スタクラフェスに相葉裕樹が参戦!
「伊礼彼方さんと一緒に“闇を広げ”
させていただけたら(笑)」

昨年誕生した国内最大の全野外型クラシック音楽祭、『STAND UP! CLASSIC FESTIVAL』(以下スタクラフェス)が、今年も同じ横浜赤レンガ倉庫特設会場にて、2日間に規模を拡大して開催される。クラシック音楽だけでなく、ミュージカルやアニメの音楽も多数登場することが特徴となっているこのフェスに、今年新たに参戦する俳優のひとりが相葉裕樹。先日の「FNSうたの夏まつり2019」での、『レ・ミゼラブル』アンジョルラス役としての華々しいパフォーマンスも話題となった彼に、出演への意気込みを聞いた。
「まるでミュージカル俳優みたい」⁉
ーーまずは、スタクラフェスへの出演オファーがきた時の率直なお気持ちからお聞かせいただければと思います。
こういうのに呼んでいただけるなんて、まるでミュージカル俳優みたいだなと(笑)。ここ数年ミュージカルの仕事が増えてはいますけど、出身がそうじゃないからか、“ミュージカル俳優”として扱われると未だに不思議な気分になるんです。しかも、ミュージカルをやるようになってから発声法を学ぶことはあっても、クラシックに触れた経験となると小学校の音楽の授業以来(笑)。そんな自分が、まさかクラシックのフェスに呼んでいただけるとは思っていなかったので、すごく光栄でしたし感慨深かったです。
相葉裕樹
ーーミュージカルにフィーチャーした二つのプログラムのうち、相葉さんは『レ・ミゼラブル』の楽曲が多数披露される28日の「クラシック紅白歌合戦 オペラからミュージカルへ」ではなく、29日の「This is ミュージカル」のほうにご出演されます。
その時期はちょうど『ダンス・オブ・ヴァンパイア』(11月5日初日)の稽古真っただ中ということで、1日だけの出演になったんですが、本当は『レ・ミゼラブル』のほうにも出たかったんですよ! 28日にも、できることなら駆け付け出演したいくらいです(笑)。
ーーせっかくなので、話が脱線しますがその『レ・ミゼラブル』(9月17日千秋楽)についても少しお聞かせください。ご自身2度目のアンジョルラス役はいかがですか?
初めて演じた2017年とは、やっぱり景色が全然違いますね。アンジョルラスとして舞台上で生きることが、以前よりも力まず自然にできるようになったので、そのぶんその場で起きることに対応できるんです。前回は自分のことだけで精一杯でしたけど、今回は学生役のみんなのアドリブの芝居にもアドリブで返すことができている。返すと言っても、「落ち着け」って制してることがほとんどですけどね。でもそんな中から、思ってもいなかったような化学反応が起きたりもするので、毎日すごく楽しいです。
相葉裕樹
テニミュ以来の伊礼彼方との“対戦”
ーー話を戻して、スタクラフェスで歌われる楽曲についてお聞きします。ソロ曲として、『ピピン』の「コーナー・オブ・ザ・スカイ」を選ばれたのはなぜですか?
『ピピン』は僕が二十歳の頃、ブロードウェイ・ミュージカルに初主演させていただいた作品です。当時はスキルが伴っていなかったですし、ペース配分とかも分かっていなかったから、たくさん苦しんだ覚えがあって。もちろん当時の自分の全力ではやっていたし、二十歳にしては良くやったっていう思いもありますけど(笑)、主役としては不完全だったかなという感じがあるんですよね。でも本当に大好きな作品だから、いつかまた挑戦したい気持ちがあって、それ以来イベントとかでは何度か歌っていたのがこの曲。今回はオーケストラの皆さんが一緒ということもあって、ぜひまた歌いたいと思って選ばせていただきました。
ーー『ピピン』といえば、最近では城田優さんが、相葉さんのものとはまた別のバージョンに主演されて好評を博しました。
もちろん観に行きました。本当に素晴らしかったです! でも正直、歌詞だけで言ったら、僕は自分が主演した2007年版のほうが好き(笑)。それはやっぱり、思い入れがありますからね! だから今回歌う「コーナー・オブ・ザ・スカイ」も、城田君のとは歌詞も構成も違う2007年版です。僕、この曲を歌うと若い頃の、未来に希望を持っている無垢な気持ちに戻れる気がするんですよ。いや、希望は今も持っていますけど(笑)、それくらいキラキラした曲なんですよね。若者が自分の場所を探しに旅に出る時の、ワクワクした気持ちが全面に出ている曲なので、聴いてくださる皆さんにも一緒に旅をしてもらえたらいいなと思います。

相葉裕樹

ーーそしてもう1曲、伊礼彼方さんとのデュエットで『エリザベート』の「闇が広がる」も歌われます。こちらの選曲ポイントは?
『エリザベート』には出たことがないんですが、まだミュージカルの歌をほとんど知らなかった頃にコンサートのお仕事が入って、色々聴くなかで「カッコいい!」と思って歌って以来、ことあるごとに歌っている曲です。彼方君と話している時に、僕が「“闇広”とかどうですか?」って言ったら「いいね、やろうよ!」って。一緒にこの曲を歌うのは初めてになりますけど、実は彼方君とは僕、18歳の時に『テニスの王子様』で“対戦”してるんですよ。今も『レ・ミゼラブル』で共演中なので、本番の合間を縫って練習して、一緒に闇を広げさせていただきたいなと(笑)。この曲は、ただ歌うより役に入り込んだほうが絶対に伝わると思うので、即席にはなりますけど、本番では僕なりのルドルフを演じたいなと思っています。
ーーソロ曲とデュエット曲のほかに、LE VELVETSの皆さん、朝夏まなとさん、そして伊礼さんら、プログラムの出演者全員で歌う曲もあるそうですね。
そうですね、『RENT』の「シーズンズ・オブ・ラブ」を英語で歌うとのことなので、英語が苦手な僕としては、チビソロとかなければいいなと思っているところなんですけど(笑)。でも、皆さんと一緒に歌えるのは楽しみですね。
相葉裕樹
伸び率世界一のアンジョルラス!
ーースタクラフェス全体についてもお聞きしたいのですが、野外ステージに立った経験はおありですか?
元々3人組のストリートダンスユニットにいたので、“野外出身”ではあるんですけど…僕、歌が死ぬほど下手で、当時はほとんど歌わせてもらえなかったんですよ。パート分けの時、「相葉っちは歌うのやめとこっか!」って言われて、「俺そんなダメ⁉」って。ユニゾンのパートは、制汗剤のスプレーをマイク代わりにして一緒に歌っていましたけど(笑)、それこそチビソロとかは1個ももらえなかった。そう考えると、今アンジョルラスをやっているってすごいことですよね! 多分、伸び率で言ったら世界一のアンジョルラスだと思います。あくまで伸び率で言ったら、ですよ(笑)? そんな感じなので、経験はない、と言っておきます(笑)。音響や照明がちゃんとしている野外ステージは、本当に初めてですしね。
ーーでは、観客としてはいかがですか?
何度か経験していて、ひたすら暑かったですけど(笑)、気持ちが良くて楽しいイメージがありますね。特に今回ステージが特設される横浜は、歩いているだけで優雅な気持ちになれるところだから、そんななかで歌ったらどういう感じになるのか、楽しみです。時間があればほかのプログラムも聴きたくて、特に気になっているのが→Pia-no-jaC←さん。何年か前、たまたま入ったお店で流れてて、「ピアノでこんなカッコいい曲あるんだ!」って衝撃を受けて、CDを買って聴いていたんです。音楽って出会いだと思うから、→Pia-no-jaC←さんとも“再会”できたら素敵だなと思います。
相葉裕樹
ーー最後に改めて、SPICE読者にメッセージをお願いします!
クラシックファンの方もミュージカルファンの方も、はたまたそういうものに普段触れていない方も、ドリンクを飲みながら楽しくわいわいカジュアルに、しかも海辺で素敵な音楽を堪能できるフェスですので、ぜひお気軽に遊びに来てください。お待ちしています!
STAND UP! CLASSIC FES '19 相葉裕樹コメント

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