名曲紹介:スペイン情緒を楽しめる舞
曲、オペラ、バレエ音楽いいとこどり

昨日COSMUSICAのリニューアルをおこない、ちょっとそわそわした気持ちで書いています。新デザイン、みなさんに気に入っていただけると良いのですが…! もっとこうした方が見やすいなどあれば、どんどんご指摘ください!
さて、予告通り本日はスペインの音楽を取り上げます。最近気温もあがってきたので、スペインの話題がちょうど良いなあなんて思っております。
まず、近代スペイン音楽を語るうえではずせないのが、イサーク・アルベニス(1860〜1909年)。印象主義の要素も含むアルベニスの音楽は、カルメンのように「THE・スペイン情緒」という感じではないのですが、伝統的な響きはしっかりとありつつ、フランスの風もそよそよと吹くような美しさが特徴的です。
彼の晩年のピアノ曲集『イベリア』は全12曲からなり、そのどれもが伝統的なソナタ形式で書かれています。どれも非常に完成度の高いものですが、特に第1曲「喚起(エヴォカシオン)」は傑作として愛好している人も多いようです。
『イベリア』より「喚起」

哀愁を感じさせる旋律を精緻な和声が包み込み、静けさの中に奥深い世界を感じます。譜面の中には「p(ピアノ)」が5つ並ぶところもあり、演奏家にとっては表現力を試されるところ。フランスの現代音楽作曲家オリヴィエ・メシアンはこの曲集を「ピアノの奇跡、スペインの奇跡」と呼び愛したそうです。
アルベニスとともに近代スペイン音楽を確立した人物として、グラナドスとファリャがあげられます。
エンリケ・グラナドス(1867〜1916年)はむしろアルベニスよりもスペインの雰囲気を存分にまとった音楽を書きました。
『スペイン舞曲集』より「アンダルーサ」

これはグラナドスの出世作でもあり、スペイン情緒をたっぷり楽しめる曲集でもあります。特に第5曲「アルンダルーサ」は演奏機会が多く、いろいろな楽器で演奏されています。
マヌエル・デ・ファリャ(1876〜1946年)はアンダルシアのフラメンコに関心を寄せていた人物で、オペラ作品『はかなき人生』においてもその影響が見られます。
『はかなき人生』第2幕より スペイン舞曲第1番

この曲を書いたあと、ファリャはフランスに渡り、ドビュッシーやラヴェル、デュカスなどそうそうたるメンバーと交友関係を結び、印象主義の影響を受けていくことになります。
今日は、そうして出来上がったうちの一曲にバレエ音楽『恋は魔術師』があります。これはジプシーの娘カンデーラと、その恋人カルメロのお話。浮気癖のあったカンデーラの元恋人が、亡霊となってカルメロにつきまといます。それを解決するために、カンデーラは美しい友人に亡霊を誘惑するように頼み、その隙にふたりは結ばれるという筋書きです(笑)。
今日はその中から『火祭りの踊り』を聴きながらお別れとしましょう。それではまた来週♪
バレエ音楽「恋は魔術師」から『火祭りの踊り』

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