「野村義男のおなか(ま)いっぱい お
かわりコラム」おかわり21杯目は、3
0周年リベンジツアー目前のすかんち
ROLLYが登場

ギターをこよなく愛するギタリスト・野村義男が、沢山の仲間を呼んでおなかいっぱいの内容でお送りする対談形式のコラム。おかわり21杯目は、デビュー30周年記念ツアーのリベンジ開催を間近に控えるすかんちからROLLYが登場。
野村:本日のゲストはすかんちのROLLYさんがいらっしゃいました。ご無沙汰してます。
ROLLY:はい、ご無沙汰しておりました。前にアルバム『ROLLY’ S ROCK WORKS』を出した時にお会いしたから、2年経っていると思います。
野村:全然こんな状況じゃなかったもんね。コロナになってからは何してたの?
ROLLY:コロナ禍になる少し前に、すかんちのキーボード・ドクター田中が亡くなって、その追悼コンサートを去年の1月にやりました。そのあと鈴木 茂さんと2月にモーション・ブルー・ヨコハマでやったのが最後で、3月くらいからコンサートが全部中止になりまして。
野村:はいはい。
ROLLY:緊急事態宣言になったんで生活必需品買うとき以外は出ないようにしたんで。
野村:完璧なるステイホームだ。
ROLLY:完全なるステイホーム。僕割とね、そういうのホビーとして楽しむほうなのよね。絶対に外に出ないっていう自分の中のポリシーを決めたもんで、せっかくだったら明るく行こうって。
野村:あ、今思い出した。最後に会ったの名古屋の空港だ、セントレアのフェス。ROLLYが一人で出てて、僕はSho-ta(田村直美)で。それでROLLYが髪切ったとか言ってた!
ROLLY:ああ、そうだ。あれはかつら!
野村:そうそう、かつら。えー、かつら?わかんないとか言って。
ROLLY
ROLLY:あの時はまだコロナのコの字もなかったから。それで、コロナ禍になってからやることもないんで、実はずっとギター弾いてて。たまたま家にあって開けたことなかったZOOMのG1X FOURってマルチエフェクターを、開封の儀式から説明書をみないでそれを使って音楽を作っていくってドキュメンタリー風のやつをYouTubeにアップしたんです。そうしたら結構色々な人が見てくれまして。
野村:へー!
ROLLY:マルチエフェクターって、一個目に入ってるやつがメーカー的には一番の自信作みたいなんで、音色はそれ一個で良いんです。で、そのルーパーだけをいじってくみたいな。そしたら、今度はZOOMの新製品のG6のデモをやってくれって仕事が来て、何でもやってみるもんだなって思いましたね。
野村:すごい!
ROLLY:コロナが流行りだした去年がデビュー30周年だったのですが、自宅から生配信でやってみたら?って会社の人に言われて。スタッフはちょうど緊急事態宣言が延長になったんで家に来たらあかんから、誰にも手伝ってもらえず。
野村:すごいちゃんとしてる!(笑)
ROLLY:みんな使ってる配信用のOBSっていうソフトを使ってるんですけれど、僕がたまたまvimeoのプレミアムプランっていうのに入ってたんで、プロが放送するようなアプリケーションを何か月かかけて使えるようになって。
野村:素晴らしい!
ROLLY:普通はそういうのって、演奏する人は演奏したりとかして、配信に関しては誰かが操作してるんですよ。でも、僕はパソコンを前において、自分でワイプとかも操作しながら、生演奏でギターシンセ弾いて、コーラスマシンも使って。
野村:いやいや、難しいでしょ!
ROLLY:照明も自分でやらなきゃいけなかったから、ジャーン!って弾いてこう伸ばしてる間に、フェーダーをいじって歓声とかも出したり、全部自分でやってる間抜けな様がちょっとウケまして、そこからYouTubeの面白さにハマってしまったんです。
野村:あはは(笑)、それ見たい!
野村義男
ROLLY:そうこうしてるうちに、昔野村さんが来てくれた『ROCK FUJIYAMA』をマーティー(・フリードマン)さんとオンラインでやろうってことになり、また始めたんですけど。Zoomのアプリケーションを通じて演奏できないかとか散々やってみたり。
野村:Zoomって会議で使ってるやつ? ラグが酷いから絶対無理でしょ!
ROLLY:そのタイムラグも計算して、上手く出してバッチリ決まったらカッコいいかなって。
野村:かっこ良いよね!でもヤマハのアシストシステムが出来るんだよね?
ROLLY:そう、それを導入してくださいって言ったんですけど、なにしろ弱小なもんでそれも導入してくれないから(笑)。で、まぁなんとなく始めまして、今となってはROCK FUJIYAMAチャンネルは週に3回に。
野村:おっ、すごい。
ROLLY:今はまだちょっとしてないんですけど、直接スタジオにゲストで是非!お金にならなさすぎて申し訳ないなぁと思うけど、14年振りくらいにやってますので。
野村:あ、是非言ってください!暇だし、番組自体はすごく好きだからさ。
ROLLY
ROLLY:そう言えば、ここ最近ギター買いましたか?
野村:買ってます。
ROLLY:あ、もうやめるって言ってなかったでしたっけ?(笑)
野村:いやいや、増えるのはしょうがないよ! でも、最近はウクレレばっか弾いてた。
ROLLY:レギュラーサイズの?
野村:ギターより色々なウクレレを手にしてたから、その中で好きなものを弾いてたんだけど、気が付いたらテナーが一番ギターに近いから弾きやすくて。
ROLLY:レギュラーサイズは小さすぎてちょっと難しいよね。僕ウクレレで「あ、この人すごい!この人みたいに弾きたい!」って思ったのがハーブ・オオタさん。もうすっごいジャズで。
野村:うん、ハワイで目の前で見た。一緒のフェスに出たんだけど、凄いジャズだった。うわー、そんなもん弾けんのかよって。ウクレレジャズっていうジャンルで、「夢で逢いましょう」って曲があって。チェット・アトキンスとかギターの人もやってれば、ボーカルの人もやってるけど。やっぱジャズの人ウクレレの人がスタンダードになってるんだけどさ。限界があるからギターより奥が深い。
ROLLY:凄い、良いですねー。
野村:ハーブ・オオタさんとジェイク・シマブクロが全てを変えたんだよ。やっぱり、ジミ・ヘンドリックスと。エディ・ヴァン・ヘイレンがいたから。
ROLLY:うわ、またカッコ良い! じゃあ僕、ウクレレ界のエディ・ヴァン・ヘイレンとマーティと三人で、ウクレレでデトロイト・ロック・シティを演奏したことになる。
野村:おー、素晴らしい!
ROLLY: メタルハワイアンって言って、当然『ROCK FUJIYAMA』でなんですけど。ジェイク・シマブクロさんのエフェクターの使い方とか、もう凄いね。まさに言わんとすることがヴァン・ヘイレンっぽい。
野村:やっぱもう本来の使い方じゃない使い方をしているっていうので、やっぱジェイクは凄いよね。ジミ・ヘンドリックスがトレモロの使い方をヴェーンってやった瞬間、それを見たレオ・フェンダーが言ったの。
ROLLY:うん(笑)。
野村:「No!」俺はそんな風に使わせるために作ったんじゃない!みたいな。だけどあれでストラトキャスターが復活しちゃったからね。発売中止になるところだったのに、ジミヘンのおかげで今日までもってるっていう。
ROLLY:ジミ・ヘンドリックスが69年のウッドストックで使ってた、ラージヘッドだけどブレットが出てない貼りメイプルってやつ。ストラトってCBSに買収されてからのやつは全く評価がないけど、ジミヘンが使ってることによりあれは凄く高いですよね。
野村:貼りメイプルが全部高い。なぜか知らないけどテレキャスも高いし。貼りメはやっぱ良い音がするっていうのがね。
野村義男
ROLLY:僕もコロナ禍で、もう本当ににやめようって思ってんのにギターがまただいぶ増えたね。
野村:あ、ホントに?
ROLLY: Variaxのサンプリングとかのやつ。
野村:アコギとかの音が出るやつね。あれなんていうんだろうね、プリセットじゃないし、サンプリングかもしれない。どくろマークがあるやつでしょ?
ROLLY:あるやつ。それの昔のやつは持ってたんです、でもちょっとまたサンプリングし直したって言うから、もう別に今どうってことじゃないのに、ちょっと興味があって(笑)。
野村:そういうことだよね!音が良くなったかもしれないって。
ROLLY:音が良くなったかもしれないけど、でも意外と前のやつに愛着があってね。結局どっちも良かったかな。まぁ、それ以外にも機材とか爆発的に増えましたね。
野村:どっちかっていうと僕は減らしたかもしれない。
ROLLY:それは、えらい。でも、あなたの場合は博物館レベルで持ってるじゃないですか(笑)。
野村:だけど減らしてるくせにまた買ってるから、10本減らして1本増えるみたいな。

ROLLY
ROLLY:そういや、ちょっとギターと関係ないんですけど。自粛中に新宿ロフトを借りて、『開運!なんでも鑑定団』のミュージシャン特集みたいなのをするってウルフルケイスケさんから誘われて出たんです。
野村:うん。
ROLLY:僕10年くらい前にも出たことがあって、家にあるナイトメアー・ビフォア・クリスマスのジャック・スケリントンの等身大のフィギュアが120万円の値段が付きまして。今回も何かないかなって押し入れ見たら、おじいさんが経営してた旅館で使ってた掛け軸があったなと思って。よく調べてみると、幕末の大ベストセラー作家で山陽外史こと頼山陽って人の書いたものだって分かりまして。
野村:おお、凄そう。それはもう値段もわかっちゃってるの?
ROLLY:ええ、千円だったの。結局それ自体は贋作で、入ってるヒノキの箱の値段だってなって、残念だったんですけど。
野村:そんな言ってくれたら持ってったのに1個。
ROLLY:いや、もうだって!(笑)
野村:いや、ギターとかだったら僕も値段わかっちゃってるから。全くわかんないものがあって、デュアン・オールマンが使ってたボトルネック。
ROLLY:へぇ~。そのスカイドッグが使ってたやつはやっぱ瓶を切ったやつ?
野村:うん、薬瓶。オールマンモデルっていうのが売りには出てるんだけど、それよりちょっと小さいの! 時代が変わっちゃったから、薬瓶作ってる会社の規定サイズがたぶん変わったんだろうね。
ROLLY:薬の瓶っていうのは普通のボトルネックよりも、表面ガラスの層が薄くて質量が軽かったりするの?
野村:いやいや、そんなことないよ。良い感じだけど、グラつくから中に指入れて曲げてやんないと落ち着かないの。だからすっごい指が曲がるよ。
ROLLY:僕、中学2年生の時に、田舎の凄く小さい楽器屋さんに鈴木茂さんがギターセミナーみたいなのでやってきたの。ものすごい田舎の楽器屋。
野村:うん。
ROLLY:中学2年の僕が「スライドバーがブカブカなんですけど、どうしたらいいでしょうか?」って聞いたら、「ティッシュを巻いてから入れなさい。」って言っていただいて、「は~!」ってなったんです。それが大人になって今一緒に演奏することがあって。
野村:良いじゃないですか。凄いよね、夢が叶っている。
ROLLY:あれは嬉しかった。
ROLLY
野村:話は尽きないですけど、大事なことは去年やるはずだったデビュー30周年のすかんちのリベンジツアーがあるということで。
ROLLY:ありがとうございます。すかんちはね、キーボードの2人が亡くなって、小畑ポンプもこないだこけて肩の腱を切ってしまい、僕も腕がしびれてて、ベースのShima-changも、楽器が弾けないんですけど。亡くなった小川文明さんの愛弟子の村原康介がキーボード、ザ・キャプテンズっていう最後のGSって自分たちで言ってるバンドのベースのテッドが入った5人でやります。
野村:これはツアーになってるんですよね?
ROLLY:はい!8月1日のCLUB CITTA’ から始まって、8月9日のなんばhatch、10日の名古屋ReNY limited、8月17日の渋谷O-EASTと、有観客・配信無しの形で回ります。
野村:これは往年のファンたちは大喜びじゃないですか?
ROLLY:今回のツアーは配信がないですけど、コロナ禍になって、皆さん財政的にも困ってたりとか不自由なことも多いと思うけど、僕は凄く良かったなって思うこともあって。今まで遠くの人は、東京まで来て帰れないからコンサートに行けないってなってたお客さんが、配信やることによってお家で感染の心配も全くなく、もう風呂から上がってパンツ一丁で盛り上がれるわけじゃないですか。
野村:ビールも飲みながらライブ見れるし! まぁやる側は無観客でやれって?みたいな気持ちから入っていったけどね。
ROLLY:なんかね、それをいかに面白がるかっていう。1曲ごとに演奏中も含めてサンプリングでわ~!って歓声入れるし。暗いと不平を言うよりも、進んで明かりを付けましょうって。面白がってたらいつの間にかこの状況も終わってて、20年30年後の未来の世界でね、我々は言うんですよ。
野村:うん。
ROLLY:「おい若いの! 君たちの教科書に載っているあのコロナ禍ってのを僕は体験したよ。」「おじいさん本当ですか?」みたいに自慢したいですね。それはもう細野晴臣さんのおじいさんがタイタニックに乗ってたみたいな話ですよ!
野村:あ~、そうだよね。
ROLLY:だからそれまで頑張ってこの企画を続けていただいて、せめて半年に1回くらいこうやってお話しましょう。
野村:是非遊びに来てください。ということで、今回はROLLYさんに来ていただきました。ありがとうございました!
ROLLY:ありがとうございました!

撮影=大橋祐希

野村義男 / ROLLY

SPICE

SPICE(スパイス)は、音楽、クラシック、舞台、アニメ・ゲーム、イベント・レジャー、映画、アートのニュースやレポート、インタビューやコラム、動画などHOTなコンテンツをお届けするエンターテイメント特化型情報メディアです。

新着