和田光司「Butter-Fly」はいつも無限大の勇気を与えてくれる不死蝶ソング

和田光司「Butter-Fly」はいつも無限大の勇気を与えてくれる不死蝶ソング

和田光司「Butter-Fly」はいつも無限
大の勇気を与えてくれる不死蝶ソング

「Butter-Fly」は根強い人気を誇るアニメソング

▲Butter-Fly /和田光司【Animelo Summer Live 2014-ONENESS-Day1】
1999年に発売された『Butter-fly』は、和田光司のファーストシングルで、アニメ『デジモンアドベンチャー』の主題歌です。
和田光司は病気療養を経て、2度の音楽活動復帰を果たしたことから、この曲のタイトルに掛けて不死蝶のアニソンシンガーと呼ばれています。
アニメ『デジモンアドベンチャー』は8人の小学生が異世界「デジタルワールド」に迷い込み、モンスターと冒険しながら成長していく物語です。
その主題歌である『Butter-Fly』は、高揚感あふれるメロディーの中に聴く人の背中を押してくれるメッセージが込めらています。
歌詞の内容を読み解いていきましょう。
タイトルを「蝶」にした理由を考える
Butter-Fly 歌詞 「和田光司」
https://utaten.com/lyric/ja00008426
「ゴキゲンな蝶になってきらめく風に乗って」から、春のような希望に満ちあふれた世界が想像できますね。
「ゴキゲンな蝶」とは春の陽気の中を自由に飛びながら、花から花へ花粉を運んでいく蝶なのでしょう。
この部分では、花へ向かう蝶のように理屈抜きで大切な人に会いにいこう。まっすぐ夢へ向かおうと手招きしていると考えられます。
大切な人に想いを伝えたい時、鳥のように飛んでいきたいと思う人もいるでしょう。
なぜ、鳥ではなく蝶になるのでしょうか?
きっと鳥のように速くかっこよく飛べなくても、花へ確実に花粉を届けられる蝶が主人公にとって良かったのかもしれません。
したいけどできない不安と葛藤
Butter-Fly 歌詞 「和田光司」
https://utaten.com/lyric/ja00008426
気持ちを伝えるためには、迷いや葛藤、不安を取り払うことが必要でしょう。
悩んだり不安を隠すために冗談を言って時間を浪費している場合ではないと主人公は分かっているのです。
それでも伝えたい想いを言葉にして、相手に向かって伝えることは勇気がいります。
どうしたらまっすぐ気持ちを伝えられるか、「明日の予定も分からない」ような漠然とした大きな不安にさいなまれているのでしょう。
「この空に届くのだろう」と歌われるように、相手や目標が高いところにいると感じられ、プレッシャーに潰されそうになっているのかもしれません。
大事な場面を前に不安になり、動けなくなってしまう気持ちを代弁しているようですね。
心が折れても君は飛べる
Butter-Fly 歌詞 「和田光司」
https://utaten.com/lyric/ja00008426
サビではこの楽曲の中で伝えたいメッセージが一番力強く歌われています。
「無限大な夢」とは、アニメの主人公である小学生達のように可能性や望みに満ちあふれた状態でしょう。
しかし、どれほど叶えたい夢や希望が溢れていても挫折や失敗などで心が折れてしまうこともあり得ます。
もし夢や理想を実現できても、慣れていくことで「何もない世の中」に変わってしまうこともあるのではないでしょうか。
現実を目の当たりにして、飛ぶのをためらってしまうこともあるかもしれません。
そんな挫けそうな心をもった人へ「きっと飛べるさ」と強く背中を押しています。
小さくて繊細な羽を持つ蝶が飛べるように、繊細な心を持つ人も羽ばたけるという意味が込められているのでしょうね。
苦悩を乗り越えてポジティブに成長
Butter-Fly 歌詞 「和田光司」
https://utaten.com/lyric/ja00008426
2番は、「一途な風に乗って」や「どこまでも キミに会いに行こう」と歌われるように、ありのままの自分を受け止めて夢や希望にひたむきな姿が描かれています。
1番では、まっすぐな想いを言葉にすることに悩んでいた主人公ですが、曖昧な言葉でも伝えていいのだと価値観を広げられたことが分かりますね。
さらに、世の中に期待していても仕方ない、自分の力で動かなくてはと思っているところからも成長がうかがえるのではないでしょうか。
苦悩や挫折を乗り越え、少し前向きになれた主人公。
さなぎが殻を破って蝶へ成長していくように、苦悩や挫折を乗り越えたからこそ成長できたのでしょう。
君も何度でも飛べる不死蝶になれる
Butter-Fly 歌詞 「和田光司」
https://utaten.com/lyric/ja00008426
2番サビの「そうさ常識はずれも悪くはないかな」では、挑戦する時は常識通りでなくていいと教えています。
コンプレックスや挫折で一歩踏み出すことに、とても勇気がいると感じる人もいるでしょう。
一歩踏み出すことをためらっている人に、自分の思うままに行動して大丈夫だと背中を押しているのです。
「ぎこちない翼でもきっと飛べるさ」からも、悩んでいるあなたも飛べるはずだという強い想いを感じます。

画像引用元 (Amazon)
この楽曲を歌った和田光司も上咽頭がんと戦いながら、歌い続けてきました。
音楽活動復帰当時、がんの再発が不安だった彼は、知人の「歌える時に歌って、歌えなくなったらまた休めばいいじゃない」という言葉に救われたそうです。
がん治療の影響で声が変わってもその声を愛しながら、音楽活動に臨んだといいます。
病に対する不安を乗り越えられた彼が歌うことで、歌詞に説得力が感じられるのではないでしょうか。
この楽曲が20年以上愛される理由は、悩める自分を認めて励ましてくれる歌詞に勇気やパワーがもらえるからでしょう。
自分や現実を認めることで、何度でも飛べる「不死蝶」になれると熱く歌い上げた『Butter-Fly』。
希望が見えず、不安に潰されそうになってしまう今だからこそ胸に響く楽曲ではないでしょうか。
困難で心が打ちのめされそうな時、この楽曲のメッセージがきっと支えになってくれるでしょう。

TEXT Asakura Mika

アーティスト

UtaTen

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