2019年3月10日 at 横浜アリーナ

2019年3月10日 at 横浜アリーナ

【シド ライヴレポート】
『SID 15th Anniversary
GRAND FINAL at 横浜アリーナ
~その未来へ~』
2019年3月10日 at 横浜アリーナ

2019年3月10日 at 横浜アリーナ
2019年3月10日 at 横浜アリーナ
2019年3月10日 at 横浜アリーナ
2019年3月10日 at 横浜アリーナ
2019年3月10日 at 横浜アリーナ
2019年3月10日 at 横浜アリーナ
2019年3月10日 at 横浜アリーナ
2019年3月10日 at 横浜アリーナ
2019年3月10日 at 横浜アリーナ
2019年3月10日 at 横浜アリーナ
2019年3月10日 at 横浜アリーナ
2019年3月10日 at 横浜アリーナ
 バンドの歩んできた道のり、詰まったストーリー、未来への想いが凝縮されたような素晴らしいアクトーー。シドが3月10日に横浜アリーナで15周年のグランドファイナル公演『SID 15th Anniversary GRAND FINAL at 横浜アリーナ ~その未来へ~』を開催した。

 途中のMCで“何度、この光景を見たかったか。8年越しですね”と語り掛けたゆうや(Dr)。その言葉には2011年の3月19日&20日に行なわれるはずだった同会場での公演が、東日本大震災の被災状況を踏まえて中止という決断を下すことになったという背景がある。この日のライヴの幕開けの曲は「NO LDK」。アンコールでマオ(Vo)は“8年前のツアーで1曲目だったこの曲からライヴを始めようと思っていた”と理由を明かしたが、15周年と相まってシドにとっても集まったファンにとっても時間が巻き戻され、まだ見ぬ景色へと向かっていくような感無量の一夜となった。

 4人はお揃いのミリタリー調の衣装。メジャーデビュー曲「モノクロのキス」や「嘘」、インディーズ時代からの「ホソイコエ」「ハナビラ」「隣人」など懐かしいナンバーを織り交ぜたセットリストは周年ならでは。目の前に広がる景色を圧巻と表現した明希(Ba)は“今日は15周年の大打ち上げだと思うんですよ!”と煽り、明希からラーメン通として有名なことをいじられたShinji(Gu)はバンドをラーメンの麺に例えて“最近は太くて長い麺もたくさんあるんです。そんなバンドになりたいなと思います”と場内を沸かせた。

 マオのややハスキーで色気のあるヴォーカル、緻密でエモーショナルでスキルの高い演奏にはますます磨きが掛かり、シドが発信してきた楽曲たちの普遍的な魅力を持つメロディーを証明。オープニングから映画館にいるような気持ちにさせられた巨大ハイビジョンに映る飛空艇が主役のスチームパンク的な映像やセットの演出も、シドの曲をドラマチックにサポートする役目を果たしていた。夕焼けや雪の降る景色、桜吹雪が舞い散る空を飛んでいく飛空艇はシドとファンを乗せているようなロマンが詰まったアイコン。どこか郷愁のある彼らの曲は四季のある日本だからこそ生み出されたものだということを改めて実感させられた。ライヴの温度は後半に向かうにつれて上昇し、センター席の通路まで降りて歌うマオに場内大興奮。ラストはスクリーンの炎の演出とファイアーボールで炸裂の「眩暈」で瓦礫と化した都市の映像が映し出されるエンディングも強烈な印象を残した。

 本編と打って変わって4人が笑えるほどバラバラな衣装で登場し、フェイクファーのコートと白いハットのマオが“あなた、スターじゃない?”とメンバーにいじられたアンコールのステージでは、イントロで悲鳴に近い歓声が上がった初期の切なすぎる曲「空の便箋、空への手紙」を披露。そして、マオが“みんなにシドの未来を見せたくて急いで新曲を持ってきました”とグルーブ感からして新鮮な未来に光を照らすような新曲「君色の朝」を届けられ、「Dear Tokyo」では“Dear Yokohama!”と叫び、大合唱の場内に“横浜! リベンジを果たしたぞ!”と叫び、“ここをライヴハウスだと思ってグチャグチャにしてくれ!”という言葉のあとで文字通りの光景となった「one way」を放つ。MC限定ツアーや対バンツアー(みやかわくん、GRANRODEO、BiSH)、約2年振りのアルバムのリリース、全国ホールツアーの開催など次々と2019年の予定を告知し、歓喜に沸く場内にラストナンバー「その未来へ」が届けられる。ひとつになって客席のみんなが歌う様子がビジョンに映し出され、天井からは同曲の歌詞の一節が書かれた真っ白なハートたちが紙飛行機のようにゆっくりと舞い落ちた。歌い終わったマオはマイクを握りしめたまま。その目からはせきを切ったように涙がこぼれ落ちた。

 そんなマオを抱きしめたゆうや。“15年間、俺たちに夢をありがとう!”と叫んだ明希。幸せはささいなことにあると考えるようになったと話し、“今日みたいな日はとっても幸せな日だと思います”と告げたShinji。マオはときおり言葉を詰まらせながら“映像に映っていた飛空みたいにシドは不安定で浮いたり沈んだり。なぜ、ずっと飛べないんだろうと思ったこともあったけど、浮いたり沈んだりするのが俺だし、シドだと思いました。みんなが沈んでる時は俺が歌で助けるから。これからも応援してください”と15年の重みを感じさせるメッセージで締め括った。その未来に光を届けるべくシドの道は続いていく。

撮影:今元秀明、緒車寿一/取材:山本弘子


セットリスト

  1. 1. NO LDK
  2. 2. ANNIVERSARY
  3. 3. V.I.P
  4. 4. cosmetic
  5. 5. KILL TIME
  6. 6. 罠
  7. 7. モノクロのキス
  8. 8. 嘘
  9. 9. ホソイコエ
  10. 10. 2℃目の彼女
  11. 11. スノウ
  12. 12. ハナビラ
  13. 13. dummy
  14. 14. 隣人
  15. 15. プロポーズ
  16. 16. 眩暈
  17. <ENCORE>
  18. 1. 空の便箋、空への手紙
  19. 2. 君色の朝(新曲)
  20. 3. 循環
  21. 4. Dear Tokyo
  22. 5. one way
  23. 6. その未来へ
シド プロフィール

シド:2003年結成。08年、TVアニメ『黒執事』オープニングテーマ「モノクロのキス」でメジャーデビュー。10年の東京ドーム公演では4万人を動員。結成10周年となった13年には初のベストアルバム『SID 10th Anniversary BEST』をリリースし、オリコンウィークリー1位を獲得。同年、横浜スタジアムで10周年記念ライヴを開催し、夏には初の野外ツアーで4都市5公演で5万人を動員し大成功を収める。16年1月、シングルベストアルバム 『SID ALL SINGLES BEST』を発表。18年4月にはアニメタイアップ楽曲を網羅したベストアルバム『SID Anime Best 2008-2017』を発表。シド オフィシャルHP

OKMusic編集部

全ての音楽情報がここに、ファンから評論家まで、誰もが「アーティスト」、「音楽」がもつ可能性を最大限に発信できる音楽情報メディアです。