L→R NAOKI(Gu)、TAISEI(Vo)、MATCHAN(Dr)、KEN(Ba)

L→R NAOKI(Gu)、TAISEI(Vo)、MATCHAN(Dr)、KEN(Ba)

【SA インタビュー】
これまでとサウンドが
違うところをまず見せたかった

逃げ道を作った歌詞は
刺さらないと思う

そんな今回の歌詞は今まで以上に赤裸々なものになってますよね?

TAISEI
そこは…大きいですよ、やっぱり。赤裸々にしなきゃダメだなと思ったね。バンドマンとしてよりも、53歳になる音楽をやっているひとりの男の言葉じゃないとダメだなと。ミュージシャンというよりは、馬渕太成という人間性を出すのは今しかないと思ったね。

先ほどNAOKIさんもKENさんもMATCHANさんが加入してバンドの音が根底から変わったことで、自身のプレイも変化せざるを得なくなったというような話をしていましたが、TAISEIさんの場合もこのサウンドに乗せるにはこれまで以上の歌詞を…ということだったでしょうか?

TAISEI
そうだね。“自分はどうあるべきか?”とか“あとの人生をどう生きるのか?”とか、そういう位置に立ったと思う。

それがあふれてますよね。

TAISEI
“どう生きたいの、君は?”って自問自答をすごくしたね。ロック、パンク、音楽、その前に人間というところがあったし、生活、愛、悲しみ…そういうところに立った。でも、歌詞というのはそのくらいやらないと、ケツが拭けないところはあるよね。

個人的に少し驚いたのは、「すったもんだBILLY」の《泣かせた人は幸せだろうか? 心がチクリと痛むけれども》や、「心、走れ」の《やさしくしてくれた人を 裏切ったことがあるかい?》です。私自身もここまでの人生、大きな失敗もしてますし。

TAISEI
するよね?

長く生きていれば誰もが大なり小なりそうした経験はあると思うんですけど、それを歌詞にしたためるというのは、ものすごい決意が必要なことだと思うんです。

TAISEI
そう。そこを言うか言わないかは大きな分かれ目になると思って、俺はそう言ったんだけども、“お前、そういう奴なんだぞ!”というところにいないといけないと思ってて。そこで目を伏せたり、蓋しちゃダメだと思ったから。聴いた人間もグサッとくると思うんだよね。“あっ、俺にもあるわ”とか。そういうところでは刺さると同時に自分への懺悔の気持ちも出てきたし、それを言うことで自分の甘さや弱さが浄化されていくのかもしれない。

歌詞にすることもそうですし、これらの楽曲をこれからライヴで何度も歌うことになると、まったく逃げ場がなくなりますよね。

TAISEI
逃げ道を作った歌詞は刺さらないと思う。まぁ、逃げ道ばかり作ってる連中も多いけどね(笑)。だけど、53歳にもなる男が“ぶっ壊せ! 関係ねぇぜ!”なわけがないわけで、そういう意味では“自分がどんな人間で、どうなりたいのか?”というところを赤裸々にしたいと思うね。

今言われたことは「MY AIM IS TRUE」の《耳触りのいい慰めの歌なんて捨てちまえ!》にも通じますね。

TAISEI
まぁ、それはやけくそで吠えただけなんだけどね(笑)。

でも、赤裸々に自分を曝け出したあとだからこその力強さを感じます。

TAISEI
うん。そう言ったからにはもう後戻りできないからね。だけど、そこまで追い込むというか、そこに立ち位置を持っていかないと、ヴォーカリストで作詞をしている表現者としてはダメだと思う。逃げられる場所を作っちゃダメだね。だから、「心、走れ」で《「逃げる場所はもう無いんだぜ」》と歌ったんだろうし。

しかも、「BLACK SEA」には《「さぁ、はじめようぜ」》ともあるじゃないですか。そう言えるのもすごいことだと思いますよ。

TAISEI
でもね、今回の歌詞にしてもサウンドにしてもそうだけど、MATCHANが入ったことで、“ここからもう一回スタートするんだ”という気持ちが強くて。作品を作ればより多くの人に聴いてほしいと思うのは当たり前の話だと思うんだけども、俺らがステージに立って、そこでの空気を感じて、汗を飛ばし合うのは、やっぱりライヴに来てくれる奴らなのよ。つまり、ファンであるコムレイズなわけで。今からSAに入ってきてくれる奴もいるかもしれないし、これからラジオで知って“いいバンドだな”って聴く奴もいるかもしれない…そういう奴らには申し訳ない言い方になるけど、このアルバムを作っている時点では“メンバーが代わってSAはどうなるんだ?”と思いながらも信じて着いて来てくれた全国のコムレイズの連中に向けて言っている部分が大きかったと思う。だから、タイトルも“CALL UP MY COMRADES”になったわけで。

迷うことなくタイトルに“COMRADES”を入れたと?

TAISEI
うん。
NAOKI
さっきも言った通り、MATCHANが入って50本くらいライヴをやったんだけど、“MATCHANコール”がすごくて、こっちが嫉妬するくらいなんですよ(笑)。
全員
あははは。
NAOKI
コムレイズが“MATCHANコール”を止めない(笑)。俺はそんなふうに最初からMATCHANを歓迎してくれたコムレイズに対する感謝も感じてるしね。
MATCHAN
みんな、超やさしくて! 一回目から受け入れてくれてました。あれは超嬉しかったですね。

分かりました。『CALL UP MY COMRADES』はSAの新しい船出に相応しい作品となったことが確認できましたし、それをツアーで全国のコムレイズと分かち合いたいですよね……と、このインタビューを締め括りたいところなんですけど(苦笑)。

TAISEI
そうなんですよね(苦笑)。
NAOKI
まぁ、仕方がないんだけどね。

いろんな要素が入ったアルバムではありますけど、基本的にはオーディエンスも歌えたり叫べたりする楽曲ばかりですから、ライヴ向きはライヴ向けの作品なんですよね。今は待つしかないです。

TAISEI
うん、そうね。
NAOKI
“いつかできるだろう”って3月中はめっちゃリハしたんで、『CALL UP MY COMRADES』の曲は音源よりめちゃうまくなってたんですよ(笑)。でも、4月もダメ、5月もダメで、6月ダメになって…。
TAISEI
しばらく音を出してないから、また1からやらなきゃダメだろうね。
NAOKI
あんだけやったのにリハビリが必要だよ(苦笑)。
全員
あははは。

取材:帆苅智之

アルバム『CALL UP MY COMRADES』2020年6月17日発売 Imperial Records
    • TECI-1674
    • ¥3,000(税抜)

ライヴ情報

『アルバムリリース記念ツアー2020
「CALL UP ! AGAIN - Light Breeze乗っかって-」』
6/19(金) 愛知・名古屋HUCKFINN ※公演延期
6/20(土) 大阪・pangea ※公演延期
6/27(土) 宮城・仙台FLYING SON ※公演延期
7/12(日) 東京・新宿LOFT

『FABULOUS OPERATION 〜ピーカン ロッキーロード〜』<振替公演>
7/30(木) 福島・郡山PEAK ACTION
8/01(土) 岩手・盛岡Club Change
8/07(金) 静岡・UMBER
8/12(水) 香川・高松TOONICE
8/14(金) 福岡・Queblick
9/04(金) 北海道・札幌KLUB COUNTER ACTION

SA プロフィール

エス・エー:1984年、当時高校生のTAISEIを中心に結成。ロックンロールに根付いたキャッチーなメロディーとシンガロングな楽曲スタイルが話題となり、パンクスの間で大きな知名度を得るも、3年足らずで解散。そして、根強いファンの後押しにより、99年にTAISEIソロプロジェクトとして再始動を果たす。それを機に2002年に最強の布陣である現メンバーが揃い、精力的な活動を開始。16年1月にベストアルバム『ハローグッドバイ』でメジャーデビューを果たした。SA オフィシャルHP

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OKMusic編集部

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