【インタビュー】阪本奨悟が初挑戦や剥き出しの言葉が詰め込まれたアルバム『FLUFFY HOPE』を語る

【インタビュー】阪本奨悟が初挑戦や剥き出しの言葉が詰め込まれたアルバム『FLUFFY HOPE』を語る

【インタビュー】阪本奨悟が初挑戦や
剥き出しの言葉が詰め込まれたアルバ
ム『FLUFFY HOPE』を語る

舞台『刀剣乱舞』出演

──1st Albumリリースおめでとうございます!早速ですが、タイトルの『FLUFFY HOPE』はどういう意味なのでしょうか!?
阪本奨悟:柔らかさをイメージしたのですが、僕は“FLUFFY ”=“綿毛のような”という意味合いで使っています。10曲収録しているのですがこの楽曲たちが綿毛みたいに、沢山の人の所に届いていって、そこでまた想いが芽生えて、その人からまた違う誰かにどんどん広がっていってほしいという気持ちを込めて、『FLUFFY HOPE』というタイトルを付けました。

──直訳すると、“FLUFFY”が綿毛?
阪本奨悟:そうですね!HOPEを付ける事で、希望の綿毛になるよっていう意味合いにしています。

──なるほど!たんぽぽが咲き終わり、綿毛が飛び交う時期なのでぴったりなタイトルですね。
阪本奨悟:そうですね、今の季節に合うといいなと。

──最近は再び舞台でも活躍され、現在音楽と俳優という二足のわらじで活動されていると思いますが、今の感覚としてはいかがでしょう?
阪本奨悟:これまでも役者の単発の仕事はあったんですけど、先日のミュージカル「刀剣乱舞」では、これほどに缶詰状態で稽古に臨んで、本番をやっていったのは初めての体験でした。その期間に同時進行でこのアルバムを制作していきましたので、2本同時で進めていくのも初めてだなと感じています。

──稽古期間にアルバム制作…なぜそんなにスケジュールを詰め込んだんですか(笑)!
阪本奨悟:それは僕も思いながらやっていました(笑)、どうしてだろう?って。

──音楽をやりながらの舞台での活動は、以前と比べて舞台に望む気持ちは変わられましたか?
阪本奨悟:はい、そういう感覚はずっとありました。一から音楽と向き合っている時間がしっかりあったので、その分音楽で作曲、作詞をしてっていうのを繰り返していて歌の表現とかどういった事を伝えたいのかとか、以前より考えるようになりました。
舞台をやるにあたって、それが役者のお仕事でも今まで以上に幅が広がって表現が出来ているんじゃないかなって感じています。

──シンガーソングライターとして活躍されている中で、舞台で多くの共演者の方と共に作品を作られていると思います。そこに関してはいかがでしょうか?
阪本奨悟:舞台になると何カ月もそのメンバーと一緒なので、キャストとの距離が近い現場は久しぶりでした。それこそテニミュをやっていたのが、10年前なので、距離感が近いのは純粋に嬉しかったです。

──共演された方と互いにアドバイスをし合ったりすることも?
阪本奨悟:ありました。僕ダンスを久々にやったんですが、なかなか振り付けが覚えられなくて。なので、先輩に「ちょっと教えてください!」って話しかけて鏡前で練習しました。殺陣をやるのが人生初だったので、そこも色々苦労しました。前から『刀剣乱舞』に出演している方とも共演をさせて頂いたのですが、その方は相当慣れていらっしゃっていて、綺麗な殺陣をされていまして。何回も教えて頂きました。

──殺陣ってとても大変そうですね。
阪本奨悟:大変です。足が痛くなります。戦うので腕も手も使うんですよ。普段使わない所に圧力がかかるので、めちゃくちゃダメージがきていました(笑)。

──多忙な時期を乗り越えられたところかと思いますが、乗り切った今の心境はどうですか?
阪本奨悟:一番は解放感があります(笑)。呪縛が解かれたような感覚です。シングルを発表させてもらう度に、自分が納得のいく作品出来たという思いは持っていたのですが、少し反省点なども残っていたんです。もうちょっとこういう表現が出来たんじゃないか?なんでこの歌詞にしちゃったんだろう…悔しいなとかもあるんです。
割と今回の楽曲では、トータルバランス的にも納得のいくアルバムになったと思っています。今まで以上に、沢山のプロデューサーさんたちからアドバイスを頂きながら制作した楽曲ですのでバラエティー豊かな作品でもありますし、曲によって色も違うなと思います。

──『刀剣乱舞』から阪本さんを知って頂いた方には、ぜひ音楽も聴いて頂きたいですね。
阪本奨悟:そうですね。舞台の歌い方とは全然違いますし、ソロのアーティストとしてではなく素の自分なので、別の歌にはなっていると思います。ぜひ見て頂きたいです。

──やはり、舞台の歌い方とミュージシャンとしての歌い方は違うのですか!
阪本奨悟:違いますね。ミュージカルだと役ありきで、この役だったらどんな風に歌うんだろうな?って思うので、考え方から根本的に違うと思っています。セリフから歌になっていってたり、セリフじゃ表現できないからミュージカルになりますし。歌っているテンションも違います。

──舞台で普段と違った自分を出す分、今作では等身大の自分を出したいという想いはありましたか?
阪本奨悟:ありました。その分、今回のアルバムではより複雑な表現を省いて、よりストレートに作っていきました。

──シングルの『恋と嘘』は小説家のような書き方をされていたと思いますが、今作は割とストレートに書かれていると思いました。曲順もどの辺りに重点を置かれたのでしょうか?
阪本奨悟:一曲目に『夏のビーナス』を入れさせて頂いたんですけど、これは最初からこだわっていた所で。リードトラックにもなりますし、リリースが夏真っ只中なので、セオリーにもなる楽曲をまず聴いて頂きたいなと思いました。そこからは、頭から順番に曲を聴いていったときに、バラエティー豊かに感じてもらえるようにとこれがライブのセットリストでもおかしくないような流れになって頂けたらと、曲順もギリギリまで考えていました。

──飽きさせない曲順だと思いました!
阪本奨悟:そこは意識した部分ではありますね。

夏のビーナス
──リード曲の『夏のビーナス』からお聞きしたいのですが、このタイトルを阪本さんが考えた事に驚きを感じました(笑)
阪本奨悟:(笑)テイストとしては古さや懐かしさを入れていまして。「ビーナス」という単語が懐かしさを感じさせるかなって思ってつけました。僕の過去の恋愛をこの曲では歌っていますので、そういったノスタルジックな感じも意図として受け取ってもらえると良いです。

──こういう草食系男子を連想させる楽曲は、実体験なのかな?と思っていました。
阪本奨悟:そうなんですよ。『鼻声』もそうですし、『恋と嘘 ~ぎゅっと君の手を~』もそうですし。それの延長上じゃないですけど、『夏のビーナス』はそれを継承してリードトラックにもなりました。

──草食系の要素を出しつつも、強めな願望も歌詞に表れていますね。
阪本奨悟:そうなんです。願望だけは強めに書いています(笑)

──「いっそりんご飴になれたらな…」という歌詞がありますが、そこに意識を置く所が可愛らしいですね!
阪本奨悟:(笑)そうですよー!りんご飴になって、僕を食べてくれー!って。割と変態です(笑)

──この曲は夏の歌を書こうと思って書き始めたのですか?
阪本奨悟:そうですね。元々夏の曲って書いていなかったなって思ったんです。冬の曲や春の曲は、書いていたりするんですけど、夏の曲は全然なくて。あと僕日焼けアレルギーなので、日焼けが出来なくて…。外で長時間遊べないので、夏の日差しには弱いんです。だから海も楽しめないし…。海は日焼けもあるし、泳げないしでなにをしに行ってるかわかんないという(笑)虫も苦手なので、夏と相性があまり良くないんです!

──本当ですね…。(笑)
阪本奨悟:ただ夏に憧れはあるので、その憧れから生まれた曲です!

──だからりんご飴の歌詞が出てくるんですね!りんご飴といえばお祭りですし。
阪本奨悟:まだ僕でも楽しめる夏の風物詩なので、書けたのかもしれないです。

──「桃色浴衣」という表現も可愛らしくて良いですね。
阪本奨悟:好きな人が着ているときゅんときますね(笑)気になっちゃいます。

──好きな浴衣の柄とかありますか?
阪本奨悟:黒はあまり好きじゃないんです。シックな感じは、好きな人でも「うーん」ってなっちゃうかもしれないです。桃色の浴衣って女の子らしいじゃないですか?そういうのが好きなのかもしれないです。

──好きな人と屋台に行くとしたら、間違いなくりんご飴屋さんですか?
阪本奨悟:でも僕、りんご飴は全然食べないです(笑)僕の妄想ではあるんですけど、女の子がりんご飴を持っていると可愛いなって思うんです。女の子らしくないですか?

──確かにりんご飴を持っている女の子は可愛いイメージ!
阪本奨悟:あざといのかもしれないですけど、男子ってりんご飴を持たないなって思っていて、割と女の子はりんご飴を持っている印象があるんです。りんご飴を持つと可愛い印象を持つんだろうなって気付いてから、これを歌詞にしたら良いかもと思ったんです。

──『夏のビーナス』の中でお気に入りのフレーズはありますか?
阪本奨悟:楽曲を作るにあたって主人公の男の子がどういう子か想像したりとか、ヒロインの女の子はどういう子かを想像していくんですけど、僕の中では『夏のビーナス』ってお転婆で元気な活発の女の子のイメージが凄くあったんです。なので、最初に「高めに結んだ髪も」って書いたのは、大人しいイメージではないし、「少し日焼けした笑顔も」って書くと外で遊んでいたっていうのも聴いた人に伝わるかなと思ったので、活発な部分を表現しました。主人公像はこだわっています。

──元気な女子が想像できます!少年的といいますか。
阪本奨悟:そうですね。無邪気なイメージはずっとありました。そういう子が女の子らしい服装だったり、りんご飴を持っていると惹かれちゃうんです。

──阪本さんの願望詰めこんだんですね!(笑)
阪本奨悟:願望を詰め込みました!(笑)

──今年は阪本さんの為に世の女性が『夏のビーナス』になってもらうしかないですね!
阪本奨悟:夏のビーナスがいっぱいいて欲しいです(笑)

──同曲を夏祭りで、歌って欲しいと思います!
阪本奨悟:夏祭りでぜひ歌いたいですね。夏祭りに映える曲だと思います。
人生のピーク
──『人生のピーク』という曲は、とても思い切ったタイトルですね。
阪本奨悟:割とおバカソングで、惚気っぱなしの曲です。そういえば『鼻声』も『恋と嘘 〜ぎゅっと君の手を〜』も『夏のビーナス』もあんまり恋をエンジョイ出来ていない男の子の歌だなと思っていて。もっと自分の経験からはないものだとしても、振り切った今までに書いていないラブソングみたいなものも、書きたいなって思っていたので。妄想で書いていました(笑)

──この歌詞は、経験からではないんですね!!妄想で書いたとは思えないです(笑)
阪本奨悟:ないです(笑)こんな夢みたいな事はないですよ。

──恋が始まったときはドキドキ感の方が勝ってしまい、このようなふわふわ感にはなられないタイプ?
阪本奨悟:楽しめないんですよね。それが楽しめるようになったらいいなっていう想いで書きました。

カラカラな心
──『カラカラな心』は阪本さんの今までのイメージにはない曲だと感じました。
阪本奨悟:そうだと思います。5曲目の『自分らしく生きていたい_それだけなんだけど』という曲があるんですが、それは建前を抜きにして本音で書いているんです。それ以上に『カラカラな心』はリミッターを解除して、自分の本音と欲望をむき出しに書いてみました。

──「エサ」とか「油」というワードを使われた事にも驚きました。
阪本奨悟:そういう剥き出しな事ワードも意識していました。

──冒頭のオクターブ下で歌っている声はもしかして阪本さんでしょうか?
阪本奨悟:僕です。あそこはかなり頑張りました!割と印象的な感じに作って頂きました。

──『カラカラな心』が生まれたきっかけはどういう所にあったんでしょうか?
阪本奨悟:これは今放送されているアニメ『奴隷区 The Animation』のオープニングテーマ制作のお話を頂いたので、それから歌詞を書き始めました。アニメの世界観も人間の欲望や、ドロドロしている部分を描かれているアニメだったので、この主題歌を歌うという部分から自分自身の欲望も包み隠さず、歌っていい感覚だったんです。それが許される安心感があったので、普段の楽曲では生まれることのなかった曲だと思っています。アニメと漫画を見て、自分のリミッターを解除して、ドロドロの部分を書きました。

──2サビの歌詞は衝撃的ですね。
阪本奨悟:そうですね。これじゃ何の夢もないですよね。(笑)何か物足りない感じもあるよなと。

会いたくて
──『スクランブルドリーミング』の「輝け」という台詞はとても良いですね!ここはドキっとさせられてしまいます!
阪本奨悟:(笑)良かったです!制作段階でスタッフさんから賛否あったんです。割とチャレンジングにやっています。

──『会いたくて』はバラードで、アレンジャーの方が今作で唯一女性の方なんですね。とても繊細さを感じました。
阪本奨悟:繊細ですよね。音数も少ないですし、使っている楽器がピアノとギターだけで。少しバスドラがあるけど、それもあんまり主張していませんし。かなりエアリーな楽曲だと思います。

──この曲はストレートというより、小説家のような表現に見えるといいますか。
阪本奨悟:柔らかく書くことを意識しました。「風船のように風に預けて遠くへ手放すことができたなら」って書いたりして、その時思っていた優しい気持ちが表せたらと。

──音楽ありきでこの歌詞はできたのですか?
阪本奨悟:そうですね。曲の方が先でした。

──2サビで「会いたくて」という5文字が繰り返されるのかと思いきや、一日に一通のメールという風に変わられていて、情景描写をとても大切にされていると感じました。
阪本奨悟:1サビはカチッと譜割にハメて、語感的にも楽曲とはまっている印象を持っていたのですが、2サビではそれを崩した方がいいかなって思っていまして、その方が楽曲が展開していっているようで、よりエモーショナルで主人公が歌っているような気がしていて。なのでちゃんとハメていないんです。

──最後の「いまになってさ気がつくなんて僕は本当に君が好きだった」でグッときちゃいますね。
阪本奨悟:最初こんなにストレートに書いていいのかな?もっと良い表現があるんじゃないかな?って思っていたんですけど、探す度に行きついたのがここだったんです。結果的にストレートな言葉がきました。

bloom 〜心の花〜
──『bloom ~心の花~』は女性目線の曲ですね。女性目線の曲は初めてだったのでは?
阪本奨悟:初挑戦してみました。男の自分がどれだけ考えてみても、リアルな女性の心はわからなかったので、身近な仕事場の女性に沢山インタビューをしていました。僕の姉にもインタビューしましたし。

──「「幸せですか?」と広告の文字「幸せって何?」と問いかけた」というフレーズは、女性にはグサッとくると思います。
阪本奨悟:ここは迷った所です。最初男が主人公の歌としてもこの曲を書いていったんですけど、途中で女性に変えていったんですよ。僕が書いていた男の歌は野望とか、でっかい夢を持っている主人公を書いていました。女性に夢ありますか?って聞くと現実的な事が多かったんです。日常的に「お嫁さんになりたい」とかが多くて、仕事で出世して、社長になって大金持ちになりたいとかがなくて。そこが男と違う所だなって思ったのを覚えています。

最後に…
──『FLUFFY HOPE』は阪本さんにとってどんな一枚になりましたか?
阪本奨悟:今回のアルバムはストレートでシンプルな楽曲たちが並んでいるなと、自分では思っています。ファーストアルバムだし、自分の原点にもなるアルバムだと思っているので、まずは自分が想っているリアルでフレッシュな気持ちを、シンプルにドストレートに伝えたい、そういう曲であって欲しいと思っています。そういったものを聴き手に感じ取ってもらえたら嬉しいです。

──ライブの意気込みをお願いします!
阪本奨悟:新しいアルバムを携えてのライブなので、阪本奨悟が進化していっているという事を感じて頂きつつ、綿毛のように希望を込めた楽曲をライブで生で皆さんに届けられたらと思います。みんながそれで何か芽生えて持ち返ってもらえたら嬉しいです。ツアーのタイトルにも芽生えという意味があるスプラウトという名前にしているので、そういう想いを感じて欲しいです。
TEXT:愛香
PHOTO:片山拓

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