後藤まりこがフェスで衝撃の「ファン
の上で会場一周」

この日、今年はじめての野外フェスということでどんなパフォーマンスを魅せてくれるのか注目が集まった。リハーサルでは関西弁の可愛らしい後藤まりこ。しかし、一曲目の『sound of me』のイントロが鳴った瞬間、すぐに最前列の柵を超えファンの頭上へライド。そのまま、ファンの上を歩き、「海を泳ぐ」ように頭上をサーフ。後藤まりこのLIVE初見の観客も「ヤバい!」と絶叫しながら皆が手を差し伸べ後藤まりこを支える。

当然この日はフェスなので全員が後藤まりこのファンではない。しかし、駆けつけてまで支えようとする光景は、言葉では説明しきれない「信頼関係」がほんの数分で出来上がった瞬間だった。この「ステージ」の出演者として観客達が彼女と一緒にこの日を楽しもうとしている。この関ヶ原で奇跡の光景が目の前に拡がっている。
この奇跡は生み出したのは、後藤まりこの憎めないキャラクターもあるが、名曲の数々も観客の心をグッと掴んだからだと思える。ただ暴れているだけではなく、曲としての必然性があるからこそ、後藤まりこがファンの上を歩き、寝転び泳いでも誰もが手を差し伸べるのだろう。手を差し伸べることを怖がる女性には「怖くないよ」と優しく囁き、彼女の手を取った後藤まりこが自分の額に押し付ける光景は、ここがロックのフェスであることを忘れるほどの不思議な光景だった。
終盤、後藤まりこを抱えたファンたちは、反対側のステージ(この日は、合戦というモチーフで2面の向かい合ったステージで交互に演奏された)まで「もっと、もっと」後藤まりこに急かされ移動。この日、関ヶ原の戦いにかけ東と西のステージに分かれていたのだが「東も西も関係ない!」と絶叫!両方のステージで歌う姿は、彼女なりの「音楽で平和に繋がる」想いを魅せたように思えた。
『うーちゃん』『あたしの衝動』『m@u』と最後に立て続けに歌い、観客へマイクを投げる後藤まりこ。熱狂と混乱、そして愛があふれるステージは終了した。間違いなく、いま一番LIVEが面白いアーティストは後藤まりこだと確信する圧巻のパフォーマンスだった。

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