熱狂のステージに見たMeikの可能性 
ワンマンライブ・渋谷スターラウンジ
公演をレポート

Meikワンマンライブ 2017.7.28 渋谷スターラウンジ
幼い頃からキッズ・ダンサーとして活躍し、数多くのメディアなどで取り上げられ、大物ミュージシャンのミュージック・ビデオなどにも出演。2013年には、ダンスボーカルグループである「J☆Dee’ z」のメンバーとしてメジャーデビュー。実力と人気を磨き昨年11月にグループを卒業。今年よりソロ始動し、3月には初のワンマン公演を敢行、そして先日7月26日に初ミニアルバム『Make It Happen』をリリースしたばかりのMeik。ミニアルバムの発売にあわせ、7月28日にはワンマンライブを渋谷スターラウンジにておこなった。
今にも雨が降りそうな天候のなかでおこなわれたライブだったが、夏休み中の週末ということもあってか、会場にはキッズから大人まで、全国各地から多数の人が詰めかけ、開演前から不穏な天候を吹き飛ばすような熱気が漂っていた。そこにレーザーライトに包まれて登場した、Meik。高く振り上げた拳からは、これから100%のエネルギーを注ぎ込んでパフォーマンスをするという気合いが伝わってきた。
Meikとはキッズダンス雑誌「DSK」時代のモデル仲間であり、ガールズダンス&ボーカルユニット・Prizmmy☆の元メンバーとしても知られているREINAと、以前Meikが特待生として通っていたダンス&ボーカルスクール『EXPG』時代の仲間であるSHOTA、男女二人のダンサーのサポートを受け、ソロデビュー作の初回盤にのみ収録されたボーナストラックである「Let’ s Go」を冒頭にパフォーマンス。EDMの要素を取り入れたダンサブルでキャッチーなエレクトロ・ビートにのった、彼女の力強くソウルフルなボーカル、そして迫力満点のダンスに、会場は瞬く間にヒートアップし、サビの部分ではタオルを回す場面もあるなど、早くも一体感が生まれていた。その後も、先行でリリースされた「LOVE 〜愛はディスコ〜」のソロ・バージョンを披露すると、踊りやすくて口ずさみやすい楽曲展開に、自然と彼女にあわせてステップを踏む人も多数。その反応に彼女も満足そうな笑顔を浮かべながら、「これから、ノンストップでいくので、最後まで盛り上がってください!」と叫んでいた。
以降も「1980年代のディスコやダンス・ミュージックを現代的な感覚で解釈したサウンドであると同時に、自分のスタイルを明確に打ち出すことができた」という、発売されたばかりのミニアルバム『Make It Happen』の収録曲を次々に披露してくれた彼女。それ以外にも「この作品には収録していない曲も披露したい」と本邦初公開の新曲「有機体」をパフォーマンス。ミニアルバム同様、80年代を連想させるダンス・ポップに仕上がっているのだが、そこにエキゾチックな雰囲気をミックスさせることによって、世界紀行を楽しんでいるような気分を味わえた。今後のリリースに期待したい1曲である。
また、ライブ中盤では1997年にpal@popが発表した名曲「空想X」のカバー、ミニアルバムに収録されているミドルテンポの「Kotori」といった、彼女のボーカル力を堪能できる楽曲を披露。また、その後のMCでは、グループから脱退し、ソロになるまでの心の葛藤も告白。ダンスを織り交ぜたパフォーマンスになると、どんなことにもポジティブなパワーで前進し続けるストロングな女性像が見えてくるが、それらからは現在ティーンエイジャーである彼女のリアルな心のささやき(声)が伝わってきた。
そして本編ラストでは、観客ひとりひとりに投げキッスをする仕草がとてもキュートだった「今夜はメイク・ミー・ラブ・ユー」、ダンサーたちとの迫力満点のパフォーマンスで圧倒させた「In Da World」(通常盤のボーナストラック収録)など、再びダンス・チューンで観客を沸かせたのだった。
ゆえに、観客からの「まだパフォーマンスを観たい」という強い願いのこもったアンコールの声が会場内にこだまし、再びステージに登場したMeik。すると「ここでうれしいお知らせがあります!」と、11月11日(土)には渋谷eggmanでのライブを発表! さらに、ステージ上には、注目のダンス・ミュージック・グループ、APOTHEKEのShingoを招き入れ、彼をフィーチャーした「LOVE 〜愛はディスコ〜」を再びデュエットでパフォーマンス。Shingo独特のジェンダーレスなファルセット・ボイスと、Meikのソウルフルな歌声が生み出す息のあったハーモニーで、再び会場をディスコに変化させた。また、この楽曲以外にもMeikがお気に入りというAPOTHEKEの楽曲「Dancin’ 」もデュエット。キュートな振り付けを交えて、会場にさらなる興奮をもたらしていた。そしてラストには、ジャズなフレーバーも織り交ぜた「Let It Spin」で、会場はさらにスピン(ヒートアップ)。ステージは熱狂のなかで幕を閉じた。
すべての楽曲を披露し終えると「ありがとうございました!」と叫んだ彼女。そこからは、今後ソロでさまざまな音楽を発信して、シーンに名を残す存在になるので、これからも注目してほしいという思いが伝わってきた。Meikの計り知れない可能性を感じさせるライブだった気がする。

取材・文=松永尚久 撮影=Hiroyuki Ueno

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