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【shallm インタビュー】
アニソンがいかに深いかを、
身をもって体験できて良かった

歌えないジャンルが
あるのはつまらない!
私はカメレオンになりたい!

先ほど少し歌詞の話をしましたけど、作詞の作業は大変でしたか?

すごく大変でした。正解がないから悩みましたね。サビはすぐにまとまったのですが、Aメロ、Bメロがなかなかできなくて。1番のBメロで場面展開する感じが欲しいと事前にオーダーがあり、1番のBメロは《荒野を進んだ追憶のメモリー》と姫の過去がフラッシュバックするようなイメージで書きました。そして、それに続く《誰だって一人じゃ背中は不安でしょう?》は姫の戦いの記憶で、その時は背中を預ける仲間がまだいなかったことを表しています。作品側の要望を汲み取りつつ、89秒という尺に描きたいものを収めなくてはならないので、やはりアニソンを書かれる方はすごいなと。アニソンがいかに深いかを、身をもって体験できて良かったです。

最後の《いつかシワくちゃになったって笑ってる》はどんなイメージで書いたのですか?

姫と姫が出会った人たちが、拷問が終わってもずっと一緒にいてほしいという私の願望も込めて書きました。1番はとにかくアニメに寄り添って書いて、2番以降はそういう自分の願望も含めて書かせていただきました。

ライヴで歌うのも楽しみですね。

もちろん楽しみなのですが、私は実際に歌うことをあまり考えずに作ってしまうところがあって…。レコーディングの時、歌うのがすごく難しい曲であることに気づきました。早口だし、キーが高いし、息を吸うタイミングが難しいし(笑)。

口ずさみながら作るんじゃないのですか?

口ずさみながら作るのですが、家だと大きな声が出せないし、鼻歌で♪フフフ〜ンって歌うとどうしても高くなってしまうんです。でも、裏声で歌うと声が弱くなるので、基本的には全部地声で歌うよう心がけていて。だから、レコーディングの時は“絶対に地声で出してやる!”と、半ば意地で声を張っています。スタッフも信じてくれていて、“きっと出るよ!”と励ましてくれるし。要は気持ちの問題なんですよ。“よし、やるぞ!”と思って頑張ったら出る。でも、ライヴで出せるか今は心配です。

shallmさんは「センチメンタル☆ラッキーガール」でデビューして「まっさかさマジック!」が4曲目になるのですが、これまでの3曲についてもお聞かせください。

デビュー曲「センチメンタル☆ラッキーガール」はドラマ『女子高生、僧になる。』のオープニング主題歌でした。ドラマがハートフルコメディだったのでキャッチーで明るいラブソング寄りにしつつ、でもラブすぎない楽曲になりました。アレンジは相対性理論さんの楽曲みたいなイメージで、間奏にギターでちょっと中華っぽいフレーズを入れてもらったところがお気に入りポイントです。

11月に配信リリースされた「境界戦」は「センチメンタル☆ラッキーガール」とは全く違うダークな雰囲気ですね。

こちらが先ほど話に出た『東京喰種トーキョーグール』の世界観をイメージして作った楽曲です。主人公がグールと人間の間で葛藤する姿を描きたいと思って作りました。全部自分で作詞作曲しているのですが、Aメロからすごく高いし、ロングトーンなんて高すぎて、ほぼ叫び声でした(笑)。でも、その歌っている時の苦しさが主人公の怒りの感情ともマッチしたと思っています。あと、絵も含めて作品自体、グロテスクだけど美しさもすごくあると感じているので、それにマッチするきれいな音楽にしたいと意識して作りました。

12月に配信リリースされた「白魔」は?

タイトルの“白魔”は降る雪が白い魔物みたいに見えるという意味でつけました。もともとは12月リリースの楽曲だから冬をテーマにしたいと考えたところが始まりです。冬と言ったらラブソングのイメージをもたれる方が多いかと思うのですが、普通の男女の恋愛を歌うことに対して自分の中で湧く感情がなくて。なので、神様が天界から地上を見下ろして、街行く人や恋人たちを見ながら“みんなどんなことを考えているのかな?”と想像している楽曲にしました。一人の夜とかに聴いてもらって、“ぼ〜っとしている時間がもったいないな”ってやる気になってもらえたら嬉しいです(笑)。

4曲とも歌詞もサウンドも全然違う世界観ですね。

私は“この曲も好きだし、あの曲も好きだし”という感じなので、作る楽曲も自然とさまざまなジャンルになってしまうんです。バンドだとそのバンドのジャンルや色が決まっているけど、“自分はこのジャンルに属しているから、あのジャンルの曲は歌えない”ってなるのはつまらないじゃないですか。私はいろんな曲を歌いたいので、どんなジャンルでも挑戦していきたいです。

いろんな役をやる人を“カメレオン俳優”と言いますけど、そんな感じですか?

まさしくそういう感じです! 私はカメレオンになりたいです!

アニメ『姫様“拷問”の時間です』に引っかけた遊びの質問ですけど、アニメでは美味しい食事&遊びを餌に姫から王国の秘密を聞き出そうとします。“これを出されたら秘密でも何でもしゃべっちゃいます!”という大好きなものは何ですか?

私は過去に運動部に属していたこともあって、その部活の練習がすごくキツかったんです。私がいた部は当時できたばかりで実績がなかったため、体育館を使える時間が少なくて、ずっと外ばかり走っていたんですよ。もう本当に苦しくて、あと一歩踏み出したら限界というギリギリまで走って、やっとの休憩で飲んだ麦茶が本当に美味しくて! それから世界で一番好きな飲み物が麦茶になったんです。だから、拷問されて、喉がカラッカラの状態で麦茶を出されたら何でもしゃべります!(笑)

やかんに麦茶?

はい。麦茶が好きすぎて、テレビで見るような大きなやかんを買って、煮出して作っています。昔は1日2リットル飲んでいて、親に“飲みすぎだ!”って怒られていました。最近はコンビニなどで買えるペットボトルの商品が増えて嬉しいです。

shallmさんは12月11日に代官山UNITで初ワンマンを開催します(取材はライヴの数日前に実施)。米津玄師さんが初ライヴをした代官山UNITでライヴをやりたいと言っていたので、その夢が叶ったかたちですが、次の夢は?

決まった時はすごく嬉しくて、“米津さんが立ったステージに立てるんだ!”とワクワクしています。対バンだといろんな人が観に来ますけど、ワンマンは私を観に来る人だけなので、本当に嬉しくて感謝しかないですね。緊張はしますが、いっぱい練習して、その成果を観ていただければと思っています。他にも好きなアーティストが立った有名なライヴ会場はいっぱいあるので、これからもいろんなところでやりたいですね。

取材:榑林史章

配信シングル「まっさかさマジック!」2024年1月9日リリース Virgin Music
配信シングル「白魔」2023年12月6日リリース Virgin Music
配信シングル「境界戦」2023年11月8日リリース Virgin Music
配信シングル「センチメンタル☆ラッキーガール」2023年9月18日リリース Virgin Music

ライヴ情報

『shallm 2nd Live – アイオライト –』
[2024年]
3/10(日) 東京・恵比寿LIQUIDROOM
開場 16:15/開演 17:00

shallm プロフィール

シャルム:自ら作詞作曲を手がけるヴォーカル・lia(読み:リア)によるバンドプロジェクト。2023年3月に初のオリジナル曲「夢幻ホログラム」を配信リリース。9月にMBSドラマ『女子高生、僧になる。』のオープニング主題歌「センチメンタル☆ラッキーガール」をメジャーデビューシングルとして発表。liaならではの独特の感性で紡ぐ言葉とメロディー、洗練されたバンドサウンドで聴く人々を魅了する。shallm オフィシャルHP

「まっさかさマジック!」
- Jacket ver.

「白魔」MV

「白魔」 - Live映像

「境界戦」MV

「センチメンタル☆ラッキーガール」
MV

OKMusic編集部

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