子どもはみんな「察してちゃん」!?
泣いたり、グズる理由がわからないと
きの対処法

子どもが泣いたり、グズグズしている時、もしかして「察してほしい」と思っているのでしょうか?理由がわからない時は、ちゃんと説明させるべきなのか、察してあげればいいのか、どんな風に対応するのがいいのか紹介したいと思います。

子どもが泣いたり、喧嘩をしたり、グズグズしている時に、「どうしてやったの?説明しなさい。言わなきゃわからないでしょ!」ときつく言ってしまうママは多いのではないでしょうか?
この記事の完全版を見る【動画・画像付き】
そんなママも実は夫に対しては「察してほしい」思ったことはありませんか? もしかして、子どももママに「察してほしい」と願っているのでしょうか?
さて、理由がわからない時は、ちゃんと説明させるべきなのか、察してあげればいいのか、どんな風に対応するのがいいのでしょうか?
今日は『モンテッソーリ教育で伸びる子を育てる』の著者で、日本・欧米いいとこどり育児を提唱する平川裕貴が、お話ししたいと思います。
説明を強要するのはどうなの?幼児期の子どもの行動は、計算したり計画したりしての行動ではありません。その時その時で、言ってみれば本能的に行動していると言えます。
友達が持っているおもちゃが「ほしい!」と思った途端、つかみ取っていた。
何か言われた途端相手をたたいていた。
咄嗟の行動なので、子ども自身も自分の行動を覚えていないことも多いです。ですから子どもに聞くと「取ってない!」とか「たたいてない!」と言い張ったりしますよね。
決してうそをついてやろうと思っているわけではなく、瞬間的に無意識にしてしまったことは、実際覚えていないことも多いのです。
そんな子どもに「どうしてやったの!?」と詰問しても、うまく説明できません。
ではどんな風に対処するのがいいのでしょうか?
説明を強要するのではなく、まずは察してあげる幼児期の子どもは、まだ自分の欲望とか怒りとか嫉妬というような負の感情を、認識できているわけではできません。
たとえば、友達のおもちゃを取った場合、自分が持っていないものを持っていた友達に対するやきもちからおもちゃを取ったのか、単に、そのおもちゃが面白そうだったから取ったのか、自分もそのおもちゃが欲しかったのに買ってもらえなかったから腹が立って取ったのか。
実際はなにか理由があるのでしょうが、それを言葉で表現する能力は、子どもにはまだないのです。
ですからここで必要なのは、親の察する力です。
子どもがしたことに対して、「前から欲しいと言っていたおもちゃを友達が持っていたから、思わず取っちゃったのかな」とか「手が出てしまったのは、何か嫌なことを言われたからかもしれない」とまず察してあげることです。
その後でするべきこととは?
言葉で伝えることを教える筆者も理由がわからない時は、「どうしたの?」と聞きますし「言ってくれないとわからないよ」と言います。 言葉でのコミュニケーションが必要だとまず伝えます。
そのうえで、子ども自身がまだわかっていない感情をどう表現するかを教えていきます。
「何か嫌なこと言われて腹が立ってたたいちゃったの?」「○○ちゃんんに言われたことに怒ってるのかな?」
嫌なことを言われた時の感情は“腹が立つ”とか”怒る“という怒りの感情だとわかります。
「お友達が持っているのに自分が持っていなくて悔しかったかな?」「やきもち焼いちゃった?」
自分にないものを人が持っている時に面白くないと感じる感情を“やきもち”というのだと知ります。
その後、「でもね、人の物を取ったらダメなんだよ。見せてとか貸してとか言葉で頼んでみようね」「人をたたいたりしたらダメなんだよ。嫌なことを言われたのなら、そんなこと言わないでと言えばいいよ」と教えていきましょう。
そうやって自分の感情を教えてもらうと、それが誰にでも起こる自然な感情なのだとだんだん理解できるようになります。
そしてさらに、それを言葉でどう表現すればいいかという方法を学び、そういう事態をどう処理していけばいいのかも同時に学んでいけるのです。

日本では以心伝心などという言葉があるように、察する文化がありますね。
でも、文化や習慣の違う世界の人達と接することが当たり前になるこれからの時代には、察する文化は残念ながら通用しません。
悲しい時は悲しい、悔しい時は悔しい、欲しい時は欲しいと言葉に出して言わなければ相手には伝わらないのです。
「察してちゃん」ではなく、幼児期から言葉で自分の気持ちや意思をしっかり伝えられるように教えていきましょう。

ウレぴあ総研

新着