子どもと一緒にトレッキングをはじめ
たい! デビューに失敗しない秘訣

年間のべ200名以上の親子をアウトドアに連れ出すライターが、親子での山登りデビューに失敗しないためのポイントを解説。無理に頑張らせると、山登りが嫌いになってしまうかも。

気温が低くなる秋〜春は、低山トレッキングに最適なシーズン。
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子どもがいっちょまえに歩けるようになる、2歳から3歳くらいになると、子連れでのハイキングや山登り、トレッキングに挑戦できるようになります。
ただし、デビューの仕方によっては、子どもが山登りを嫌いになってしまうかも。
年間のべ200名以上の親子をアウトドアに連れ出すライターが、親子での山登りデビューに失敗しないためのポイントを解説します。
親子登山デビュー成功! たった1つの秘訣子どもに山の魅力を実感してもらうのは難しい
待ち構える斜面や難所を、自らの足、そして全身を使って、一歩ずつ登っていく、充実感。
街中とは違った美味しい空気と、そこでしか聞けない鳥の囀り、木々が擦れる音。
登った者だけが見られる、道中の風景や、山頂からの圧倒的な景色。
山登りの魅力は、経験者であれば、言わずもがな。
しかしながら、未経験の子どもにとっては、そもそもなんで山を登らされるのか、意味がわかりません。
いくら言葉で魅力を語り聞かせたとしても、「疲れた」「つまらない」という感覚が先に来てしまい、楽しみを実感するのは困難です。
「登ればわかるから、文句言わないで登ってみな」と言われて、はい、わかりました、と従う子は、稀でしょう。
押しつけはリスクあり
子どもが「もうやだ、疲れた」「歩きたくない」「抱っこして!」と言い出したとしても、いちど山登りを経験すれば魅力がわかるからと、なだめすかして頑張らせる、という考え方もあります。
ただ、個人的には、上策ではないと思います。
なぜなら、こうしたケースでは、パパやママの機嫌が悪くなりがちです。
「それくらい、自分で歩いて!」「おいていくから。そこにいなさい!」
もしこんなふうに怒ってばかりいたとしたら、子どもにとって嫌な思い出になり、山登りそのものを嫌いになってしまうリスクがあります。
まずは2〜3時間のハイキングコースから
いかに子どもに嫌な思いをさせることなく、山登りの魅力を実感させるか。
ここが親の腕の見せどころです。
とすると、いきなり本格的な山へ、トレッキングに連れて行く選択は、避けるのが賢明です。
具体的には、
自宅から遠くない所要2〜3時間のハイキングトラブルがあったらすぐにエスケープできるという条件が揃ったコースでのデビューをおすすめします。
個人的には、JR「北鎌倉」駅から浄智寺の脇を通り、源氏山で休憩し、鎌倉駅へ向かうコースが好きで、ハイキングイベントもよく実施します。
いきなりの本格登山がNGな3つの理由
いきなりの本格登山がNGな3つの理由近所の2〜3時間ハイキングコースからデビューすべき理由は、大きく3つあります。
1. 子どもも、ぶっつけ本番は危険
登山、トレッキングは、体力よりも “経験” に占める割合が大きいアクティビティです。
たとえば、私と妻がはじめて富士山に登ったとき、疲労困憊で、往復13時間も掛かりましたが、シニアで(アマチュアにもかかわらず)、半分近い所要時間で登り降りしてしまう人も、珍しくありません。
普段とは異なる環境で、いつもと違った身体の使い方をするのが、山登り。
疲れないペースで、安全に山歩きをするには、どのように身体を使えばいいのか。
どういったときに、どこまで頑張れるのか。
大人はもちろんのこと、子どもも、失敗できる環境での “慣らし” が必要です。
また、衣服やリュックサック、場合によってはトレッキングシューズなど、登山用品を新調するかもしれませんが、これらも試す必要があります。
たとえば本格的な山の中で、靴ずれしてしまったら、立ち往生するハメになります。
2. 子どもの“山歩き体力”を把握
幼児など低年齢の子どもは、気分が乗らないと、まったく歩かないケースがあります。
我が家の場合、子どもたちが5歳・3歳のときに、山歩きをはじめました。
当時3歳だった息子は、駅から山道までの10〜15分くらいの舗装路では、ちっとも歩かず、「抱っこ!」を連発していました。
ところが、山道に入ると一変。
自分の身長よりもある段差を、木の根を掴んでよじ登るなど、急に疲れ知らずになり、結局、ゴールまで歩ききりました。
こんなふうに、体力の問題とは別に、その子の個性によって、どういったときに歩く・歩かないという傾向があります。
これを掴んでおかないと、思ったよりも歩いてくれなかったときに、パパ・ママに余裕がなくなり、「子どもに嫌な思いをさせることなく、山登りの魅力を実感させる」が難しくなってしまいます。
3. 「せっかくきたのに」はイライラの元
首都圏在住の場合、本格的な山登りをするためには、車で1〜2時間は走らなければならないケースが大半かと思います。
遠方まで出かけるとなると、どうしても、
「貴重な休みに、いい体験をさせてあげようと思って、せっかくここまできたのに……」
という思いになりがち。
これもやはり、パパ・ママの心の余裕を失わせる要因になります。
いつでも来られる近所のハイキングコースでのデビューであれば、今回は歩き切れなくてもいい、おおらかに構えていられますよね。
山登りを楽しくする工夫あれこれ
山登りを楽しくする工夫あれこれうちの子、ぜんぜん歩かないんです……というパパ・ママに、山登りが楽しくなるちょっとした一工夫。
しゃぼん玉を持たせる
特に、山道までの舗装路や、変化のない退屈な道におすすめです。
両手が塞がってしまうので、道が険しくなってきたら、いったんしまってください。
また、車通りがある道では、夢中になって視野が狭くなり、危険ですので、しっかり親の判断・監督が必要です。
同じくらいの年齢の子どもグループで登らせる
親子だけでは、子どももどうしても甘えてしまいますし、親も(子どもが歩いてくれないと)ついついイライラしてしまいがち。
ところが友達同士だと、仲良く遊びながら登ったり、ライバル意識で競ったり、音を上げるのが恥ずかしくて頑張ったりと、思いのほかスムーズにいく場合があります。
子どもたちの年齢は、プラスマイナス3歳くらいの幅はあってもOKです。
お兄ちゃんに引っ張られて低年齢の子も頑張ったり、逆に年下に負けられないと年上が頑張ったり、という姿が見られます。
ネイチャーゲーム
その場にある自然を活用して、ゲームをするアクティビティです。
さまざまな遊びがあるので、インターネット検索して調べてみてください。
それほど大がかりな道具は必要ないケースが多く、その場でアドリブ的にはじめることもできます。
普段は触れられない、山ならではの魅力に目を向ける
ネイチャーゲームに似ていますが、あまりルールを意識しないで、山ならではの魅力に目を向けます。
たとえば、急に立ち止まって、耳を澄ませて「何が聞こえる?」。
小さな虫の音だったり、遠くの自動車の走行音だったり、風にざわめくススキだったり……。
天気が良ければ、「ねえ空を見て、こんなに青いよね」と言うだけで、日常とはまったく違った景色に出会えます。
また、うちの子のケースだと、急に木の枝を掴んで揺すり、「魚が泳いでる!」と想像力を働かせていました。
くだらないと馬鹿にせずに、一緒に子ども目線になってみると、普段とは違った楽しみがあるかもしれません。
「子どもに嫌な思いをさせることなく、山登りの魅力を実感させる」とは言っても、体力的な負荷は、あまり気にしなくてかまいません。
たとえ疲れたとしても、山ならではの魅力に気づくように仕向けたり、他の楽しみを見つけたりすれば、ぐんぐん登ってくれます。
うちの子にはまだ早いと決め付けずに、ぜひ親子トレッキングに挑戦してみてくださいね。

ウレぴあ総研

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