DREAMS COME TRUE × Gのレコンギス
タ、新たなフェイズへの幸福なコラボ
レーション "さぁ物語の続きを見に行
こう”

ガンダムとドリカム。一見意外な、しかしゴージャスとしか言いようのない組み合わせが告知され、アニメ・ファンと音楽ファンの双方をざわつかせたのは昨年11月。劇場版『GのレコンギスタI 行け!コア・ファイター』公開初日のことだった。当時楽曲は未完成、次作『GのレコンギスタII』の予告編で、インストゥルメンタルのみ流れるという趣向だったが、ついにその全貌が明らかになった。『GのレコンギスタII ベルリ撃進』の劇場公開に先駆け、2月19日に配信スタートした新曲「G」と、同時公開されたガンダム✕ドリカムのコラボ・ムービーがそれだ。果たしてその中身とは? 早速深堀り視聴を試みてみる。
DREAMS COME TRUE × Gのレコンギスタ コラボムービー
これは「ミュージック・ビデオ」ではない。そして「予告編」ともちがう。激しく打ちならされる緊迫感満点のビートと、シネマスコープ・サイズで展開されるアニメーションの完璧なシンクロ。ストリングスが疾風のように吹きすさび、ホーン・セクションが登場するやいなやパッと開ける空間、そして視界に飛び込む地球。ゆっくりとスクロールされる画面には、映画の場面が次々とコラージュされてゆく。かっこいい。
モビルスーツは進化するのに--。え、ドリカムが「モビルスーツ」とか歌ってるんだけど。あまりに直球な歌いだしに度肝を抜かれつつ、その後は哲学的かつ力強いメッセージ・ソングへと落とし込んでゆく展開。うまい。歌詞がちゃんと画面に出るから伝わりやすい。今のモビルスーツってこんなフォルムなんだ。初代ガンダムのリアルタイム世代には、なかなか感慨深いシーンが続く。
サビは英語詞。「シェイクスピア」が出て来るのが妙に意味深。ほんの少しだけエフェクトをかけた、吉田美和のボーカルはまるで宇宙空間を浮遊しているよう。熱く歌い上げるよりはクールにコンシャスに、ファンキーなサウンドと、解放感あふれる映像とシンクロする歌声がいい感じ。良い意味で、映画のパーツになり切っているプロフェッショナルなかっこよさ。
何度も繰り返される「the greatest gear」って何だろう。ガンダムの世界ではもちろんモビルスーツのことだろうが、「最高の装備」というのはきっと比喩でもあるんだろう。あなたの人生にとって最高の装備って何ですか? サビを英語詞にしたのは、ガンダムには海外ファンも多いことを見越したからでもあるだろう。中村正人が手掛けたサウンドは現代的なファンク/ダンス、レトロなディスコ/ソウル、間奏はハードなテクノポップ風でもあって、世代を問わずに聴ける。いいね。
ガンダム作品の肝である、多彩なキャラクターによる群像劇は相変わらず魅力的だし、戦闘シーンも迫力あり。『Gのレコンギスタ』はそもそも、「少年ベルリと少女アイーダの世界探求の物語」で全部で5部作だから、物語はまだ途中。アニメ界のレジェンド・富野由悠季監督にとっても集大成的な作品になるはずで、いやがうえにも期待は高まる。充実のデビュー30周年イヤーを経過中のドリカムにとっても、新たなフェイズに挑むシングルということで気合は高鳴る。この作品を、今を生きる「もっと若い層に伝えたい」という富野由悠季の願いに、中村正人とDREAMS COME TRUEが応えることで実現した、幸福なコラボレーション。どうかじっくりと、隅々まで楽しんで。そして劇場へ、そしてライブ会場へ、物語の続きを見に行こう。

文=宮本英夫

SPICE

SPICE(スパイス)は、音楽、クラシック、舞台、アニメ・ゲーム、イベント・レジャー、映画、アートのニュースやレポート、インタビューやコラム、動画などHOTなコンテンツをお届けするエンターテイメント特化型情報メディアです。

連載コラム

  • ランキングには出てこない、マジ聴き必至の5曲!
  • これだけはおさえたい邦楽名盤列伝!
  • これだけはおさえたい洋楽名盤列伝!
  • MUSIC SUPPORTERS
  • the Homeground
  • Key Person
  • 気になるワードでディグる! 〇〇なMV
  • PunkyFineのそれでいきましょう!~V-MUSICジェネシス日記~

ギャラリー

  • Tsubasa Shimada presents / 「Wet Crate」
  • SUPER★DRAGON / 「楽楽★PAINT」
  • Yun*chi / 「Yun*chiのモヤモヤモヤ」
  • OLDCODEX / 「WHY I PAINT ~なぜボクがえをかくのか~」
  • 魔法少女になり隊 / 「魔法少女になり隊明治のあったりなかったり」
  • みねこ美根 / 「映画の指輪のつくり方」
  • 嘘とカメレオン / 「猫を抱いて蝶と泳ぐ」
  • エドガー・サリヴァン / 「東京文化びと探訪」

新着