【超特急 ライヴレポート】
『コント×超特急』
2021年4月29日 at 配信ライヴ
舞台はチャラい3人組が喫茶店で語り合う場面からスタートする。くだらないダジャレを言い合うサングラスにヒゲの男たちは、なんとリョウガ、ユーキ、カイ。3人は待ち合わせに来ないタカシから電話でお勧めされた映画『泥水みたいな恋をした』を観に行くことに。舞台のメインストーリーになるのは、この映画の内容だ。
物語の主人公はリョウガ扮する安井 粟とタクヤ扮する女性の只野 布。終電を乗り過ごしたふたりが偶然出会い、朝まで喫茶店で時間を潰すこととなる。お互いに夜ダンというアーティストが好きで、テレビの音楽番組『MUSIC AIRPORT』に観覧に行く予定だったという。さらにふたりは、ドンキホーテの1円玉の利用法や、好きな言葉は“仕送り”などの会話から意気投合していく。
また、今回の舞台の合間には、いくつかVTRでスキットが挟まっていた。『THE FIRST TAKE』は真剣な眼差しのメンバーがマイクに向かうのだが、歌うではなく『全力「ルパン三世」』というお題で物真似をしていく。最初のタカシのハイレベルなルパンに、あとのメンバーはグズグズな物真似を披露する結果となった。
そして、舞台は栗と布が観に行く予定だった『MUSIC AIRPORT』のシーンに。声出し顔出しNGの夜ダンが、タモリ風の司会者とLINEスタンプで会話。無言の夜ダンだったが、一転して「MAJIなんなんだ」をいい声で歌唱する場面もかなり笑えるポイントだった。
物語は競馬場デートの場面に移る。捨てられた馬券から当たり馬券を探す栗と布。そんなふたりの前に、クレイジーなキャラが続々出現する。近鉄バファローズのキャップを被ったおじさんのユーキが馬券予想やパワーストーンなどを売りつけてくる。それをどうにか追い返したものの、クネクネした動きのカイ、抱き枕を抱えたキモキャラのタカシなどが現れるカオスな展開へと発展。気がつけば最終レースも終了していた。…が、その時、馬券予想のおじさんユーキが再び登場し、モーニング娘。の「LOVEマシーン」を熱唱。その歌に勇気をもらった栗は布に告白し、ふたりはめでたくカップルとなるのだった。
付き合い始めて半年。栗と布は同棲し幸せな時間を過ごしていた。ふたりは近所の神社で大きな2体のぬいぐるみを拾い、黄色い方にユーキ、赤い方にカイと名づける。スイッチを入れると、栗と布に言われたことをそれぞれのモードで語るというぬいぐるみ。ユーキは高速で“変なおじさん”を踊り、カイは首の血管が浮くほど力みまくった口調で“アイーン”を言うなど、もういちいちがヤバい状態だ。
いよいよ物語は後半戦に突入へ。仲の良かった栗と布だったが、時間とともに気持ちのすれ違いが生まれてきた。ふたりの幸せのために働くようになった栗。ただ楽しいだけで良かった布。友達の結婚式に出席した栗と布は競馬場に行き、栗が別れ話を切り出そうとすると、逆に布から“私たち、別れよう”と言われる。いざ現実に布から別れを突きつけられると、栗は動揺し、“やっぱり別れたくない。結婚しよう”とうろたえる。そこに、当たり馬券を探すカイと女性役のタカシ、馬券予想おじさんユーキも現れる。ふたりは昔の自分たちを重ね合わせ、別れを決めた。だが、栗は“ねえ、最後に一回いい?”、布は“3万”と答える。栗が値切り続けるというクズ展開となり、ユーキが歌う「LOVEマシーン」が響く中、映画は終わりを迎えるーー。
舞台が最初の喫茶店に戻ると、映画を観終えたチャラい3人は文句タラタラ。まだ来ないタカシに電話をして“お勧め映画つまんねー! マジなんなんだ!”と叫んでいると、ウェイトレスのタクヤが“喫茶店で大声でしゃべってるやつ、マジなんなんだ!”と声をあげる。そして、夜ダンが「MAJIなんなんだ」を歌唱し、4人が踊り、LINEスタンプの“おしまい”の文字で舞台はフィニッシュとなった。
濃いキャラクターになりきり、全力のコントを見せてくれた5人。無事コントをやり遂げた彼らは、それぞれ感想を語っていった。
カイ:見てくれた方が笑ってくれたら嬉しいですし…あと、僕的にはリョウガとタクヤを思いっきり笑わせることができたので大満足です。いい夢見れます!
ユーキ:かなり緊張しました。コントってコロコロとキャラクターが変わるから、切り替えのスイッチで気持ちがバクバクでした。でも、すごくいい経験でしたし、どんどん成長していきたいです。
タカシ:どういうキャラをやっていくか難しさはあったんですけど、それよりも自分自身楽しんでキャラクターに挑めました。
タクヤ:僕はこの一本を通してずっと女性だったので難しいところもあったんですけど、すごくやり甲斐を感じましたし、楽しかったです。
リョウガ:やり甲斐も感じながらも、コントって難しいなと痛感もしました。これからもっと成長して、コント好きな人、お笑いが好きな人も笑わせるくらいのクオリティーになれるようにがんばっていきたいです。
さらに、リョウガはつけ加えて“意外と舞台のファーストキス、タクヤでもいいかも。今、この距離で見て気づいた”と女装のタクヤにウェルカムの姿勢を見せる。その発言にメンバーからは“マジなんなんだ”の怒号が飛び、コントのミニ延長戦が繰り広げられた。改めてリョウガは“僕たちはパワーアップして新しい姿を見せていきたいです。これからも『コント×超特急』のほう、よろしくお願いします!”と語ってコントライヴは終了となった。
尋常じゃないレベルで笑いに振り切り、今後のコントに意欲を燃やす超特急。5人の爆走はまだまだ続く!
取材:土屋恵介
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