たちはしばしば、無言で流れる他人の滴る汗を見て、信頼というものを学ぶのではなかろうか。

CHANNY Dの可能性が届いた。私たちは良い音楽を通して地球の中心に吸い込まれることもあれば、逆に宇宙の外側に飛び出すこともある。最終的に、良い音楽は「我」を深く見つめ直す。「我」に没頭させる。私を開放することは、そうして結束感と解放感を共に伴わせる。漠然としていて、同時に熟練している。それこそ「私として生きる」人の最も正直な呼吸のようなものだ。

「Me, Myself, & I」は、変化の現場に連れて行ったCHANNY D自身の歩みであり、異なる生き方を抱きしめた彼の抱擁であり、違いと相違の中で放った彼のユニークな声である。自分の深淵から長い間抱きしめてきたCHANNY Dの五色鮮やかな真珠にあなたは出会った。

ここ、CHANNY Dの文化が届いた。

‐キム・インソン「芸術企画者、詩人」
【リリース情報】

CHANNY D 『Me Myself and I』

Release Date:2023.11.17 (Fri.)
Label:Whiteship Creative
Tracklist:
1. Shinichi
2. Truth First (feat. MODO)
3. Megumi
4. Intermission
5. New Kids On The Slope (feat. Youth Hostel, CHOILB)
6. Someday My Dream Will Come
7. But Not For Free
8. Mugen (feat. Tanaka Hikaru)
9. Lost and Found (feat. Tamaki Roy, SNEEEZE)
10. Smells Like Sunflowers (prod. Olive Oil)
11. Imposter Syndrome

All tracks mixed by CHANNY D
Track 10 mixed by Olive Oil
Album mastered by Shiota Hiroshi at Salt Field Mastering
Artwork by CHANNY D
Photography by Naelle Song

■CHANNY D: Instagram(https://www.instagram.com/channydmusic/)

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