【尾州カワイイプロジェクト】 柴田紗希&柴田ひかりが日本一の毛織物産地・尾州を訪ねる

【尾州カワイイプロジェクト】 柴田紗希&柴田ひかりが日本一の毛織物産地・尾州を訪ねる

【尾州カワイイプロジェクト】
柴田紗希&柴田ひかりが日本一の毛織
物産地・尾州を訪ねる

今年で3年目となる、尾州カワイイプロジェクト(Bishu Kawaii Project)。柴田紗希の出身地・愛知県一宮市を中心とした尾州は、日本一の毛織物の産地なんです。尾州は、愛知県一宮市周辺と岐阜県の一部も含まれる地域。世界的にも有名な生地の産地で、世界のコレクションブランドも買い付けに来るほど! 今回、尾州産地アンバサダーの柴田紗希とカメラマン柴田ひかりが、尾州エリアを訪れ、尾州生地が作られるまでの過程を学んできました。
生地の基礎となる良質な糸を作る
【紡績】 東和毛織株式会社(愛知県一宮市)
まずは、生地の原料になる糸を作る紡績工場を訪れました。紡績とは、原材料の繊維を糸にするまでの工程。東和毛織では、原材料となるウールやアルパカなどの獣毛を輸入し、繊維に撚りをかけることで糸にします。紡績には、英式紡績、仏式紡績などいくつかの種類がありますが、訪れたときは仏式紡績の機械が稼働していました。
 
わたの状態から、糸に仕上げるためには、多くの機械を用い何種類もの工程を経て、繊維の束を少しずつ細くしていきます。
アパレルブランドに提供する国内有数のニット生地メーカー
【ニット】 宮田毛織工業株式会社(愛知県一宮市)
次は、ニット工場へ。紡績でできた糸を、編機を使用しニットにする工場です。宮田毛織工業は丸編みという編み方の機械を専門に扱う工場です。
 
ニットと織物の違いは、編むか織るか。ニットというと、セーターやカーディガンなどの太い糸の製品を想像しますが、それは横編みと呼ばれる製法。私たちが毎日着ている、Tシャツや下着類のカットソーも実はニットなんです。カットソーは丸編みという手法で編まれています。一見ニットに見えない生地でも、V字の編み目が見えるものはニットなんです。
 
工場では、円形の丸編みの機械に糸がセットされニットを編んでいました。ニットが丸く輪に仕上がるので、丸編みと呼ばれています。コンピューター制御された編み針が動き、ニットを編んでいく動作は見てるだけでも興奮!
歴史と伝統を守り続ける、高級織物
【毛織物】葛利毛織工業株式会社(愛知県一宮市)
 
葛利毛織工業は、高級毛織物の老舗企業。昭和初期から、ションヘル織機を使い続けています。高速織機が普及する現在では、生産中止になってしまった希少価値の高い織機です。手作業で時間をかけて織ることで、手触りが柔らかく、膨らみ、収縮力が出る生地が作れます。皇室を始めとした日本のセレブリティのスーツの生地として使われたり、コレクションブランドのオーダー生地なども製造しています。
 
織物は経糸(たていと)、緯糸(よこいと)を織り合わせてできる生地。葛利毛織工業では機械化が進む現代でも、昔ながらのションヘル織機にこだわるため、ほとんどの作業を手作業で行います。織機にセットする前に、綜絖(そうこう)という器具に、経糸を1本ずつ通していきます。これをすべて手作業で行うのは、何日もかかる気が遠くなるような作業。まさに職人技です。
 
工場内は織機の音に包まれ、まるで昭和初期にワープしたかのようなノスタルジックな空間です。
 
また葛利毛織工業は、のこぎり屋根と呼ばれる形状の建物が特徴的。工場内に直射日光が入るのを避けるため、北側に窓がついた構造になっています。尾州にはこのようなのこぎり屋根の工場が数多く残ります。
最先端の機械を導入する業界最大手企業
【毛織物、ニット】中伝毛織株式会社(愛知県一宮市)
中伝毛織は、最新機器を導入し、機械化で生地を生産する業界最大手です。葛利毛織工業とは真逆のスタイルで織物を作る会社です。
 
オリジナルの生地ブランド「TEXTOR」も展開しており、訪れたときには、1年後の2019年秋冬シーズンの生地が展示されていました。ここにアパレルデザイナーが訪れて、イメージに合う生地を選ぶそう。
 
工場には最先端の織機が導入され、様々な種類の織機が稼働していました。葛利毛織工業では、手作業で数日かかる綜絖の作業も、最新の機械により1時間足らずで完了します。
 
織機はすごいスピードで動き、あっという間に生地が織られていきます。
 
中伝毛織には、製織工場とニット工場が併設されています。丸編み、横編み、さらに、編み物と織物を融合した新しい素材ニーヴ。コンピューター制御により、手袋やニットが作れる製品編み機など、最先端の機械が導入されていました。
生地づくりの最終仕上げ、色や風合いを調整する
【染色整理】三星染整株式会社(岐阜県羽島市)
生地は織ったり編んだだけでは完成しません。最後に洗浄して、染色したり、質感を変えたりする染色整理という工程があります。三星染整では、用途に最適な外観と触感を与えて価値を高めています。
生地についたオイルなどを落とすために、洗濯し、乾燥させます。
色をつけたり、縮めたり、表面に細かい毛羽を出したり、顧客のニーズに合わせた加工を施します。この工程を経て、生地は縫製工場へと流れていきます。
尾州の糸や布地を、見て、触れて、買える 
【素材の展示販売】Re-TAiL(愛知県一宮市)
1933年築のレトロなビルを再利用したRe-TAiLは、「せんいのまちで、せんいのビル。」をテーマに、上質な素材を展示&販売する「アール・マテリアル・プロジェクト」を始め、テキスタイル、ファッション、デザインのアトリエやオフィスが入っています。
 
1Fの素材のショールームには、尾州産地のテキスタイルや糸が約3000種類ほど並び、普段は流通しないサンプルやデッドストックなど含めて、様々な繊維素材が揃います。アパレルの業界人だけでなく、誰でもお買い物ができます。
尾州産地を影で支える機関
【繊維産業振興機関】一宮地場産業ファッションデザインセンター(愛知県一宮市)
愛知県一宮市を中心にした尾州地域の繊維産業を支援するデザインセンター。常設展示場に加え、展示ホール、図書室などもあり、アパレル業界の人だけでなく、誰でも入場できます。尾州の生地や一宮市の特産品などを常設展示しています。
資料室には、生地展示会に出展した尾州のサンプル生地が並びます。過去の生地も保管しているので、生地の流行がわかるようになっています。
国内最大のテキスタイル素材館
【資料館】テキスタイルマテリアルセンター(岐阜県羽島市)
日本全国のファッション衣料用素材を集積した国内最大のテキスタイル資料館。尾州だけでなく、日本全国の優れた開発素材を収蔵しています。過去40年以上前から最新のトレンド素材まで幅広く展示しており、素材サンプルは10万点以上!
 
なんと、120年以上前のヨーロッパの生地も資料として保管されています。
また、90年代には日本のデザイナーによるファッションショー「尾州コレクション」が行われており、当時の衣装も保管されています。2人は「KEITA MARUYAMA」の衣装を試着させてもらいました。アパレル関係者だけでなく、ファッション業界を目指す学生さんも見学に訪れるスポットです。
今回、柴田紗希と柴田ひかりが訪れた尾州。日本一の毛織物産地は、様々な人たちによって、守られていました。ものづくりの最前線に触れた2人は、たくさんの刺激を受けました。

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