【The Super Ball ライヴレポート】
『SPB 3rd ANNIVERSARY LIVE』
2019年7月20日 at 横浜YTJホール
“夢って口に出すのが怖いと思ってた時もあるけど…今は本気でドームで歌いたい! これからの道のりも、ドームへの長い旅だと思ったらわくわくして仕方ない”――2016年のメジャーデビューからちょうど3周年の記念日に、吉田理幹(Pf&Vo)はそう断言した。そして、“今日は過去イチの曲数でお届けします”という佐々木陽吾(Gu&Vo)の言葉通り、デビューシングルから最新曲まで全19曲を叩き付けたステージでThe Super Ballのふたりが訴えたのは、今、胸にある覚悟と未来への決意。この3年でアーティストとして、何より“人”として成長を遂げた彼らの姿が、そこにあった。
ピアノとギターとふたつの声のハーモニー。自身が発する音だけで構成された「君の目盛り」でスパボの真髄をド頭から堪能させて、デビュー3周年ライヴは幕開けた。以降、アップからミドル、スローとさまざまな曲調で多彩なヴォーカルワークを丁寧に披露しつつ、なんとステージを下りて客席を1周する場面まで。中でもフックとなったのが最新シングル「花火」収録の3曲で、元高校球児の吉田が自身の体験を詞に落とし込んだ応援歌「夏の神様」のエモーションなどは、もはやロックの域だった。フジテレビ『ザ・ノンフィクション』の主題歌「サンサーラ」でも、曲頭から揃うアカペラや輪廻を歌い上げる渾身のヴォーカルに厳かな気持ちが込み上げ、マイク越しに主人公の痛みがビシビシと伝わってくる「花火」の熱唱が、“デビューして本気で音楽で人を幸せにしたいと思うようになった”という吉田の言葉を裏付ける。タオルが舞う終盤戦でファンとの心の距離を縮め、ステージに立つ人間のリアルな心情を綴った「人生ゲーム」でライヴの喜びは頂点に。
そして、「君の夢は僕の夢」で夢への熱い想いを訴えると、アンコールで佐々木はこう語った。“歌が上手い以上にみんなとのつながりや空気、人間性を共有して歩いていくのがアーティストなんだと最近気付いてきた。来年の7月20日はもっと温かくて素敵な空間を作りたいなと思います”。根本に気付いた人間ほど強いものはない。ラストソング「弘前公園」で喪失からの“気付き”を歌うふたりの素朴な声は聴く者の心を震わせ、やがて美しい大合唱へと昇華していった。
ピアノとギターとふたつの声のハーモニー。自身が発する音だけで構成された「君の目盛り」でスパボの真髄をド頭から堪能させて、デビュー3周年ライヴは幕開けた。以降、アップからミドル、スローとさまざまな曲調で多彩なヴォーカルワークを丁寧に披露しつつ、なんとステージを下りて客席を1周する場面まで。中でもフックとなったのが最新シングル「花火」収録の3曲で、元高校球児の吉田が自身の体験を詞に落とし込んだ応援歌「夏の神様」のエモーションなどは、もはやロックの域だった。フジテレビ『ザ・ノンフィクション』の主題歌「サンサーラ」でも、曲頭から揃うアカペラや輪廻を歌い上げる渾身のヴォーカルに厳かな気持ちが込み上げ、マイク越しに主人公の痛みがビシビシと伝わってくる「花火」の熱唱が、“デビューして本気で音楽で人を幸せにしたいと思うようになった”という吉田の言葉を裏付ける。タオルが舞う終盤戦でファンとの心の距離を縮め、ステージに立つ人間のリアルな心情を綴った「人生ゲーム」でライヴの喜びは頂点に。
そして、「君の夢は僕の夢」で夢への熱い想いを訴えると、アンコールで佐々木はこう語った。“歌が上手い以上にみんなとのつながりや空気、人間性を共有して歩いていくのがアーティストなんだと最近気付いてきた。来年の7月20日はもっと温かくて素敵な空間を作りたいなと思います”。根本に気付いた人間ほど強いものはない。ラストソング「弘前公園」で喪失からの“気付き”を歌うふたりの素朴な声は聴く者の心を震わせ、やがて美しい大合唱へと昇華していった。
取材:清水素子