【近藤夏子】そのまんまの自分を歌っ
てる
デビュー前から業界内外で注目を集めている近藤夏子。満を持してメジャー進出を果たす彼女に、シンガーソングライターとしてのこだわりなどについて語ってもらった。
取材:石田博嗣
まずは歌い始めたきっかけからうかがいたいのですが。
2歳の頃からピアノを習ってたんですけど、弾き語りを始めたきっかけは中学2年生の時ですね。ピアノの発表会で他人と違うことをやりたくて、先生に“歌ってもいいですか?”って(笑)。で、その時に“夏っちゃん、すごいやん!”って言ってもらえたんで、調子に乗って弾きながら歌うことを始めたんです。でも、歌うことも好きで…2歳ぐらいのビデオを観ると、階段をステージにして工藤静香さんの曲を歌ってましたね。カラオケも好きなんですけど、歌を仕事にしようと思った瞬間はなくて、好きだから歌ってたっていう。もともとは保育士さんになりたかったんですよ。弾きながら歌うってことでね。でも、バンドをやったりして人前で歌うことの楽しさを知ってしまって、高校卒業する時に“音楽の道に進むわ”って(笑)
楽曲はどれもリアリティーがあるのですが、曲作りで意識していることは?
日常の中にあるものとか、生活している中で感じたことを曲にしたくて…っていうか、それしかできないんですよ。自分がぶっちゃけて話すことで、友達もぶっちゃけてくれた経験があるから、曲でも自分が思ったことを赤裸々に言ってますね。そしたら聴いてくれた人も“夏っちゃんがそういうふうに思ってるんやったら、私も頑張れる!”って思ってもらえるかなって。だから、そのまんまの自分を歌ってます。それはブログとかでも。
まさに「『リアルでゴメン…』」の主人公って、まんま…
私です! 男友達を好きになることって、すごいあるんで(笑)。でも、そういう経験って私だけじゃなくて、友達にも結構そういう子がいるんですよね。好きになってしまった男友達に“お前、変顔してみろや”ってむちゃぶりされて、やっちゃった後に“ほんまは可愛い自分でいたかったのに…”って思う。そういう話をよくしてたんですよ。
でも、なぜこの曲をデビュー曲に?
週に5曲作ってるんで、700曲くらいのストックがあるんですね。その中の1曲なんですけど、この曲ができた時に、単純に“好き!”って思ったんです。そんな曲だからなのか、3日後ぐらいに鼻歌で歌ってて“これ誰の曲やったっけ? あっ、この間作った曲や!”って(笑)。そういうことが何回かあったんで、ほんとに好きなんやなって。だから、どの曲でデビューするかっていうミーティングの時に、この曲を選ばせてもらいました。
では、メジャーでやってみたいことは?
デビューしたからどうっていうわけじゃなく、ライヴをいっぱいやりたいと思ってます。逆に、自分としてはメジャーを意識してないっていうか…意識すると肩に力が入って何もできなくなるんですよ。実は、今回のレコーディングの時に歌えなくなったことがあったんですね。自分でもそんなキャラではないと思ってたんですけど、プレッシャーを感じてしまって、“これで合ってるんかな? これって近藤夏子なんかな?”って分からなくなってしまったんです。だから、メジャーということは意識せずに、音楽活動の中で一番好きなライヴをどんどんやっていきたいですね。それで会場が大きくなっていければ最高にうれしいし。でも、原点は忘れないっていうか…例えば、武道館をやった次の日とかに一番最初にワンマンライヴをやった大阪のライヴハウスでやったり。そのセットでやるのが夢なんですよ。それこそストリートでもやったり。そういう応援してくれる人たちとの距離感は変わらずにやっていきたいですね。
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